子どもに勉強習慣をつけるには? 習慣づけに成功したパパママの体験談を大紹介

子どものころ、勉強は好きでしたか?進んで取り組んでいた方もいれば、いかに逃れるかを考えていた方もいるでしょう。親になると今度は子どもの勉強が心配になり、頭を抱えてしまう時もありますよね。
学生時代勉強で苦労した方もそうでない方も、わが子には楽しく取り組んで欲しいと思っているはず。そこで、今回は子どもの勉強習慣について考えてみました。

子どもが勉強をしないのはなぜ?

小学校入学から勉強が本格的になります。はじめの頃は勉強自体が目新しく、新しいことを学ぶ楽しさを感じ「勉強楽しい〜!」という声が聞こえるでしょう。しかし、宿題というタスクをこなしていくことや難しさを感じ始めると、だんだんと勉強に対してネガティブに感じることも。

勉強に向き合わないわが子の姿を見ていると、親としては不安になってしまいますよね。「勉強しなさい!」「後でやるー」と言ったやり取りに親子で辟易としてしまいます。

なぜ、勉強をしたがらないのか。きっとそこには子どもなりにさまざまな理由があるはず。考えられる原因を挙げてみました。

勉強の必要性を感じていない

勉強に対して自然と楽しさを見出している子もいれば、ただただ面倒くさいと感じている子もいます。わが子と勉強の関係性に悩むママパパの中にも、大人になってから「あの時もっと勉強しておけば良かった……」と感じたことがある方もいるのではないでしょうか。

勉強することが将来どんなことに結びつくのか、勉強するとどんな可能性に出会えるのか、勉強の“必要性”について体感すると向き合い方が変わってくるはず。しかし、往々にして子ども時代の勉強は「やらなければいけないこと」と捉えがちです。

親の言葉は説教臭く聞こえてしまいますが、子どもにとってロールモデルになるような人から「勉強の大切さ」を聞くと少し心に動きがあるかもしれません。

直接話が聞けなくても、インタビューなどメディアを活用することもひとつの手段。また、大学の文化祭などに連れていき勉強をこなしてきた人たちの姿を見せることもおすすめです。

勉強が嫌い・苦手意識がある

学校での勉強や家庭学習をしていて、すいすい進められるときや得意分野に取り組んでいるときは楽しさを感じているはず。しかし、うまくいくときばかりではありません。

例えば、テストでバツをもらったことでショックを受けたり、思うように解けずに嫌になってしまったり、些細なことから勉強に対してネガティブに感じることもあります。

「勉強が嫌い」という気持ちを持ち、苦手意識があるとどうしても避けたくなりますよね。「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、どんなことも「好き」の気持ちがあるかないかで向き合い方が変わってきます。

とはいえ、負担に感じていることを無理やり好きにさせようとしては本末転倒。勉強は机に座ってやることだけではありません。少し視点を変えて、学びにつながる体験を取り入れてみてはいかがでしょうか。

気になることや興味がわくことから、調べたり本を読んだり、数字や理科の概念に触れたりすることで、勉強に対する考え方が変わるかもしれません。

遊びが楽しい

勉強をしたくない理由の大半は、おそらく「遊びたいから」。子どもの周りには、学校の友達と放課後に遊んだり、好きなゲームをしたり、勉強より楽しいことで溢れています。

「楽しい」と感じることはなるべく優先させてあげたいですが、「やらなきゃいけないことはやる」という切り替えも時には必要です。遊びたいから勉強したくないのであれば、勉強が終わったら遊ぶという習慣作りをしてみましょう。

勉強の時間を長く取りすぎるとくじけてしまうので、子どもの集中できる時間を把握し時間設定をします。その間は勉強に集中。早く終われば、早く遊べるようにすればやる気も出るはずです。(もちろんテキトーに早く終わらせるのはNGですが……)

忙しくて疲れている

現代の子どもは忙しいと言われています。お子さんも、学童や習い事で疲れていませんか?忙しく過ごした後に、さらに勉強となると子どもにとって少し負担が大きいかもしれません。

将来のことを考えると、教育に対して貪欲になりがちですが、子どものキャパシティを把握することも親の大切な役割です。習い事で頑張った日は、学校の宿題など必要最低限のことだけで済ませ、朝や休みの日に勉強タイムを設けるなど、勉強時間の調整をしてあげることも必要です。

それって本当に子どものため?注意したい親の行動

「しっかり勉強して欲しい」、それは子どもの将来を考えるからこそ出てくる気持ちだと思います。しかし、焦りや不安から気づけば子どもを抑圧するような言動になっていませんか?

