ひもやフードがついた子ども服には危険が潜んでる!【Safe Kids Japan】

Safe Kids Japanでは、2018年11月に「子ども服」に関する記事をお届けしました。
これらの記事でもお話ししたとおり、かつては子ども服に付いているひもやフードが原因となる窒息や転倒など重大な傷害が起きているという課題がありました……。

衣服による傷害を予防するために

子どもの服についているフードやひもは、遊具やドアノブ、電車のドアなどに引っかかったり挟まったりしてとても危険です。

服に付いているポンポンが事故につながることも。「標準化」で守る子供の安全【Safe Kids Japan】
重大なケガをしないように備えることを、Safe Kids Japan では「傷害予防」と言っています 「事故」という言葉を辞書で調べてみる...

でもその後

これらの傷害を予防するため、201512月にJIS規格(日本産業規格)が制定され、店頭販売では危険な「ひも」の付いた服は少なくなった

というように、大きな改善が見られました。

新しい課題は「ハンドメイド子ども服」

JIS規格が制定されたことにより、店頭で販売されている子ども服から危険な「ひも」が取り除かれたことは、子どもの安全にとって大きな一歩です。

しかし、通信販売やオンライン上のフリーマーケットでは、現在も危険な「ひも」の付いた子ども服が出品・販売されています。また、コロナ禍で生まれた新しい特徴として、「ハンドメイド子ども服」がオンラインフリーマーケットや手作り品専門サイト等で販売されるようになりました。「かわいいリボンや『ひも』のついた服はお店では売っていないので、自分で作りました!」という方もいるようです。

作る人・出品する人も、買う人も、ぜひチェックを

では、子ども服を「買う・売る・ゆずる」際に、どのような点に着目すればいいのでしょうか?

NACS(公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 東日本支部標準化を考える会」)の皆さんがそのような際に役立つチェックリストを作成されましたので、そのリストを参照しながら確認していきましょう。

子ども服を「作る」「出品する」「買う」「ゆずる」「もらう」際には、この表で危険な「ひも」やリボン、フードなどが付いていないかをチェックし、子ども達が重大な傷害を負わないようにしてくださいね。

 

Safe Kids Japanとは

 私たちSafe Kids Japanは、事故による子どもの傷害を予防することを目的として活動しているNPO法人です。20186月からこのHugKumで、子どもの傷害予防に関する記事を配信しています。基本的に毎月1回、季節や年中行事などに関連した内容の記事をお送りしたいと考えています。

さて、「事故による傷害」、「傷害予防」という言葉、あまり聞き慣れないかもしれません。私たちがなぜ「事故」ではなく「傷害」という言葉にこだわっているのか、について、少し説明させてください。

事故?傷害?その違いは?

 「事故」という言葉を辞書で調べてみると、「思いがけなく起こった良くないできごと」とあります。英語で言うとaccidentですね。accidentは「意図しない不幸なできごと」という意味で、「避けることができない運命的なもの」という意味も含まれています。海外でもかつてはaccidentを使っていましたが、最近ではinjuryという言葉が使用されるようになりました。injuryは「ケガ」「負傷」という意味です。「事故」は科学的に分析し、きちんと対策すれば「予防することが可能」という考え方が一般的になり、「運命的な」という意味を含むaccidentではなく、injuryという言葉を使用することが勧められるようになったのです。今ではaccidentという言葉の使用を禁止している医学誌もあるくらいです。

そのinjuryに対応する日本語として、Safe Kids Japanでは「傷害」という言葉を使っています。よく「事故予防」と言われますね。もちろん事故そのものが起きないことがいちばんなのですが、たとえ事故が起きたとしても、(重大な)ケガはしないように備えよう、そんな思いも込めて、「傷害予防」と言っています。

NPO法人Safe Kids Japan

イラスト:久保田 修康/「子どもの傷害予防カレンダー 2021」より

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