カーテンのカビを放置したらどうなる?
カーテンにカビが付いた場合、「面倒なので洗濯は今度にしよう」「大きな害はないから様子を見よう」などと放置する人もいるのではないでしょうか。
カビを放置すれば部屋中にカビが繁殖する可能性があるだけではなく、健康にも影響を及ぼす可能性があります。
そのためカビを見つけたら、すぐに対処することが重要。まずは、カビを放置することで起こり得る影響を確認していきましょう。
部屋全体にカビが広がる恐れ
カビは一度発生すると、自然に消えてなくなることはありません。カビは放置すると、気に入った場所を見つけながら増殖し続けるのです。
最初はカーテンの一部に発生したカビであっても、気が付けば壁や床、天井といった部屋の隅々に広がっているケースも珍しくありません。
カビを除去するのには時間も手間もかかりますが、被害の拡大を少しでも抑えるためには、見つけたらすぐに対処したほうがよいでしょう。早めに対処すれば、それだけカビを除去しやすくなります。
人体に影響が出る場合も
カビは見た目が不快なものの、触らなければ問題ないと感じる人もいるかもしれません。「忙しいから、カビの除去は時間ができたときにやろう」と考える人もいるでしょう。
しかし、カビを放置していると、室内にカビの胞子をまき散らしていくため、健康面に影響が出る可能性があります。特に、免疫力が落ちている場合は、健康に被害が生じやすいため注意が必要です。
カビが原因で引き起こされる健康被害は、感染症やアレルギー疾患、カビ中毒などが挙げられます。体に異変を感じる前に、カビの除去を行いましょう。
カーテンにカビが発生する原因
では、なぜカーテンにカビが発生するのでしょうか。カーテンに目立った汚れがなくても、カビが発生するケースは珍しくありません。
カビが発生する理由を理解した上で、対策を行っていくことが重要です。
主な原因は湿気
カビは「70%以上の湿度」「栄養源」「空気」の三つがあれば、どこでも繁殖できます。特に高湿を好むため、湿度の管理は重要といえるでしょう。
例えば、加湿器を使用していたり、室内干しを行ったりする家庭では、部屋の湿度が上がりやすいため注意が必要です。
カーテンを風通しの悪い部屋で使用していると、湿気がこもってカビが発生しやすくなります。中でも湿気の多い梅雨の時期などは気を付けましょう。
また室内干しを行う際、カーテンレールに洗濯物を干している人は要注意です。洗濯物に含まれる湿気がカーテンに移ってしまい、カビの増殖を加速させる可能性があります。
冬場の結露は特に注意
結露は、室内と室外の温度差によって生まれます。
冬は暖房によって室内の空気が温められる一方、室外の空気は冷たく、窓でぶつかり合うと温度差によって水分が発生するのです。
冷たい飲み物をグラスに注いだときに、グラスの外側に水滴が発生するのと同様の仕組みです。
結露で発生した水分がカーテンに吸収され、そのまま放置するとカーテンに付いた汚れや埃を栄養源として増殖していきます。
カビの発生を防ぐためには、窓に結露が発生しない対策を行うか、小まめに結露を拭き取るなどの対処が必要です。
カーテンに生えたカビの取り方
カビが発生しないように気を付けていても、カビが繁殖してしまう場合もあるでしょう。
カビを取る方法は「漂白剤を使用する」「重曹を使用する」の2つです。カーテン周辺のカビ対策と併せてチェックしましょう。
漂白剤を使用する
カーテンに発生するカビの多くは黒カビと呼ばれ、素材の奥まで根づきやすく、一般的な洗濯洗剤では落とし切れないことがあります。そのため漂白剤を活用して、つけ置き洗いを行いましょう。
まずカーテンが入るぐらいの大きさのたらいに、40~50℃のお湯を用意します。カーテンのカビに直接漂白剤をかけてお湯の中に入れ、2時間ほど放置しましょう。
つけ置きが完了したら軽く絞って、洗濯機で洗います。洗濯ネットを使用したり弱い水流で洗濯したりすると、カーテンを傷めにくいのでおすすめです。
軽く脱水した後にカーテンレールに設置したら、そのまま自然乾燥させましょう。
重曹を使用する
頑固なカビが付いてしまった場合や、しっかりとカビを落としたい場合は、漂白剤に重曹を加えるのがおすすめです。
除去方法は重曹と漂白剤、ぬるま湯を同じ分量ずつ加えてペースト状にします。カーテンのカビが生えた部分に塗りつけて、1時間ほど放置しましょう。
重曹と漂白剤を混ぜたペーストを拭き取った後、洗濯機で洗って自然乾燥させれば完成です。小さなカーテンであれば洗濯機を使わずに、手洗いで済ませても問題ありません。
カーテン周辺のカビも対策を
カーテンにカビが発生している場合、周辺の窓や壁にカビの胞子が付いている可能性が考えられます。
せっかくカーテンをきれいにしても、周辺にカビが残っていれば再度繁殖してしまうため、カーテンを洗濯している間に周辺もきれいにしておきましょう。
洗濯することができない窓や壁は、アルコールで拭き取ることで掃除が可能です。さらに、天気のよい日に換気をすることで、カビが発生しにくい環境を作りやすくなります。
カーテンのカビがひどい場合は?
