子ども達の体力を奪った「3つの間」とは?幼児期に必要な体力は家庭での過ごし方で差がつく!【からだ☆ダンダンDVDプレゼントあり】

今、子どもたちのからだを動かす機会が減っていて、深刻な体力低下が起こっていることをご存じでしょうか?日本の児童の体力は、1985年をピークに下降していて、ここ10年ぐらいは低調がずっと続いているのです。コロナ禍における、巣ごもり生活がそこに拍車をかけつつあります。

 その背景と対策を、スポーツと健康との関係を医・科学的研究によって広範囲にわたり解明されているスペシャリスト、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科の内藤久士教授に伺いました。内藤先生は、NHK「おかあさんといっしょ」の人気体操「からだ☆ダンダン」の監修もされており、この度、ソフト「おかあさんといっしょ からだ☆ダンダン」が発売されました。

乳幼児の子どもの体力は1985年から下降の一途。原因は、「3つの間」が消えたこと

 

順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科   スポーツ健康医科学研究所 所長内藤久士教授

――幼児の体力や運動量は、現在どうなっているのでしょうか?

前回の東京オリンピックが開催された1964年から現在まで文部科学省が行ってきた「体力・運動能力調査」によれば、1985年をピークにして児童の体力は低下の一途をたどり、ここ10年ほどはずっと低空飛行を続けています。

 そして、それは幼児に関しても同じで、からだを動かす機会が減っていて、体力も低下しています。

 日本では、‘85年までは戦後の経済成長で栄養が豊かになるに従って体格もよくなって、そのうえで元気に遊ぶことやスポーツを頑張ることが推奨された時代で、体力は伸びる一方でした。

 しかし、それが‘85年あたりから、「スポ根マンガのようにスポーツだけを頑張ることがいいことではない」といった価値観が生まれ、からだを動かすことだけが大切ではないという風潮が出てきました。

子ども達の生活の変化を生んだ「仲間」「時間」「空間」の消失

 そして、それに伴って子どもたちの生活にも変化が起きて、3間(さんま)〟がなくなってきました。

〝3間〟とは、「仲間」「時間」「空間」の3つの間です。

 少子化にともなって、子どもたちは「仲間」と遊ぶことが少なくなりました。

また、塾や習い事に通うことで遊ぶ「時間」が減少。

そして、校庭や公園はあるけれど、校庭は遅くまで開放されていないし、危険だということで遊具もどんどん少なくなり、公園ではサッカーやキャッチボールが禁止されて遊びに制限がかかり、遊ぶ「空間」も減りました。「空間」が減った原因には、ほかに子どもが被害を受ける犯罪が増えたことなども影響しています。

 そのため、いまのお父さんやお母さん方の子ども時代に比べると、〝3間〟が揃うことがあまりないのです。〝間〟は1つだけあってもダメなんです。〝3つの間〟が揃うことで、子どもたちは遊ぶことができるのです。

 その結果、子どもたちがからだを動かす機会が徐々に減り、それが体力低下の一因となっていったのです。

 運動をする子としない子。子どもの体力は二極化しています

 

――習い事の低年齢化によって、スイミングや体操教室などに通っている幼児は増えていますよね。それは体力向上につながらないのでしょうか?

子どもたちからからだを動かす機会が失われると、確かに幼いうちからスポーツクラブや少年団といった組織に入り、運動をすることが盛んになりました。

 しかし、その反対に、そういった組織に属さない子どもたちは、自由に遊べる環境が劇的に減ったため、ほとんど、からだを動かさない生活をするようになっていったのです。

 要するに、現在は運動をする子と運動をしない子の二極化が起こっているのです。

 ですから、体力を見てみると、運動をしている子どもの体力は以前より高く、運動能力も高くなっているのですが、運動をしない子の体力の低下は著しい。だからすべての子どもの平均値をとると、数値は下がりもしないけれど、上りもせず、ずっと低空飛行をしているわけです。

 現在は、実は昔より運動をたくさんしている子どももいるのですが、その反対にほとんど運動をしない子どもも増えているいるんですね。

 スイミングや体操クラブに通わせていても運動不足は解消できない?!

