2021年5月26日は「スーパームーン皆既月食」いつ・どこで見られる?日食との違いは?

2021年5月26日、日本で約3年ぶりに皆既月食が見られます。またこの日はスーパームーンにもあたり、いつもと違う“特別な皆既月食”になります。そこで、なぜ今回の皆既月食が特別なのか、月食とは何かをまずはチェック。さらに5月26日のスーパームーン皆既月食は、いつ、どこで、どの方角で見ることができるのか、上手な見方と合わせてご紹介。親子で参加できる関連オンラインイベントについてもご案内します。

2021年5月26日の「スーパームーン皆既月食」が特別な理由

スーパームーン、皆既月食
2021年5月26日は、特別な皆既月食を観察できます。

2021年5月26日、日本全国で皆既月食が観察できます。そして、この日の皆既月食は、普段とは違う“特別な皆既月食”として注目を集めています。まずはその理由を見ていきましょう。

理由1:3年ぶりの皆既月食

日本で前回、皆既月食が観察されたのは2018年7月でした。そのため、2021年5月26日の皆既月食は、日本で観測できる皆既月食として、約3年ぶりの出来事になります。

皆既月食は、比較的頻繁に起きている現象と思われるかもしれませんが、今回は数年ぶりの皆既月食なので、天文ファンをはじめ、多くの人に注目されています。

理由2:スーパームーン

2021年5月26日の皆既月食は「スーパームーン」と重なることも注目を集めている理由の1つです。

スーパームーンとは、通常の満月よりも大きく明るく見える月のこと。月は地球のまわりを公転していますが、その軌道は楕円形のため、月と地球の距離には少し離れるときと、縮まるときで差が生じます。月と地球の距離が近いときに見られる満月をスーパームーンと呼びます。

前回の2018年の皆既月食は、月が小さく見えるときの皆既月食でした。それに対して、5月26日はとても大きな満月の状態で、皆既月食を観察できます。

理由3:全国で観察できる

26日の皆既月食が観測できるのは、地域上の限られた場所です。また時間帯によっては、月食の始まりから終わりまでを観察できないこともあります。

しかし2021年5月26日の皆既月食は、天候が良ければ日本全国で観察できます。

月食とは

皆既月食とは何か知るためには、そもそも月食とは、どんな現象なのかを見ていきましょう。

そもそも月が夜空で光って見えるのは、太陽の光が当たっているからです。もちろん地球にも太陽の光が当たっていて、太陽の反対側には影が伸びています。この影の中に月が入ると、太陽の光が当たらなくなり、月の一部が欠けて見えたり、全部が暗くなって夜空に溶け込んで見えます。これが「月食」です。

つまり月食は、太陽、地球、月が一直線上に並んだときに起こります。月の一部が欠けて見えるのが「部分月食」、月の全部が影に入って暗くなり、夜空に溶け込んで見えるのが「皆既月食」です。

ただし、皆既月食では、月は真っ黒にはならず、「赤銅色(しゃくどういろ)」と呼ばれる赤黒い色になります。これは、地球のまわりにある大気がレンズのような役割をして、太陽の光が曲がって月に当たるからです。このとき、赤い光だけが大気で曲がって月に届くため、月が赤く光るのです。

日食との違い

月食と同じような天文現象があります。「日食」です。日食は、月食と同じように太陽と地球、月の位置関係から生まれる現象です。太陽、月、地球の順で3つが一直線上に並んだとき、地球から見ると、太陽が月に隠れて見えなくなります。これが日食です。

日食も月食も、太陽、地球、月の一直線上に並ぶときに起きます。ですが並び順が違います。日食は「太陽・月・地球」の順に並ぶのに対し、月食は「太陽・地球・月」の順に並びます。

また月は地球と比べると小さいので、小さな月が太陽を隠す日食は、地球が太陽を隠す月食よりも、なかなか見ることができません。

いつ・どこで・どの方角で見られる?2021年5月26日の「スーパームーン皆既月食」

2021年5月26日の「スーパームーン皆既月食」を観察できる、時間や場所、方角を確認しましょう。

時間:20時9分ごろから、20時28分ごろまで

2021年5月26日の皆既月食の時間経過は、次のように予想されています。

月は18時44分頃から欠け始め、20時9分から20時28分の19分間に皆既月食となります。月食のピークは20時18分で、地球の影に入ります。その後は少しずつ影から出る方向に動き、21時52分には部分月食が終わります(時間は場所によって、わずかに違います)。

