ノロウイルスから家族を守るには? “嘔吐した”“下痢が漏れた”ときの正しい処理を完全解説! 

冬、子どもの病気で多いのがウイルス性胃腸炎です。とくにノロウイルスは、非常に感染力が強く、子どもからママやパパにうつるケースが少なくありません。

家族間の感染を防ぐには予防が第一ですが、万一、家の中で吐いたり、下痢が漏れて床などを汚した場合は、二次感染の予防のために素早く適切に処理することが肝心!

株式会社ダスキンが教えてくれた、正しい汚物処理の仕方を紹介します。

 [準備編] 汚物処理グッズを準備する

処理グッズは、すぐに取り出せる場所に置いておこう!

ノロウイルスの初期症状は、元気だったのに突然、吐いたり、下痢をしたりするのが特徴。万一のとき、すぐに対処できるように汚物処理グッズを準備しておきましょう。

処理グッズを見て「レインコートやゴーグルまで必要なの?」と思うママやパパもいるかも知れませんが処理している間に、ごく微量の汚物が衣類や皮膚などに付着して感染することもあります。そうした二次感染を防ぐためにも100円ショップなどを活用して、次にあげるグッズを揃えてください。“準備が大変そう…”と思う方は、汚物処理の専用キットを購入するのも一案です。

また、ノロウイルスには、アルコール消毒はあまり効果がないので注意を! 

処理グッズは一つのバケツにまとめて入れて用意しておくと安心!

  • 家庭用塩素系漂白剤
  • 500ml入りの空ペットボトル
  • じょうご
  • キッチンペーパー
  • ゴミ袋(2枚)
  • レジ袋大(2枚)
  • 使い捨て手袋
  • 使い捨てマスク
  • 使い捨てレインコート
  • 段ボール片 2
  • ゴーグルorメガネ
  • バケツ

 [実践編1] 消毒液を作る

消毒液の作り置きはNG! 症状が見られたら、すぐに消毒液を

時間が経つと消毒効果がなくなるので、消毒液の作り置きはNG。嘔吐や下痢が漏れるなど、症状が見られたら、下記の手順に従って素早く消毒液を作りましょう。水や塩素系漂白剤を入れるときは、じょうごを使うとこぼしません。

1 使い捨て手袋をする。500ml入りの空ペットボトルに水を半分程度入れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

2 塩素系漂白剤を500ml入りのペットボトルのキャップ2杯分(約10ml)入れる。

3 ペットボトルの上まで水を注ぎ、よく振って混ぜ合わせる。

 

 [実践編2] 汚物処理をする

家族感染を防ぐポイントは、素早く適切に処理すること!

ノロウイルスに感染して嘔吐すると、子どもでも吐しゃ物が飛び散るので、汚物から半径2mの範囲を目安に消毒や清掃をしましょう。

またノロウイルスは、非常に小さくて乾燥に強いウイルスなので、適切に処理をしないと空気中にウイルスが舞い上がって感染を広げる危険も!家族への二次感染を防ぐには、素早く&適切に処理することがポイントです。

 1 処理する人が、二次感染しないように準備する

窓を開けて換気をする。汚物処理をする人は、使い捨てのレインコート、マスク、手袋、ゴーグルを着用する。レジ袋をフットカバー代わりにして、足に被せる。

[ここに注意!]

  • ノロウイルスは感染力が強いので、汚物処理をする人以外は、急いで別の部屋へ。
  • ただし感染しているのが子どもの場合は、嘔吐、下痢は繰り返すことがあるので、すぐに別の部屋には移動させずに、汚物処理をする部屋でしばらく様子を見ましょう。
  • 大人が感染している場合は、嘔吐、下痢などのぶり返しに備えて注意を。
  • 子どもの衣類が汚物で汚れて着替えさせる場合も、マスクや手袋などを着用したほうが安心です。

 

2 汚物を消毒する

汚物の周りに消毒液に浸した、キッチンペーパーを敷きつめる。汚物の上にもペーパーを被せ、消毒液が飛び散らないようにかける。

[ここに注意!] 汚物処理は、飛び散らないように静かに行って! わずかな量でも汚物が飛び散ると感染拡大に繋がります。

 

3 汚物を取り除く

段ボール片をヘラのように使い、周囲から内側に向かって拭き取り面を折り込みながら、静かにぬぐい取る。

 

4 ゴミ袋に捨てる

ぬぐい取ったペーパーや段ボール片をゴミ袋(A)に入れて、消毒液をかける。ゴミ袋の口を固く閉じて、もう1枚のゴミ袋(B)に入れる。

[ここに注意!] ゴミ袋の口を閉じるときは、ゴミ袋の中の空気を抜かないこと。ウイルスが空気中に放散されます。

 

5 床を消毒する

汚物を取り除いた床をキッチンペーパーで覆い、消毒液をかけて消毒する。使い終わったペーパーはゴミ袋(B)に捨てる。

6 床を水拭きする

消毒液に浸したペーパータオルで床を拭き、その後、水拭きする。使い終わったペーパータオルはゴミ袋(B)に捨てる。

 

7 レインコートなどを脱ぐ

レインコート、手袋などを外す。最後にマスクを外し、ゴミ袋(B)に捨てる。袋の口を固く結んで閉じる。

[ここに注意!]レインコートやマスク、手袋などは表面にウイルスが付着しているので、外すときは表面には触れないように注意を!

 

8 手洗いとうがいをしっかりする

汚物処理が終わったら、ハンドソープを使って手洗いとうがいをしっかりする。手を拭くときはペーパータオルを使うのがベター。

[ここに注意!] 手を洗うときは、爪の間も念入りに。爪ブラシがおすすめ!ノロウイルスの場合は、アルコールで手を消毒してもあまり効果はありません。

汚れた衣類・おもちゃなどの消毒は!?

感染拡大を防ぐには、捨てて処分するのがベター

ノロウイルスは感染力が非常に強いので、汚れた衣類、おもちゃなどはレジ袋などに密封して捨てるのがベター。

捨てられない場合は、85度以上の熱湯で1分間煮沸消毒するか、消毒液に15分浸します(消毒液は、[実践編1]で紹介した作り方を参照)。消毒後は、ほかのものとは別にして洗濯機で洗いましょう。

 

監修/株式会社ダスキン 構成/麻生珠恵

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