 ――では、スイミングや体操クラブに通わせていれば安心ですね。

 残念ながら、一概にそうとも言えないのです。

 スイミングや体操クラブに属していても、それはある一定の運動を限られた時間帯にしているにすぎません。スイミングをしていても走るとか、跳ねるといった運動はしないでしょう。

幼児に大事なのは日常生活の中でからだを動かすことです

 しかし、幼児期に必要なのはさまざまな動きをしながら、からだにさまざまな刺激を受けて、多様な感覚を高めることなのです。そのためにはいろいろなからだの動作を日常生活の中でしていることが求められます。

 また、園に行って、お友だちとからだを動かして遊んでいるといっても、それは毎日ではなく、お休みの日は家庭で過ごしていますよね。土日をお休みにすると、休日は年間100日あまり。それに夏休みや春休みなどを加えると、子どもたちは一年の半分近くは家庭で過ごしているのです。

 ですから、家庭での過ごし方がとても重要で、日常生活の過ごし方が大事なのです。

 ――では、いったいどんなふうに過ごせばいいのでしょうか?

 特別な運動やスポーツをする必要はありません。日常生活の中でからだを動かせばいいんです。

 たとえば掃除の手伝いをしたり、買い物へお母さんと一緒に行ったり、親子で散歩するのでもいいんです。スマホやテレビのゲームをさせたり、アニメを観させているだけでなく、親子でからだを動かすことを意識しながら生活をしていただきたいのです。

 技術の発達で、いまは生活がとても便利になっていて、からだを動かさないで生活できてしまうことが多い。ですから、あえてからだを動かすことをお父さんやお母さんが率先して行い、それをお子さんと一緒に行う努力をしてほしいのです。

 日常生活の中で、しっかり活動をするためには規則正しい生活が不可欠です。

 朝早く起きて朝日を浴び、ごはんを食べ、昼間活動をすれば、夜は当然眠くなって早寝になる。そして、熟睡できれば、翌日も元気に活動できます。この繰り返しが健康なからだとこころを育むのです。

 現代の生活の中ではなかなかできない動作が、「からだ☆ダンダン」体操をすることで楽しみながら行えます

――体操「からだ☆ダンダン」は、からだをできるだけ多様に動かす機会を提供することを目的に作られたと聞いています。

 はい、その通りです。対象にしたのは2~4歳児です。からだを動かすことの楽しさや心地よさを味わうことを基本コンセプトに、からだを動かす子どもが1人でも多くなることを願って作られています。

からだ☆ダンダン

「からだ☆ダンダン」は、からだの感覚を高める動作を沢山取り入れた体操

「からだ☆ダンダン」では、からだを動かすことを意識して生活していても、現代ではなかなかできない動作を多数取り入れています。

 たとえば、以下のようなものが体操に含まれる動作とねらいの一例です。

 

「たたく」→皮膚や筋へ心地よい刺激を与え、力を抜いて意識的にリラックス

 「四股を踏む」→股関節の柔軟性を高め、片足で立つことでバランス感覚を養い、ケガをしにくい体をつくる。

 「しゃがむ」→かかとを床につけてしゃがむ姿勢をとることで、足首の柔らかさを養う

 「両手両足移動」→転んだときにとっさに身を守るからだと使い方を身につける。

 「回転」→一種の心地よいめまいを感じ、回転感覚や身体コントロール能力を養う

 

 前にも述べましたが、幼児期はからだの感覚を高めることが大切です。

 たとえば自分で腕を叩くことで、「骨に響く」とか「腕が揺れる」といった自分のからだを感じるでしょう。そうすることを繰り返すことで、感覚を研ぎ澄ませていくことができるんです。

様々な動作が含まれていた「昔の遊び」の動作を再現。家族みんなで楽しめます

 ――音楽のテンポもよくて、歌詞も楽しいですね。

 ええ。生物の進化じゃないですが、恐竜から人間へと動作が変わっていき、体を動かすスピードも早くなったり遅くなったりもしていくのですが、小さな子どもたちがマネしたくなるように構成しています。

 昔の遊びにはさまざまな動作が含まれていました。

 たとえば「鬼ごっこ」ひとつとっても、走る・止まる・避ける・隠れる・もぐりこむといった複数の動作を自然に繰り返して、最後にはその多様な動作すべてを身につけていました。

 この体操では、そういった遊びと同じ感覚で、子どもたちが楽しくお兄さんやお姉さんの動作をマネしながら、からだを動かしてもらうことでさまざまな動きができるようになっています。

