感無量!ダニエル・クレイグ、最後のボンド作品『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が泣ける!

遂にダニエル・クレイグがジェームズ・ボンド役を演じる最後の1作にして最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が10月1日(金)より公開。観終わったあと、感涙にむせぶ映画になっておりました。

「007」シリーズ、6代目のダニエル版がいよいよラスト作!

うーん、ひとことでいえば“感無量”です。いち早く本作を観終わり、興奮冷めやらぬ今、きっとママパパたちの涙腺と琴線をゆさぶるに違いないポイントをご紹介します。

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ご存知、映画ファンの鉄板コンテンツである「007」シリーズですが、6代目のダニエルがボンドとなった5作は、これまでの作品とは一線を画してきました。通常は“一作完結”の単独作品として描かれてきたのですが、ダニエル版は、ジェームズ・ボンドの心のうねりをリアルにすくい取った深みのある作品となったので、女性ファンを増やした気がします。もちろん賛否両論あるとは思いますが、私自身はダニエル版を大いに支持したいです。

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これまでに、ボンドの生い立ちやエージェント“00(ダブルオー)”となる過程、そして最新作ではその引退後まで描かれるという、1つの大きなドラマを丁寧に描いてきました。もちろんご想像どおり、そんな簡単に引退させてもらえるような甘い世界ではありません。もうしょっぱなから怒涛のような展開ですが、個人的には、ダニエル版完結編として、これ以上にないフィナーレを迎えたと思っています。

タイトルは『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で、ビリー・アイリッシュが主題歌「No Time To Die」を歌ってますが、直訳すると「死ぬ時間はない」、すなわち「まだまだ死ねない」という意味です。まさに今回は命がいくつあっても足りないような壮絶な展開です。曲も映像も秀逸ですし、見終わってからこのタイトルを改めてかみしめてしまいそう。

007が伝える「人は誰しも愛に生きる」という究極のメッセージ

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物語は現役を退いたジェームズ・ボンドが、命懸けの任務から離れ、ジャマイカで穏やかな生活を送っているところからスタートします。ところが、ある日、CIA出身の旧友フィリックス・ライターが助けを求められます。ボンドは信頼するフィリックスの頼みを聞き、誘拐された科学者を救出するという任務に挑むことに。ところがそれは、世界に脅威をもたらす最終兵器が関わる危険なミッションでした。

コロナ禍で公開がかなり延期となった本作ですが、やはり優れた映画は公開のタイミングが味方をしてくれるというか、いま観ると“コロナ禍”というフィルターを通して観賞してしまうので、より一層前のめりになって観てしまいそう。

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「殺しのライセンス」を持つ最強のスパイにして最強の殺し屋であるジェームズ・ボンド。通常は私情を挟まず、スマートかつ確実に任務を遂行するという“できる男”ですが、やはりボンドも1人の血の通った人間でした。ボンドを守ろうとして命を落としたヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)を失ったとてつもない悲しみも描かれてきたし、『007 スペクター』(15)でボンドガールとして登場し、かけがえのない存在となった医師マドレーヌ・スワン(レア・セドゥ)への愛情も本物だったようです。

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「ミッション・インポッシブル」や「アベンジャーズ」シリーズもそうですが、やはり近年は、最強の主人公たちが抱える葛藤や愛情が深堀りされて描かれることによって、作品が非常にエモーショナルな人間ドラマとなります。特に今回の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、ボンドがとても愛情深い男だということがあますところなく描かれていき、見ていて心が痛くなります。

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とはいえ、そこの部分は本当にネタバレ厳禁なので、多くは語れませんが、とにかく観る人に響く1作となってはいるので、前情報を入れずに観ていただきたいです。その際、ハンカチ必携でどうそ。

ダニエル・クレイグの人生も詰まった完結編!

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本作の公開に先立ち、927日にダニエル・クレイグや共演のラミ・マレック、レア・セドゥ、キャリー・ジョージ・フクナガ監督たちがいるロンドンと東京をつないだバーチャルイベントが開催されました。そこでダニエルは、15年間演じてきたボンド役について「ジェームズ・ボンドは僕にとって、いろんな意味合いを持ちます。 私の人生の15年分、数え切れないくらいです。とにかく素晴らしい役を演じられました。一番良かったのは、ここにいる人たちを含む素晴らしいベストな人たちを仕事ができたことです」と、あふれる万感の想いを口にしていました。

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ダニエルは「『007/カジノ・ロワイヤル』は原作の第1作目で、僕はジェームズ・ボンドになったところから始められたわけです。そういった意味で、自分の考えやいろんな感情というものを入れ込んでいくことができました。非常にこのキャラクターは複雑だからこそ面白い。ジェームズ・ボンドとは誰なのか、(公開に至るまでの)16年かけてやっと分かるようになったと思います」としみじみ語っていました。

今回見納めとなってしまうダニエル版ボンドですが、これまでキレキレのド派手なアクションにトライし、繊細な心のあやをしっかり演じてきたダニエルだからこその集大成的な作品になったと思います。

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余談ですが、今回初めて日系アメリカ人、キャリー・フクナガが監督に抜擢され、本作ではかなり日本文化がフィーチャーされています。今回の最強ヒール、リューツィファー・サフィンは、『ボヘミアン・ラプソディ』(18)のラミ・マレックですが、彼は能面をかぶっていますし、彼のアジトも日本の様式美が感じられます。特にボンドとサフィンの座敷でのやりとりは必見!

様々な見どころがある『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』。最後にこのシリーズは音も映像もかなりクオリティーが高いので、できれば環境の整った大スクリーンで観賞されることをおすすめします。

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は10月1日(金)より全国公開中
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
出演:ダニエル・クレイグ、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス、レア・セドゥ、ベン・ウィショー、ジェフリー・ライト、アナ・デ・アルマス、ラシャーナ・リンチ、ビリー・マグヌッセン、ラミ・マレック…ほか
公式FACEBOOK:www.facebook.com/JamesBond007

文/山崎伸子

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