子どものための言動だと思っていても、もしかしたら逆効果になっているかもしれません。勉強を促す際に注意したいこととはなんでしょうか。

勉強しない子にイライラする

ママもパパも人間です。何度言っても、一向に勉強しようとしないわが子の姿にイライラが募ることもありますよね。最初は優しく声をかけていても、我慢の限界を超えると「いい加減にしなさい!」と怒りをぶつけてしまいがち……。

ただ、イライラしたからと言って子どもが前向きに勉強に向かうわけではありません。とはいえ、「ずっと仏のようにいなければ」と考えすぎては苦しくなってしまいます。

何度言っても聞いてもらえないときは、黙って放っておくのもひとつのやり方です。放っておいたらダラダラするだけなんじゃ……と心配にはなりますが、自ら動くきっかけになる場合もあります。イライラが止まらないときは、少し深呼吸をして様子を見てみるのも良いかもしれません。

おやつやご褒美でつる

「◯◯をしてあげるから、勉強して」「勉強したら◯◯を買おう」など、ご褒美でつってはいませんか?はじめの頃は、ご褒美のために頑張っていても、だんだんとご褒美に慣れてしまい、それがないと動けなくなってしまう可能性も。

子育てにおいて、取引のような接し方は厳禁。頑張る姿を見て、「お疲れ様」という気持ちでおやつを準備したり、時々ご褒美を用意するのと、エサをちらつかせるようにして頑張らせるのは違います。

条件付きで勉強に向き合ってもらうのではなく、「頑張ったらいいことがあった!」くらいの感覚で上手にご褒美を活用すると良いでしょう。

ノルマを増やしすぎる

1日に勉強する量が多すぎると、当然ながら負担に感じやすくなります。多すぎるノルマは負担になってしまい、勉強が嫌になるきっかけとなる可能性もあります。子どもの様子を見ながら、ノルマを取り下げることも考えてみてください。

継続して勉強するためには、無理なく楽しくできる範囲が大切。ちょうどよいキャパシティには個人差があるので、よく話し合って決めたり、定期的に勉強量を調整するとよいでしょう。

勉強は一度嫌になると、「好き」や「楽しい」への軌道修正が難しいので気をつけたいですね。

無理のある先取り学習

勉強したがらない理由のひとつに、無理のある先取り学習が考えられます。これは勉強ができるお子さんの家庭にありがちです。「わが子は優秀かも!」と感じていると、もっと進んだ学習をさせたいと思うのは親心かもしれません。

もちろんそれが効果的で、学びたい意欲がどんどん増していく場合もあります。しかし、現在のレベルでしっかり理解できる状況がちょうどよいお子さんもいます。

親としては先に進めたくなりますが、習っていないことに取り組み、できないことが増えると自信喪失につながる場合もあるので、過度な先取り学習には気をつけましょう。

勉強のやる気を引き出す方法

学生時代は向き合わなければいけない勉強ですが、なるべくなら楽しく取り組みたいもの。子どものやる気を引き出す良い方法はあるのでしょうか。

ゲーム感覚でステップアップ

幼児期のトイレトレーニングでもそうですが、スタンプラリー方式を導入するとやる気がUPするお子さんもいます。「ドリル1ページごとにスタンプ一個」「音読が上手にできたらスタンプ一個」など、ゴールを作りゲーム感覚で勉強を進めていくと楽しくなるかもしれません。

リビング学習のメリット

「東大生の多くが実践」というデータもあり、近頃ママ・パパの関心を集めている“リビング学習”。リビングにちょうどよいスリムタイプの学習机も増えていて、すでに導入しているご家庭もあるでしょう。

リビング学習のメリットとして、「親の目が届く範囲で学習するので様子がわかる」「わからない時にすぐ対応できる」などが挙げられます。子どもが「できたよ!」と言ったときにも、タイムリーに「よくできたね」と声をかけられるので、モチベーションUPにつながる良い面もありますね。

自室にこもってしまうと、「勉強しているはずが遊んでいた」といった心配もあり、リビング学習を選ぶ家庭も多いです。しかし、気をつけたいのはすべてのお子さんがリビング学習に向いているわけではないこと。

生活音や周りの状況に過敏に反応してしまい、集中できない子もいます。静かな空間でこそ、本領発揮できるお子さんもいるので、適切な環境を整えてあげると良いですね。

効果的な声がけのポイント

子どもはママ・パパの喜ぶ顔や、褒めてくれるときの声が大好きです。「褒められたからまた頑張ろう」とやる気UPにもつながります。

声かけをするときは、「できたところ・できるようになったところを具体的に褒める」ことを意識してみてください。特に、前はできなかったところができるようになったときは、思いっきり褒めてあげたいですね。

その際は「どんなことを頑張ったか」など具体的な表現で褒めてあげると良いでしょう。マルチタスクをこなしていると忙しく難しいときもありますが、丸付けはなるべくタイムリーに。その時間頑張ったことは、その時に対応することが大切です。

また、間違えることは決して悪いことではありません。間違いに対して罪悪感や拒否感を感じてしまう子がいます。「間違えることは、わかるようになるチャンスだよ!」と伝えてあげるだけでも、少しホッとするはず。

間違いを軽んじてしまうのは困りますが、解き直しや復習に力を入れれば問題ありません!