・部分月食の始まり 18時44分
・皆既月食の始まり 20時09分
・皆既月食の終わり 20時28分
・部分月食の終わり 21時52分

場所:日本中、どこからでも見られる

今回の皆既月食は、日本各地から観測できます。北海道から沖縄まで、どこからでも見ることができます。

方角:南東の方向

皆既月食を観察できるのは、南東の方向です。皆既月食が近づいてきたら、南東の空を見上げましょう。

2021年5月26日「スーパームーン皆既月食」の上手な見方

2021年5月26日「スーパームーン皆既月食」は午後8時台に全国各地で見られるとあって、親子で観賞できる絶好の機会になります。この「スーパームーン皆既月食」を上手に見るために、次のようなポイントをおさえておきましょう。

見方1:肉眼でも観察できる

2021年5月26日の「スーパームーン皆既月食」は、天体望遠鏡や双眼鏡のような特別な機材を使わなくても、肉眼で十分に月の色の変化などを観察できます。

普段、夜空の月を見上げるのと同じように、夜空を見上げてみましょう。もし望遠鏡などを持っていれば、より詳細に月食観測を楽しむことができます。

見方2:インターネット中継を活用

各地の天文台や科学館などでは、26日のスーパームーン皆既月食にあわせて、インターネット中継などが予定されています。それらを視聴すれば、解説を聞きながら、月食を確認することができます。

もしも雲が多かったり、天気が悪くて皆既月食がきれいに見られなくても、ネットを通じて皆既月食の様子が観察できるでしょう。

見方3:撮影しよう

スーパームーン皆既月食では、皆既月食中に月が赤黒い色に輝き、独特の雰囲気になります。ぜひスマホやカメラで撮影してみてください。

スマホのカメラでも皆既月食は撮影できますので、夜景モードなどに設定して挑戦してみてください。デジタルカメラなら、三脚を置いてシャッタースピードを遅めに設定するのがおすすめです。

親子で参加できる!2021年5月26日「スーパームーン皆既月食」のオンラインイベント

2021年5月26日の「スーパームーン皆既月食」に向けて、さまざまなイベントが予定されています。事前のイベントや当日のライブ中継など、どれもオンラインで参加できます。

自然科学研究機構 野辺山展示室「オンライン4D2Uシアター」

2021年5月26日の「スーパームーン皆既月食」について、自然科学研究機構 野辺山展示室では、4次元デジタル宇宙ビューワー「mitaka」を使った解説が行われ、参加者からの質問にも答えてくれます。イベント開催日は2021年5月15日(土)と5月22日(土)で、応募フォームからの申し込みが必要です。

自然科学研究機構 野辺山展示室「オンライン4D2Uシアター」

国立天文台「月食中継」

国立天文台は、月食についてわかりやすく解説する動画を公開するなど、2021年5月26日の「スーパームーン皆既月食」に向けて、さまざまなコンテンツを発信しています。こうした動画で事前に皆既月食やスーパームーンについて勉強しておくと、26日の皆既月食をもっと楽しむことができそうです。

5月26日の当日には、YouTube中継が行われます。

国立天文台「月食中継」

京都産業大学「WEB天体観望会 皆既月食ライブ@京都」

京都産業大学神山天文台チャンネルでは、YouTubeで皆既月食の様子をライブ配信します。中道晶香教授が、月食の仕組みや皆既月食で月が赤黒く見える理由などについて解説してくれます。

解説を聞きながら夜空を見上げると、皆既月食の理解が深まります。

京都産業大学「WEB天体観望会 皆既月食ライブ@京都」

親子で楽しもう

今回の皆既月食は、月が大きく見えるスーパームーンと重なることから、観測には絶好のチャンスとなります。時間帯も8時台と、子どもも楽しめる時間帯。しかも全国各地で見ることができます。

親子で一緒に皆既月食を観測できるチャンス。26日はぜひ、子どもと一緒に夜空を見上げて、月や星の世界を楽しんでみてください。

 

文・構成/HugKum編集部

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