外出自粛が始まってから1年以上が経ち、さすがにこのままではヤバい、と肌見せ必須の季節を目前にして焦りを感じているママは多いはず。なかにはおうち時間を利用してオンライントレーニングに励み、“コロナ太りからのスッキリやせ”を成功させたママ友も(頭が下がるわー)。久しぶりに対面で会ったときのためにも後れを取ってはまずい、とYouTubeで筋トレ動画をチェックしていたら、出会ってしまったのです、ツボにはまるやつに!
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指導者で、研究者で、ボディビルダーでYouTuber??
チャンネル名は『バズーカ岡田の筋トレラボ』。バズーカ岡田は芸名(?)らしく、本名は岡田隆(おかだたかし)さんといって、なんと日本体育大学の先生。しかも柔道全日本男子チームの体力強化部門長。しかもしかも、現役のボディビルダー! 30代後半で大会に出場し始め、優勝経験もあるようです。つまり、研究者であり実践者であり指導者でもある、稀有な存在なんですね。すでに著書もたくさん出ていて、総発行数は100万部を超えるそうです。どうりで、トークがうまいはずだ。
だけど、YouTubeの内容はちょっと私にはレベルが高くてつづけられそうにない。しっかり腰を落ち着けて基本から学ぶにはやっぱり本よね、と思いア◯ゾンで検索してみたけど、今度は種類が多すぎて何を選べばいいのか分からない(>o<)。
岡田先生の最新著書は『世界一細かすぎる筋トレ図鑑』
途方に暮れていたら、ネットニュースで見つけたのです、岡田先生の最新著書『世界一細かすぎる筋トレ図鑑』を。1870円という値段にビビりましたが、図鑑というだけあって掲載種目はなんと180以上。これだけあれば飽きっぽい私でもつづけられる種目があるかもしれないし、なんといっても日本体育大学の先生で理学療法士、かつオリンピッククラスのアスリートたちの指導も行っているカラダづくりの“本家本元”、安心感がハンパない。
そう、買ってしまいました~。
まず、最初に驚いたのが、「もくじ」です。いきなりイケメンのボディビルダーさんの全身写真が載っている! 初心者は「上腕三頭筋」とか「大腿四頭筋」といわれてもすぐにピンとはこないのですが、この筋肉地図から鍛えたいパーツを選び、そこに載っているページに飛べば詳しいボディメイク法が見つけられる構成なんですね。
みんな知っている「スクワット」が18種類もある!?
そして目をひく種目の多さですが、なんと188もありました! 理由は、ひとつのパーツにつき、「自重トレーニング」「マシントレーニング」「バーベルorダンベルを用いたトレーニング」と、4つのアプローチによる鍛え方を提案しているから。
これには、著者のふたつの意向が働いています。ひとつは「ジムに行けなくて困っている人にこそ役立つ本にしたい」という思い。ちょうど本の出版が決まったのが1回目の緊急事態宣言が出たときで、のきなみ全国のジムがクローズした背景があったんですね。マシンは無理だけど、自重やバーベル・ダンベルならば自宅でも可能です。
もうひとつは、一見同じように見える動きでも、自重かバーベルかによって刺激が変わるから。刺激が変われば、筋肉への働き方も変わります。著者がいまいちばん理想だと熱く語る “細かく鍛え分けられたカラダ”は少しずつ異なる刺激を与えつづけた先にあり、そのためには細分化されたトレーニング種目が必要になるーーと。そのための細かさであり、ボリュームなのですね。
たとえば筋トレ種目ビックスリーの一つに数えられる「スクワット」だけで、なんと18種も!書名どおり、こ、細かすぎる!(笑)
では実際に、岡田先生によるボディメイク(トレーニング)法を紹介していきます。
おそらく、ほとんどの人(もちろん私も)が大好物の「お腹のくびれ」に必須の、腹斜筋群に刺激を与える「ツイスト」を選んでみます。
レッグツイスト
① 寝っ転がり、腕を広げ、脚は股関節を直角に曲げ、伸ばす。
② 腰をひねり、脚を横に下ろす。
③ 1の姿勢に戻り、腰をひねって逆側に脚を下ろす。息を強く吐く。
スタンディングツイスト
① 立つ。腕は横に広げる。脚は肩幅より足2つ分ほど開く。
② 上半身をひねる。
③ 上半身を逆方向にひねる。ひねりきった際に、口をすぼめて強く息を吐く。
どちらも狙うパーツは腹斜筋群、メインの動きも“ひねり”ですが、異なるのが「態勢」。私は両方やってみて、横になるバージョンのほうが刺激が届いている実感があったので、いまはこちらをつづけています。でも飽きたら、スタンディングバージョンのほうに浮気するつもり。
こんなふうに、いまの自分のカラダ状態や欲する刺激などに応じてやり方をカスタマイズできるのも、細かすぎる筋トレ本だからなんですねー。
バリエーションをたくさん持つことこそ私たち流
この一冊さえあれば、もうネットでメソッドを追いかける必要もなくなりそう。バズーカ岡田のカラダづくりの最終結論が、私にとっても最終結論になりそうです。
筋トレマニアならだれもがあこがれる「肩にメロン、背中に鬼(オーガ)、尻にバタフライ」は、狙った部位の筋肉を確実にデカくし、ミゾ(カット)を刻む、「筋肉を鍛え分け」た先に見えてくる。本書は、この方法をカラー写真で徹底的に解説。その数、180以上!
コロナ禍で場所を絞らざるを得ないトレーニーのために、自宅で(自重)、ジムで(マシン)、バーベル・ダンベルのみで――と、3つのシチュエーションを想定。
著者は、YouTubeチャンネル登録者数19万人の日本体育大学准教授。
かつ自身も2014年に東京オープン選手権大会70kg級で優勝。16年には日本社会人選手権大会を制した社会人ボディビルダー。
記事監修
岡田隆(おかだ たかし)
選手としてボディビル競技に挑みつつ、骨格筋評論家「バズーカ岡田」として多くのメディアに出演。1980年、愛知県出身。日本体育大学卒業、日本体育大学大学院修了(体育科学修士)、東京大学大学院単位取得満期退学。『除脂肪メソッド』(ベースボール・マガジン社)、『無敵の筋トレ食』(ポプラ社)など著書多数。累計100万部を突破。YouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者数19万人を突破。
文・構成/小学館出版局生活編集室