【医師監修】便秘解消のために見直したい食事・運動・習慣の基礎知識

毎日スッキリしない、便が出ないなど便秘で悩んでいる人は多いのではないでしょうか。今回HugKumが実施したアンケートでは、子育て中のパパママにご自身やお子さまの便秘について聞いてみました。皆さんの悩みと合わせて、便秘解消の基礎知識を紹介していきます。

なぜ便秘になるの?


便秘の原因として考えられるのは、大腸内のトラブルや生活習慣などの理由があげられます。改善方法を考える前に、そもそも自分は便秘の状態なのか、自分の体や便秘について知ることも大切です。

便秘の定義とは?

日本内科学会では「3日以上排便がない状態または毎日排便があったとしても残便感がある状態」を便秘と定義しています。腹痛・お腹が張るなど、排便に関して苦痛がある場合は自分の体質や生活習慣に合った改善方法を探してみましょう。

Q.便秘について悩んでいますか?


「便秘について悩んでいますか?」という質問に対して、約半数の人が悩んでいるという結果になりました。その中でも「ときどき」という回答が約3割あり、体調や環境の変化によって便秘になることも多いようです。

大人の便秘に関する体験談

便秘の症状には個人差がありますが、皆さんどのような悩みがあるのか聞いてみました。

「便がカチカチで便意は感じるがお尻で留まっていて痛く、出すまでに時間がかかる。」(30代・大阪府・子ども3人)
「小さい頃からずっと便秘」(30代・青森県・子ども1人)
「下痢とウサギのようなコロコロの便を繰り返す典型的な便秘で、妊娠中は特に酷くて大腸検査の時に使う薬を出してもらっていました。」(30代・山口県・子ども2人)
「仕事中はトイレに自由に行けないので、我慢することがあり、悪循環になる。お腹が張って辛いときがある。」(30代・新潟県・子ども2人)
「お腹が膨れてくる。あとは排便時にたまにお尻が割けるかと思うぐらい痛くなる。」(30代・岐阜県・子ども1人)

便が出ないというだけではなく、排便痛で悩んでいる人も多いのですね。他にも「便秘薬を服用しないと出ない」という回答もありました。

Q.お子様は便秘になりやすいですか?


大人と比べると少ないですが、約3割のお子さんが便秘になりやすいと感じているという結果になりました。大人と子どもでは便秘の症状が異なるようなので、お子さんの便秘に関するエピソードも合わせて教えてもらいました。

子どもの便秘に関する体験談

「赤ちゃんのときから、トイレが遠い子でした。うんちした?と毎朝聞きますが、毎朝は出ないようです。夜にトイレに籠ってうなり声が聞こえて心配になります。」(30代・新潟県・子ども2人)
「幼稚園の頃は便秘で通院していたが、なかなか改善しなかった。食生活の改善により少しずつだが薬を飲まなくても出るようになった。 便秘になると便漏らし(パンツを汚す)ことが多い」(40代・鹿児島県・子ども2人)
「上の子が赤ちゃんの時に10日ぐらい出なくて、やっとの事で出た時があります。下の子もなかなかでない時があって、でたらでたで太くて出なくて綿棒などを使ってやっとのことで出したことがあります。」(30代・静岡県・子ども2人)
「あまり水分もとらない子供なので、大きな排泄物で肛門が切れてしまった」(40代・埼玉県・子ども3人)

その他にも、「便がゆるくなる」、「腹痛を訴える」などの解答もありました。小さなお子さんは、便秘の症状を言葉ではっきりと伝えられないので、近くで見ている親御さんは心配になることもあるようです。

便秘の原因をおさらい


それでは、なぜ便秘になるのでしょうか?日常生活の中で考えられる原因を大人と子どもに分けて紹介していきます。

運動不足

運動不足が続くと、腸の動きが悪くなってしまうことがあります。デスクワークなどで座っている時間が長かったりして、血流が悪くなるのも原因のひとつ。

乱れた食生活をしている

1日3食、規則正しく食べることで腸が刺激されて排便につながります。お菓子ばかりを食べて、バランスが取れていない食事もNG。

子どもの便秘は我慢が原因になることも!?