子どもに勉強習慣を意識づけるには

「勉強が楽しくて楽しくて仕方がない!」という状態になれたらとてもうれしいですが、なかなか難しいですよね。子どもにとって、遊ぶこともとても大切なこと。

どうしても「やらなければいけないこと」になりがちな勉強ですが、習慣化することで少しラクになるかもしれません。習慣化のために良い方法はあるのでしょうか。

目標を決める

まずは目標を決めてみましょう。ただタスクをこなすのは、しんどいもの。自宅学習の場合は「漢検にチャレンジ」「計算テストで満点をとる」など到達点を設定します。

気をつけたいことは、高すぎる目標設定です。大切なのは「達成した」という気持ち。達成感は自信につながり、好きになるきっかけにもなります。子どもの実力を見ながら、スモールステップで目標設定すると良いですね。

ルーティン化は子どもと相談

勉強を習慣化するためには、取り組む時間を設定すると進めやすいです。子どもによって、集中できる時間が違うので相談しながら決めましょう。「学校に行く前に15分」「休みの日の朝にまとめて1時間」など細かく設定し、毎日必ず取り組みます。

無理のない設定をすることで習慣化しやすくなりますよ。

通信教育やタブレット学習を取り入れる

通信教育やタブレット学習の場合、毎日の勉強量があらかじめ決まっていることが多いです。カリキュラムに沿ってやっていくので、親としても進めやすく習慣化につながります。

習慣化のために大切なのは、もちろん継続すること。慣れれば自分でどんどん進めていけるのも、通信教育やタブレット学習のメリットです。ポイントを集めて景品がもらえたり、ゲーム要素があったり、子どもが楽しく学習できる教材も多いので試してみると良いかもしれません。

幼いころから始めると習慣化しやすい

小学校に入っていきなり勉強に直面すると、面を喰らう場合もあるでしょう。幼児期からある程度、机に向かうことに慣れておくと勉強する姿勢が身につきやすいです。

幼稚園や保育園によっては、かきかたの時間がある場合も。実感としては、入学時点である程度ひらがなが書ける子が多いので、自分の名前程度は書けていると安心です。

しかし、幼児期は体を動かして遊んだり、自然に触れたり、絵本を読んだり……楽しい経験をたくさんすることに力を入れたいところ。子どもの気が乗らないのであれば、無理をする必要はありません。

ペーパー以外の学習行動も大切に

机上の学習だけでは、つまらなくなってしまうもの。学習のきっかけは至るところに転がっています。ただペーパーをこなすだけではなく、辞書や図鑑で調べたり、調べたことを実際に確認したり、創作や実験、自然体験なども学習です。

幅広い視野で学習に取り組むと、「学ぶことの楽しさ」を知れるはず。多くの経験を積み重ねることで、やりたいことや好きなことも見つかるでしょう。目標や夢が生まれ、勉強の糧にもなりますよ。

子どもの勉強習慣をつけたママパパの体験談

今回、0〜12歳のお子さんがいるママ・パパにアンケートをとり、勉強習慣をつけるための方法について伺いました。継続するための秘訣や、モチベーションを上げるためのコツなど、さまざまな回答があったので、成功談をご紹介します。

「学校からの指導。 おやつを食べたら宿題をする習慣をつけた。1年のころからの習慣」(30代・岡山県・子ども2人)
「幼稚園の頃からワークをして習慣をつけた」(40代・岐阜県・子ども3人)
「タブレット型通信教育、一人で完結できる。朝から勉強するようになった」(30代・北海道・子ども3人)
「絶対に例外を作らない。 毎日必ずやる。親もサボらない。毎日その日のうちにまる付けと解説、直しまでやるし、やらせています。勉強が生活の一部になり、イヤイヤながらもノルマのように取り組んでいます。 しかし、テストの点が確実にあがり、結果として良い点を取ることに貪欲になりました。高得点をとりたいがために頑張るようになりました。」(40代・神奈川県・子ども2人)
「スマイルゼミを一人一台与えている、必ず毎日最低の量(ミッション)はこなしている。ランク制度やキャラクターパーツがもらえる事もあり、最低限はこなしたいという目標が本人達にもて来た」(30代・東京都・子ども3人)

「楽しい」「好き」の気持ちが生まれるサポートを!

ここまで、勉強が嫌になってしまう理由や勉強習慣をつけるコツについて考えました。勉強する当事者の子どもたちが、勉強は「面倒くさい」「やりたくない」と感じてしまうのは仕方がない部分もあります。

その前提があるかどうかで、親の向き合い方も変わります。「わかるよ、ママも勉強苦手だったな。でも頑張ってこんな良いことがあったよ」と、目線を合わせて寄り添うことで「頑張ろうかな……」と思うきっかけが生まれることも。

苦手と感じるなかにも、何かしら「これは楽しい!」と思える事柄があるはずです。勉強に対して“苦痛”の気持ちが大きくなりすぎず、楽しみを見つけられるようにサポートできると、自然と勉強習慣が身につくかもしれません。

文・構成/秋音ゆう

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