予防接種にアレルギー、1・2・3歳児の健康 キホンを小児科の先生に聞きました!

かかりつけ医と相談して進めよう
予防接種一覧表

定期接種

国が受けるように勧めている予防接種で、公費負担のため、定められた期間内ならば無料で受けることができます。受けられる時期が近づくと、お住まいの自治体から接種票(接種券)が届くので忘れずに確認しましょう。

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任意接種

希望する人が自費で受けるもので、費用は医療機関により異なります。自治体によっては公費助成がある場合も。病気予防のために受けるのが望ましいという点は、定期接種と変わりありません。接種時期は、かかりつけ医に相談を。

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予防接種当日に気をつけること

体温や食欲など体調に変わりはないか

目安として37.5度以上の熱があるときや、明らかに体調が悪いときは、接種を控えて。気になる症状があるときは医師に必ず相談を。

母子手帳を忘れずに

どのワクチンをいつ接種したのかの記録を残し、何回目の接種なのかを確認するためにも、母子手帳は忘れずに持参しましょう。

接種後30分は安静にして様子を見る

万が一、急激な副反応が出た場合に備え、接種後30分は安静に。何かあればすぐ医師に連絡が取れるようにしておきましょう。

 

生ワクチンと不活化ワクチンって?

生ワクチンは生きたウイルスや細菌の毒性を症状が出ないレベルにまで弱めたもので、副反応としてその病気のごく軽い症状が出ることがあります。不活化ワクチンは毒性をなくして必要な成分だけを製剤にしたもので、十分な免疫を得るには複数回の接種が必要です。生ワクチンを接種した場合は4週間、不活化ワクチンの場合は1週間、次にほかのワクチンを接種するまでに間をあける必要があります。

 

同時接種って?

ワクチンは同時に複数のものを接種することが可能です。一度に接種できるワクチンの本数には、原則的に制限はありません。特に多くの種類のワクチンを接種する必要がある0~1歳代にかけては、複数のワクチンを同時に接種することで、早く確実に病気に対する免疫を獲得できます。効果や副作用はワクチンを単独で接種した場合と変わりなく、同時接種は世界で広く推奨されています。

知っておきたい
症状別 1・2・3歳がかかりやすい子どもの病気

急性中耳炎

鼻の中にたまった鼻水や膿が鼓膜の内側に入り、痛みや発熱、黄色い耳だれなどが生じます。抗菌薬が用いられるケースも多いです。

滲出(しんしゅつ)性中耳炎

鼓膜の内側に炎症が起こり、粘膜から出た滲出液がたまってしまう状態。急性中耳炎の後などに見られ、聞こえにくくなることも。

 

斜視・弱視

斜視とは、両目の視線が目標にまっすぐに向かない状態のこと。黒目の位置のずれ方によっては視力が十分に発達せず、弱視になることもあり、治療が必要なことも。

結膜炎

ウイルスや細菌、アレルギーなどが原因で眼球の前面やまぶたの裏側をおおう結膜が炎症を起こし、目やに・白目の充血が見られます。原因により治療法は異なります。

 

発熱

体内にウイルスや細菌などが侵入すると、体は免疫を高めるために体温を上げます。発熱は、体が病気と戦っているサイン。ウイルスによる感染症には抗菌薬(抗生物質)は効きません。

アデノウイルス感染症(咽頭結膜熱)

ウイルスの型により、39~40度の高熱、のどの腫れと痛み、目の充血、おう吐・下痢などのさまざまな症状が見られます。発熱や下痢が見られるときは十分な水分補給を。

インフルエンザ

高熱、寒気、全身のだるさ、頭痛、手足の筋肉痛、関節痛などが見られることが多く、脳炎・脳症を起こすことも。発症から48時間以内であれば抗ウイルス薬が有効です。

ヘルパンギーナ

ウイルスが原因で急に高熱が出て、のどのまわりや口の中に小さな水疱が数多くできます。熱は短期間で下がりますが、のどや口の痛みが続くので、のどごしのよい食事を。

おたふくかぜ

ムンプスウイルスによる感染症で、耳の下からあごにかけての耳下腺が腫れて痛みます。まれに膵炎や睾丸の腫れ、髄膜炎を起こすこともあるので注意が必要です。

 

感染症による咳は、気道の粘膜についたウイルスなどを外に出す体の反応です。ぜんそくでは、痰が増えて咳き込むことも。

肺炎

ウイルスや細菌による炎症が、気管支だけではなく肺胞にまでおよび、高熱と痰を伴う激しい咳が見られます。呼吸困難になることもあるため、早めの受診を。

急性上気道炎(かぜ)

ウイルスに感染して、のど、鼻、気管支などが炎症を起こします。主な症状は、発熱、のどの痛み、咳、鼻水など。原因となるウイルスは200種類以上あるといわれています。

RSウイルス感染症

秋から春にかけて流行し、鼻水や軽い咳から始まり、咳がひどくなってゼーゼーと呼吸が苦しくなります。重症になると入院治療が必要な場合も。

ぜんそく

ダニやハウスダストなどに反応して気管支が狭くなり、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と呼吸が苦しくなります。発作を予防する治療が重要です。

