【小児科医監修】子供の花粉症はいつから起こる?原因、仕組みや予防法、病院での治療について

花粉症ってどうして起こるの? 子どもも関係ある?

これからは本格的な花粉症の季節です。花粉症はアレルギー疾患のひとつといわれますが、そもそもアレルギーって、何でしょう?
花粉症対策は、どうすればいい? 小児科医の粂川好男 先生に聞いてみました。

 

子供の花粉症が起こる仕組みと原因

アレルギーは免疫システムの過剰反応

まず、私たちの免疫(獲得免疫)システムの説明をしましょう。一般に、細菌やウイルスなど有害な異物が体に侵入すると、対抗する「抗体」が血液中につくられます。抗体は、次にその異物が侵入した時、異物に結合して排除します。おかげで、同じ感染症に二度かからない(かかりにくい)という仕組みです。

アレルギーは、この免疫システムの過剰反応によって起こります。例えば花粉は、それ自体、害ではありません。でも体に入った時、有害な異物と認識して、花粉に対する「抗体」ができてしまう体質の人がいます。そして抗体が、再び体に入ってきた花粉(異物)と結合した時、ヒスタミンなどの成分が出て、かゆみ、鼻水、くしゃみといった症状を引き起こすのです。それが花粉症です。

アレルギーの要因は遺伝や生活環境も

原因になるものをアレルゲンといいます。花粉の他にもさまざまなものがあり、症状の出方もさまざまです。なぜその物質がアレルゲンとなりアレルギー反応を起こすのかは、はっきりわかっていませんが、体質や、住まい・周辺の環境も大きな要因と考えられます。親やきょうだいがアレルギーだと、体質が似ているうえに生活環境や習慣が同じなので、アレルギーになりやすいといえるでしょう。

アレルギーにはⅠ~Ⅳ型があります。子どもの代表的なアレルギー疾患であるアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などはⅠ型で、すぐに反応が出るので、即時型アレルギーともいわれます。

 

子どもの花粉症はいつから発症する?

子供の花粉症は増加傾向。早い子は3歳ごろ発症

最近、子どもの花粉症は増加傾向にあり、5~9歳の5人に1人が花粉症といわれています。発症の低年齢化も進んでおり、以前は小学生ぐらいから発症する子が多かったのですが、最近は3~4歳ぐらいでの発症が増えています。

子どもの花粉症はどんな症状?特徴は?

春はスギ、秋はブタクサやヨモギ

花粉症の症状はくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみ、皮膚のかゆみなどで、花粉による季節性のアレルギー性鼻炎・結膜炎といえます。アレルゲンとしては、春先のスギ花粉が最も多いですが、春のヒノキや5月頃からのイネ科植物、秋のブタクサ、ヨモギなどもあります(通年性のアレルギー性鼻炎・結膜炎のアレルゲンは、ダニ、ハウスダストが多い)。

子供の場合は目のかゆみで判断を

子どもは、大人よりも目のかゆみが強く出る傾向があるようです。花粉症は軽い風邪の症状と似ていますが、子どもの場合、目のかゆみがあるかないかで区別できることが多くあります。

 

子供の花粉症、治療や予防はどうしたらいい?

症状がひどい場合は受診を。内服薬、点眼薬、点鼻薬を処方

子どもの花粉症の多くは大人よりも軽症で、期間も短くてすみますが、症状が強く、つらそうな時は、緩和する治療を受けてください。内服薬、点眼薬、点鼻薬を、症状に合わせて使います。毎年花粉症を繰り返し、重い症状が長く続く子は、症状が出始めたら早めに内服薬を使い、2~3か月程度、使用することも。

アレルゲンを避けるのが一番。3つの方法を実践して

アレルギーの一番の予防法は、できるだけアレルゲンを避けることです。花粉症は、花粉の飛散量に合わせて対策を行いましょう。雨の翌日、晴れた日、風の強い日は飛散量が増えます。

●マスクを着用したり、長時間の外遊びは控える

●窓やドアの開閉は最低限にし、洗濯物や布団はなるべく外に干さない

●部屋の中は、こまめに掃除機をかけて花粉を除去する

などのポイントをしっかり心がけてください。

 

子供のアレルギーや花粉症、血液検査は医師の判断で

診察は基本的には問診。症状とうまく付き合おう

最近は、アレルギーを過剰に心配して、血液検査を希望するお母さんが多くいます。でもアレルギーの血液検査は、あくまでも医師の診断の参考に行うもの。診断は問診で、症状から行います。アレルギーは、今のところ根本的には治りません。しかし適切な治療により、アレルギー疾患の子のほとんどが”症状をコントロール” することができ、アレルギーのない子と同じ生活を送れるようになっています。

 

お話を伺ったのは…

 

健康担当

粂川好男(くめかわ よしお)先生 

杉並堀ノ内クリニック院長
立教大卒業後、出版社に勤務した後、信州大医学部入学。国立国際医療センター、愛和病院で小児科全般の臨床経験を積む。安心と笑顔を持ち帰れるクリニックを目指す。小児科専門医。

イラスト/松木祐子

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