漂白剤や重曹を使用しても除去できない頑固なカビは「塩素系漂白剤」や「クリーニング」を利用することで除去できるケースがあります。
ただし、塩素系漂白剤やクリーニングを使用することのデメリットも理解した上で活用することが大切です。それぞれの特徴を確認しましょう。
塩素系漂白剤を使う
カビが深く根づいて取れない場合は、塩素系漂白剤を使用する方法があります。
しかし塩素系漂白剤は洗浄力が高いため、カーテンの繊維を傷つける恐れがあることや、色柄も一緒に色落ちすることを考慮した上で使用する必要があります。
カビの除去を行う際は、カーテンが塩素系漂白剤を使用してもよい素材かどうかを確認しましょう。洗濯表示に「エンソサラシ不可」のマークが付いていなければ、塩素系漂白剤を使用できます。
捨てる前にクリーニングに出すことも検討
カビが落ちない場合や塩素系漂白剤が使用できない場合など、自宅でカビを除去できないときはクリーニングを利用するのも一案でしょう。自宅では無理でも、プロの技を使えばきれいに落とせる可能性があります。
ただし、クリーニングでもすべてのカビを除去できるわけではないので、事前にプロに相談すると安心です。さらに、クリーニングを利用するには費用がかかるため、買い替えを検討することも大切です。
知っておきたいカビの予防方法
カビを除去したら、再度カビが発生しないように予防することが大切です。対策をすることでカーテンにカビが生えにくくなり、快適な空間を維持しやすくなります。
おすすめの方法を四つ紹介しますが、これらを組み合わせて行うことで、より高い予防効果が期待できるでしょう。
しっかりと換気をする
カビの繁殖を防ぐために、小まめな換気を心掛けましょう。窓を開けて室外の空気を取り入れれば、室内の湿度を下げやすくなります。
他にも料理中に換気扇を使用したり、入浴後は浴槽の蓋を閉めておいたりするなど、湿度が上がらないような対策をするのもカビの予防につながります。
寒い季節であっても5分ほど窓を開けて、室内の空気を入れ替えるのも有効です。窓を全開にしなくても、換気ができればカビを予防できるでしょう。
窓の結露対策を行う
換気を小まめに行っても、室内の状況によっては結露が発生します。結露ができたら放置せずに、水分を小まめに拭き取りましょう。
雑巾で拭き取る方法以外に、スクイージーを使って水分を集める方法もあります。他にも結露防止フィルムやスプレーを活用すれば、結露ができにくくなるためおすすめです。
結露が発生しやすい冬は、換気だけではなく除湿器やエアコンの除湿機能を活用することで、結露ができにくい室内環境が作りやすくなります。
カーテンを小まめに洗濯する
カーテンのカビを予防するためには、カーテンを清潔に保つ必要があります。カーテンはきれいに見えても、埃や汚れが溜まっている場合が多く、定期的な洗濯が必要です。
少なくとも年に1回は、カーテンを外して洗濯するようにしましょう。
洗濯する際は、カーテンの洗濯表示をよく確認します。近年は洗濯機で洗えるカーテンも増えてきています。洗濯表示に合わせて洗濯をしましょう。
また水分を含んだカーテンはカビが繁殖しやすいため、洗濯したらエアコンの除湿機能や扇風機を活用して、早く乾かすことがポイントです。
サッシ・網戸の掃除もポイント
窓の周辺は土埃や排気ガス、手垢といった汚れが溜まりやすい場所です。窓の周辺が汚れていたら、カーテンを洗濯してきれいにしてもすぐに汚れてしまいます。サッシや網戸などの窓周辺も、小まめに掃除しましょう。
埃や汚れを落としたら、カビ対策としてアルコール除菌をしておくのがおすすめです。素材によってはアルコールで変色する場合があるため、目立たないところで使用できるか確認してから除菌をしましょう。定期的に掃除することで、カビ予防につながります。
カーテンのカビは見つけ次第対策を!
カーテンのカビを放置すると部屋全体にカビが繁殖したり、健康面に悪影響を及ぼしたりといったリスクが生じます。そのためカーテンにカビができたら、早めに除去したいものです。
カーテンに発生したカビを除去するには、漂白剤や重曹につけ置き洗いをしてから洗濯機で洗います。カーテンをきれいにしている間に窓や壁も掃除しましょう。
頑固なカビには塩素系漂白剤やクリーニングを利用することも一案ですが、デメリットを理解することが大切です。
カビを除去したら予防策を講じて、カビが発生しにくい環境を作ることで快適な部屋を維持していきましょう。
文・構成/HugKum編集部