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日々変化する、子どもをとりまくお金の状況
お金のあり方が日々多様化していく昨今。電子マネーや仮想通貨をはじめとした親世代にはなかったシステムも増え、子どもを取り巻くお金の状況は日々変化しています。
また、2021年度からは中学校で、2022年度からは高校で金融教育が開始。お年玉の管理も必要となるこの時期、今一度、子どもの「マネー教育」について考えてみませんか?
そこで今回は、未就学~小学6年生までのお子さんをもつHugKum 読者ファミリー818人に「子どものマネー事情」を調査しました。アンケートに寄せられた各ご家庭でのおこづかいの額や、ご家庭でのマネー教育の意識に関する回答をお伝えしていきます。
おこづかい、何歳からあげている?
まずはじめに聞いてみたのは、お子さんにおこづかいをあげているかどうか。以下では、みなさんからの回答を、未就学、小学1・2年生、小学3・4年生、小学5・6年生の4段階に分けてグラフでご紹介します。
★未就学児
★小学1・2年生
★小学3・4年生
★小学5・6年生
小学生低学年(小学1・2年生)以下のおこづかいに関しては、どの学年においても「いいえ」が多数派ながらも、中学年(小学3・4年生)以降は少しずつ「はい」の回答も増えていることがわかりますね。少数ながら、未就学のお子さんにおこづかいをあげているご家庭もあるようです。
おこづかいは、いくらあげてる?
では、「あげている」と答えてくださったご家庭では、ひと月にいくらくらいのおこづかいをお子さんにあげているのでしょうか? 学年ごとのおこづかいの額についても見ていきましょう。
★未就学児
★小学1・2年生
★小学3・4年生
★小学5・6年生
未就学〜低学年(小学1・2年生)は「500円未満」が多数派。中学年(小学3・4年生)に上がると同時に「500円〜1000円未満」が増え、高学年(小学5・6年生)では「500円〜1000円未満」が圧倒的多数派となる結果に。高学年になると1000円以上あげているご家庭の割合もグッと増えていますね。
おこづかいは子どもが自分で管理してる?
そんなおこづかいですが、お子さんはお財布を持って自ら管理をしているのでしょうか? お子さんが自分のお財布を持っているかどうかも聞いてみました。
★未就学児
★小学1・2年生
★小学3・4年生
★小学5・6年生
お子さんのお財布所持率は、予想に反して学年が上がるごとに低くなっていることがわかりますね。高学年になるほどに、現金を持ち歩かずキャッシュレスを導入している子が増えているのかもしれません。
電子マネーは使っている?
昨今では交通機関をはじめ、電子マネーでの支払いが一般化しています。でも、「お金を払う→お金が減る」プロセスが体感しづらい電子マネーを子どもに手渡すのってちょっと不安……。HugKum読者のご家庭では、お子さんは電子マネーを使っているのでしょうか?
アンケートの結果、818人中103人(全体の12.5%)が「はい」との回答。少数派ではありますが、子どもの電子マネー使用が決して珍しくはないことがわかりますね。
導入すると便利な電子マネー。安全かつ正しい使い方を早めに子どもに教えておきたいところです。
子どもの金銭感覚、どう養うべき?
電子マネーのような、「お金を払っている」実感が少なく、大人でも使いすぎてしまいがちなキャッシュレス決済が、子どもでも簡単に使えるこの時代。子どもの「マネー教育」の必要性を感じている方も多いはず。ここからは、子どものマネー教育についてアンケートに寄せられた回答を見ていきましょう。
子どもとお金の問題、ここが不安
まずは、お子さんとお金の問題について、特にどのようなことを不安に感じているのかを各ご家庭にアンケート調査。
818人中202人(全体の24.6%)から「不安に思っていることは特にない」との回答が集まったものの、178人(全体の21.7%)が「お金の価値が理解できていないこと」、160人(全体の19.5%)が「お金を計画的に使えないこと」に不安を感じていると答えてくださいました。
また、「子どもにお金のことをどう伝えたらいいのかわからない」との声も見受けられます。
「その他」の自由記述には、お子さんの金銭感覚に不安を感じるコメントが散見されました。祖父母からのお小遣いをもらいすぎて金銭感覚が麻痺してしまっていることや、そもそもお金のシステムを理解できていない……といったお悩みも寄せられています。
以下では、みなさんからのコメントを引用の上、ご紹介します。
「子どもとお金」にまつわる失敗エピソード
ここからは、HugKum読者のご家庭から寄せられた「お子さんのお金にまつわる失敗エピソード」をご紹介! 子どもならではの「あるある」エピソードが集まっています。
実家帰省でおこづかいをもらいすぎ!