 

鼻水・鼻づまり

鼻水は鼻の粘膜に入ったウイルスなどを外に出すため、鼻づまりはウイルスなどがこれ以上、体の中に入ってこないようブロックするために起こります。鼻水はこまめに吸い出し、長引く場合は受診を。

副鼻腔(ふくびくう)炎

細菌感染により副鼻腔(鼻の左右にある骨に囲まれた空間)に膿がたまり、黄緑色の鼻水や鼻づまり、鼻水がのどに回った咳や痰が見られます。抗菌薬による治療が有効です。

アレルギー性鼻炎・花粉症

花粉などのさまざまな物質に体の免疫システムが過剰に反応し、多量の透明な鼻水、鼻づまり、目の充血やかゆみなどを引き起こします。花粉が飛びやすい春先と秋によく見られます。

 

発疹

発疹はウイルスや細菌による感染症の症状のひとつとして出ることもあれば、外からの刺激により皮膚が炎症を起こしているケースも。また、食物アレルギーにより出ることもあります。

突発性発疹

ヒトヘルペスウイルスによる感染症で、39~40度の高熱が3日程度続き、解熱後、全身に細かな赤い発疹が見られます。熱性けいれんを起こすことも。

水ぼうそう

水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症で、全身に赤い発疹が出て、水ぶくれへと変化します。発症から48時間以内であれば抗ウイルス薬が有効です。

はしか(麻疹)

麻疹ウイルスによる重い感染症で、いったん解熱した後に高熱となり、全身に発疹が出て4~5日続きます。1歳になったらすぐに予防接種を。

溶連菌感染症

のどの痛み、熱、発疹に加え、舌がイチゴのように赤くなることも。腎炎などの合併症を防ぐため、10日間ほど抗菌薬を服用する必要があります。

風疹

風疹ウイルスによる感染症で、発熱と同時に、細かい赤い発疹が全身にパラパラと出ます。妊婦が感染すると胎児に悪影響を及ぼすので要注意。

川崎病

原因は不明ですが、高熱、発疹、首のリンパ節や手足の腫れ、目の充血、唇や舌が真っ赤になるといった炎症反応が見られ、入院治療が必要です。

手足口病

手のひらや足の裏、口の中、ひじ、ひざなどに中央が白く周りが赤い水疱ができます。口の中が痛むときは、プリンなど口当たりのよい食べ物を。

伝染性紅斑(リンゴ病)

ヒトパルボウイルスによる感染症で、頬がリンゴのように赤くなり、手足にレース状の発疹が出てかゆみを伴います。妊婦の感染には注意が必要です。

水いぼ

ウイルス感染により、直径1~2㎜ほどの円形のいぼが、わきの下などにできます。かきむしると増えていくので、見つけたらすぐに受診を。

とびひ

傷に細菌が感染してかゆみのある水ぶくれができ、つぶれた部分を手で触ると感染が広がります。抗菌薬(塗り薬・飲み薬)による治療が必要。

ドライスキン(乾燥肌)

皮膚の角質層の水分が減り、肌が乾燥してかゆくなります。アレルギー体質だとアトピー性皮膚炎を発症しやすくなるので、保湿ケアを念入りに。

アトピー性皮膚炎

アレルギー体質や皮膚のバリア機能の低下などが原因となり、顔や首まわりなどに湿疹ができます。適切な薬で治療できるよう、早めの受診を。

 

おう吐

胃腸炎のほか、熱の上がり際や咳き込んだときにも起こります。吐き続ける場合は胃腸や神経の重大な病気も疑われるので要注意。

腸重積(血便を伴う)

2歳ごろまでに多く、腸の一部が腸の中に入り込み、腸の収縮に合わせて激しい腹痛がおさまってはまた起こるということを繰り返します。おう吐とジャム状の血便が特徴。夜間でも救急病院へ。

髄膜炎(発熱・けいれんを伴う)

脳や脊髄をおおう髄膜に、ウイルスや細菌が感染して起こる炎症。高熱、おう吐、けいれん、頭痛、意識障害などが見られます。細菌性髄膜炎は命にかかわることもあり、早期治療が必要です。

 

下痢

ウイルスや細菌に感染して腸の粘膜に炎症が起こると、腸が水分を吸収しにくくなり、便が固まらなくなります。脱水症状に注意。

ウイルス性胃腸炎

ロタウイルス・ノロウイルス・アデノウイルスなどによる感染症で、多くの場合はおう吐から始まり、続いて下痢が起こります。経口補水液を少量ずつ与え、こまめな水分補給を。

細菌性腸炎(食中毒など)

サルモネラ、カンピロバクター、病原性大腸菌などによる胃腸炎で、加熱が不十分な生ものを食べたときなどに起こります。細菌による食中毒とわかれば、抗菌薬で治療します。

※RSウイルス感染症、ウイルス性胃腸炎、細菌性腸炎では発熱を伴う場合もあります。

 

イラスト/河合美波 構成/童夢

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