子どもの便秘の原因としてよくいわれているのが、排便時の痛みを嫌がってトイレに行くことを我慢したり、学校や幼稚園などの集団生活の環境でトイレを我慢してしまい排便のリズムを崩してしまうということがあります。

便秘解消のための食事


便秘を解消するために食生活を見直すということは、大人だけではなく子どもにおいても大切なことです。

食物繊維と乳酸菌を意識して摂取する

便秘に良い食べ物としてよく言われているのが、腸の働きを整えてくれる食物繊維や乳酸菌を含む食材ですよね。食物繊維を含む食材として、キャベツやゴボウなどの野菜やキウイ、皮つきリンゴなどがあげられます。また、乳酸菌が含まれている食材としては、ヨーグルト、納豆、チーズなどの発酵食品があります。食物繊維と乳酸菌が含まれた食材を意識して日常的に食事に取り入れてみましょう。

食事のリズムを整える

1日3食、量や時間、栄養バランスなど食事のリズムを整えることも大切です。朝ごはんを食べる時間が遅くなったりするだけで、排便のリズムが乱れてしまうことも。食事のリズムを整えるためには、規則正しい生活を送ることも大切です。

よく噛んでゆっくり食べる

食事をするときは、ゆっくりよく噛んで食べるようにしましょう。食べ物が細かくなって胃に運ばれることで、消化・吸収がよくなり腸の働きもスムーズになります。また、よく噛むことで満腹感が得られるので食べすぎも防げます。

便秘解消のための運動


腸の動きをよくするためには、適度な運動をして体の血流をよくすることが大切です。便秘を解消する!おすすめの運動を紹介します。

軽い運動で血行をよくする

気軽に始められる運動としておすすめなのが、ウォーキング。目安は1日30分程度が理想的です。歩いて全身運動をすることで、血流が良くなり腸の動きも活性化されます。

腹部の筋肉を鍛える

腹部の筋肉を鍛えることで、排便がスムーズに。運動不足が続くと筋肉は衰えてしまうので、腹筋を意識したストレッチや運動を取り入れるようにしましょう。

ストレッチで腸を刺激する

お腹あたりを意識して体をひねったりするストレッチで腸を刺激するのもおすすめ!ヨガのポーズやお腹周りのマッサージ、ツボ押しなど自分に合っている方法を見つけてみましょう。

便秘解消のための習慣


便秘薬に頼らずに、便秘を解消するために身につけておきたい生活習慣をいくつか紹介します。

水分補給

便をスムーズに排泄するためには、からだに十分な水分を取り入れることが大切です。無理のない量で、こまめな水分補給を心がけるようにしましょう。

過度なダイエットはNG

食事を抜いたり、極端に量を減らすなどの無理なダイエットはNG。1日3回、規則正しく栄養バランスを意識した食事をすることで腸のぜんどう運動の効率が上がります。

ストレスをためない

ストレスが便秘につながることも。軽い運動をしたり趣味をつくるなどして、上手にストレスを発散できるようにすることも大切です。

子どもの便秘解消のための基礎知識


大人と子どもの便秘は違う!?子どもの便秘対策に知っておきたい基礎知識を紹介します。

生活リズムを整える

毎朝決まった時間に、ごはんを食べてからトイレに行く習慣を身につけるようにしましょう。朝にゆっくりとトイレに行く時間をつくるためには、早寝早起き規則正しい生活が重要になります。

市販薬は飲んでもいい?

何日も便が出ないなど便秘の症状が続く場合は、市販薬を使用するのもひとつの方法です。今はお茶やジュースに混ぜて、違和感なく飲め、副作用が気にならないお薬も出てきています。

子どもの便秘で気になる症状があれば迷わず、小児科や内科の医師に相談しましょう。

便意を逃さない

子どもは、遊びに夢中になってトイレに行きたくない、トイレトレーニングが嫌だ、幼稚園や学校のトイレでするのが恥ずかしいなどの理由で便意を逃してしまうことがよくあります。我慢は禁物。便意を逃さないように、子どもの様子をよくみておくようにしましょう。

子どもは便秘である自覚がないことが多く、腹痛の多くは便秘です。「ちゃんとうんち出てる?」と具体的に聞いておくことが大切です。

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家族で快便習慣を身につけよう!

便秘に関するアンケートの結果と合わせて、便秘を解消するための基礎知識などを紹介しましたがいかがでしたか?家族で生活習慣を見直し、規則正しい生活を意識すれば、便秘も解消につながるかもしれません。快便習慣を身につけるために、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

 

記事監修

けいこ豊洲こどもクリニック  院長
塚田 佳子

獨協医科大学卒
医学博士
小児科専門医
子どもの心の相談医

2020年江東区豊洲に「けいこ豊洲こどもクリニック」を開業
二児の母でもあり専門的な知識に加え自らの育児経験を活かす診療を行っている。

https://keiko-kodomo.com/

 

文/やまさきけいこ

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