前章にも似たお悩みが寄せられましたが、実家に帰省すると、おじいちゃんやおばあちゃんがおこづかいをたくさんくれて……。ありがたい一方で、親としては子どもの金銭感覚に危機感抱いてしまうなんてことも。あんまり高額だと、管理の仕方についても考えていかないといけませんよね。
間違いだらけのおこづかい帳
子どもにお小遣い帳をつけさせてはみたものの、計算ミスや未記入が多くて「これじゃあ意味ない…!」と頭を抱えてしまうエピソードも。お金について考えるきっかけとして有効なおこづかい帳ではありますが、きちんとできるようになるまでは、大人がこまめにチェックをする必要がありそうです。
えっ、それ?!
お店で「ひとつだけなら買ってあげる」と約束をしたママ。しかしながら、3才のお子さんが持ってきたのはまさかの1万円越え高額アイテム……! お金に関するルールは伝え方も難しいことを痛感させられます。
もらったおこづかいは即浪費!泣
おこづかいをもらったら即浪費してしまうお子さんを嘆く声もありました。子どものうちから浪費が癖になってしまうのは困りものですが、「お金は使うと減る」という経験をしておくことも大切なこと、と前向きにも考えられます……!
ゲーセンで散財!泣
こちらは、せっかく貯めていたお小遣いをゲームセンターで散財してしまったお子さんたちのエピソード。きっと今後、お金の価値を勉強していく中で、自分の一時的な欲求を抑えられるようになっていくはず……!
「ゲームセンターで景品がとれず貯めていたお小遣いを散財し、それでもとれず泣き出した。強制退去したが大変だった。お金の価値を教えて節制できるようにしてあげたい。」 [ 女性 ]
「自分(子供)の財布のお金を気がついたら全てゲームセンターのカードゲームに注ぎ込んでいた!」 [ 男性 ]
お菓子に散財……!
こちらは、好きなお菓子にすべてのお金を使ってしまったお子さんのエピソード! そんなにお菓子が食べたいの? と、大人からしてみると不思議な気もしますが、子どもにとってはきっと重要な使い道なんでしょうね……。
親のクレカでゲームに課金!泣
こちらは現代っ子ならではのお金の失敗「あるある」ではないでしょうか? オンラインでの課金制ゲームが子どもたちの間でも人気を集める昨今、同様のトラブルはさまざまなご家庭で頻発しているようです。お金の大切さと合わせて、キャッシュレスの仕組みについてもしっかり学んでいくことの必要性を感じます……!
現金払いの感覚がわからない
また、主に電子マネーを使っているため、現金を使う感覚が身についていないお子さんも少なくないようです。いくら出すとどのくらいのお金がお財布に残るのか、どの紙幣と硬貨の組み合わせでキリの良いお釣りが返ってくるのか、等々……体感しないことにはなかなか想像が及ばないのかもしれません。
マネー教育、家庭ではどうしてる?
お子さんたちのお金に関する失敗談を読んでいると、ついついほっこりしてしまう一方で、マネー教育の必要性もひしひしと痛感させられますよね…!
そんなマネー教育が、2021年度からは中学校で、2022年度からは高校で順次実施される予定。今後、各家庭だけでなく、学校の科目としてもお金について考える機会が増えます。
そこで、お子さんの金融教育について、各ご家庭はどのように捉えているのか、もしくはすでになにか取り組んでいるのか、現在の状況をアンケートで聞いてみました。
アンケートには、30.6%が「興味がある」、24.4%が「興味はあるが具体的にはなにもやっていない」と回答し、全体の多くを占めました。一方で、17.6%もの人が「どのように関われば良いかわからない」、17.1%が「小さい頃から教えたい」と回答。
子どもの金融教育に必要性を感じているご家庭が多いながら、どのように伝えるべきか、その取り組み方に困惑を覚えているご家庭も同様に見受けられました。
支払い方法にかかわらず「お金は大切」であることを伝えて
今後、ますます多様化することが予想されるお金のシステム。子どもたちには、そもそもどうやってお金が生まれ、どのように巡回していくのかといった流れを知らせた上で、現金やキャッシュレスなどのシステムについても伝えていきたいですね。支払い方法にかかわらず、「お金の大切さ」をしっかり知ってもらえるのが理想的です。
文/羽吹理美
お金にまつわる記事を発信しています!
子どもの将来を見据えたお金の計画を立てることはとても大切なことです。HugKumでは、子育て中のママ・パパに役立つマネーの記事を今後も引き続き発信していきます。家計簿の活用方法や、子どものお金教育、専門家による子育て世代の投資のアドバイスなど、役立つ情報が盛りだくさん! ぜひチェックしてみてくださいね。
調査概要:HugKumメールマガジンによるインターネットでのアンケート。全国47都道府県に住む0歳〜小学6年生までの子どもを持つママ・パパに実施。有効回答数818人。調査期間2021年12月15日〜2022年1月5日
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%にならない場合があります。
構成/HugKum編集部