――なるほど。いろいろな動きが自然に楽しくできるのですね。

 お母さん方は「上手に踊ってもらいたい」と思いがちですが、重要なのは「お子さん自身が楽しんでいるかどうか」です。お子さんが楽しんでからだを動かしていたら、上手じゃなくてもほめてあげてください。子どもにとっては、お母さんからほめられることはとってもうれしいことなんですよ。

 「できた」と思う達成感は、何より子どものやる気を育みます。そして、なるべくならお母さんもお子さんと一緒に体操をしてあげてください。より楽しくなって、からだの動きもダイナミックになると思いますよ。

 だれもができる「すわって からだ☆ダンダン」バージョンも収録

――私も一度トライしてみましたが、結構ハードでした(笑)。。。

 大変なら、ソフト「おかあさんといっしょ からだ☆ダンダン」の冒頭に収録されている体操の「すわって からだ☆ダンダン」をなさってはいかがでしょう。

すわって からだ☆ダンダン

「からだ☆ダンダン」の体操を基本にして、本編のダイナミックな動きをする1ヶ所以外は、ほとんど同じ動作を座ったままでできるように構成されているので、体力に自信がないお母さんでも、お子さんと最後までいっしょになって楽しめると思います。また、おじいちゃんやおばあちゃんにもオススメです。実際に「孫と楽しんでいます」というご声もたくさん届いています。

 すべての子どもが参加できるという視点で見直した「体操コーナー」

実は、「すわって からだ☆ダンダン」バージョンは、立って体を動かすことができないお子さんや、病気で入院中のお子さんが座ったままでもできる体操を作ってみようということからスタートしました。NHKの「おかあさんといっしょ」は放送から60年以上たちますが、これまでの体操のコーナーでは、立って走り回る子どもたちしかできない部分がありました。そのままではまだ100%すべての子どもに対応した体操ではありませんが、うまく座ることができないお子さんは、お母さんやお父さんが抱っこしながら、いっしょに体操していただけたらいいなと思っています。

 ぜひ、お子さんと一緒に楽しんでください。同じ場所で、同じことを共有することがお子さんにとってはとても嬉しいことなのです。

――有意義なお話をありがとうございました。コロナ禍で家で過ごすことが多い今、家族みんなでからだを動かすことを意識付けたいですね。

 

親子、おじいちゃん、おばあちゃんもいっしょに楽しめるソフト『おかあさんといっしょ からだ☆ダンダン』が6/16日に発売!

6/16日にDVD&ブルーレイが同時発売

『おかあさんといっしょ からだ☆ダンダン』ソフトには、体操以外にも「おやこあそび」や「からだあそび」「にんじゃあそび」も収録されており、「からだ☆ダンダン」と同じ意図で、子どもたちが遊び感覚で体を動かすように構成されています。

「しゅりけん にんじゃ」
かえるのおやこ

 

『おかあさんといっしょ「からだ☆ダンダン」』のDVDを3名様にプレゼント!

6月16日に発売された『おかあさんといっしょ「からだ☆ダンダン」』。

NHK 「おかあさんといっしょ」の人気コーナー、「からだ☆ダンダン」を中心に、体操やあそび歌の映像が23曲分+特典映像を含んでたっぷり55分収録されています。歌詞表示付きなので、からだを動かしながら、歌もいっしょに歌えます。冒頭には、座ってできる体操「すわってからだ☆ダンダン」も収録。このソフトで運動不足を補って、体力向上を図ってはいかがでしょう。

 この度の発売を記念して、この「からだ☆ダンダン」のDVDを3名様にプレゼントします。

たくさんのご応募をお待ちしています。

 『おかあさんといっしょ からだ☆ダンダン』DVD 発売元:ポニーキャニオン

6月16日発売 ¥3520(税込)*ブルーレイ版も同時に発売。

※詳しくは→https://mama.ponycanyon.co.jp/

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※抽選の結果、当選された方にはおかあさんといっしょ からだ☆ダンダン』DVD がプレゼントされます。
※この賞品に応募される場合、事前に発送先となる個人情報の入力と、アンケートへの回答が必要となります(応募時に賞品送付先ご登録フォームとアンケートフォームのご案内があります)。

■応募締切日:月7日(水)

■抽選方法:ご応募いただいた月の翌月以降、HugKum編集部にて抽選を行います。
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※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。落選の方へのご連絡はいたしておりません、ご了承ください。
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取材・構成/山津京子

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