【一生お金に困らない子どもに育てる方法】教えます!「お金本」がベストセラーになったマネードクターが伝授

48歳まで都市銀行の支店長として勤め、現在は田園調布でカフェを営みながら、アパートを複数経営する菅井敏之さん。出版した『お金が貯まるのは、どっち!?』シリーズは40万部を超えるベストセラーに。元銀行員、アパート経営者としての経験からお金の町医者としてさまざまなお金の相談にのっています。これからの日本社会を生き抜く子を育てるには、お金の教育は必須と語る菅井さん。自身の子育て経験を交えて、その方法を教えていただきました。

定額おこづかい制はNGです!その訳は…

「年齢があがればおこづかいも上げる」習慣は子どもの為になりません

子どもにおこづかいをあげているご家庭は多いと思いますが、どのようにあげていますか? 小学校1年生は300円、2年生は400円、3年生は500円と、学年が上がるごとに金額を上げていますか? これはNGです。

まず学年が上がるごとにおこづかいを上げるのは、いわゆる年功序列的な考え方です。

これは、つまり成果が上がらなくても、年次が上がれば給料も上がるという考え方と同じ。でも今はこういう時代ではありません。今はパフォーマンに応じた対価が、給料あるいは成果としてもらえる時代。ですから旧態依然として学年が上がったら、おこづかいも増える、そういう感覚でいたらお子さんは将来社会で取り残されますよ。子どもにお金を渡すことは「お金の教育」ですから、せっかくのチャンスを逃すのは実にもったいない。

 

幼い頃からの実践で身につける「お金に困らない3つの力」

そもそも教育の目的は、子どもを自立させることです。自立とは、ちゃんと一人で食べていけるようになるということ。いい大学に行かせて、いい会社に入れることではありません。そのときに不可欠なのが、お金の教育です。お金に困らない力をつけるのは、筋肉トレーニングと同じ。一朝一夕でつくものではありませんので、小さいころからぜひ実践してください。

3つの力は、「稼ぐ力」「管理する力」「受援力」

「稼ぐ力」とは、困りごとを解決したり、感動を与えたりして、その対価を得るということ。そして、その稼いだお金の収支がちゃんとプラスになるように「管理する力」も必要。また人は一人では生きていけません。うまく助けてもらう力、つまり「受援力」もあって初めて、お金に困らない人になります。次から具体的にお話ししましょう。

その1 身近な人の困りごとを解決して「稼ぐ力」をつける

まず「稼ぐ力」がなければ、お金は貯まらないし、お金にずっと苦労することになります。

「お金」とは、人や社会が困っていることを発見して解決することでもらえるご褒美

お金というのは、人や社会が困っていることを発見し、それを自分が解決したときにもらえるご褒美、対価なんです。この人は何に困っているのだろう。何をしてほしかったのだろう、そういった想像力を働かせて助けられることを見つけられる人が稼ぐ人になるし、できない人がずっとお金に苦しむことになります。

たとえば、おばあちゃんの家に不用品がたくさんあったとします。始末に困っているけれど、これをインターネットやアプリで売るとお金になる。それを教えてあげるから、半分ちょうだいってね。草むしりやお使いでもいいですよね。肩をもんだり、背中にのったりといったことは3、4才でもできますよね。そうやって、おばあちゃんの困り事を解決してあげて、そのご褒美をもらう。

私にも息子がいますが、小学校3年生ぐらいのときに、今、申し上げたお金の本質について少し教えてやったら「わかった!」って走り出して、私の父の家に行って、タンスをあさったり、草むしりをしたり……、そうやってお金を稼ぐことを学んでいました。

ただ、子どもがいきなり行って稼がせろといっても、父は驚きますからね。そこは親が根回ししておきました。いまから子どもが行くと思うから、いま困っていることとか、子どもができそうなこととか、何かヒントを与えてやってくれ。それができたら“お駄賃”としてやってくれと。そして、これは教育だから安易にお金を与えないでくれとお願いしておきました。

子どもが自分で考え「お手伝い」を超えた働きをしたら、対価となる報酬を

ただし、これはいわゆるお手伝いとは明確な線引きがあります。

風呂掃除や食器洗い、ゴミ出しといったお手伝いは家族の一員として行うのは当たり前ですので、対価は発生しません。ですが、言われる前にやったら50円、家の中の困りごとを解決したら100円、など、お手伝いを超えたことをしたときは報酬を与えてもよいと思います。それぞれルールを決めて、“家庭内ビジネス”を行うということですね。

自分のしたことでご褒美をもらう成功体験の積み重ねが、「自己肯定感」をはぐくみます

また対価は困りごとを解決するだけでなく、感動させたときにも発生します。

子どもたちが中学生、高校生になると、部活動で忙しくなり、なかなか働く時間がとれなくなります。ですから、その時期は、もうおこづかい稼ぎをしなくていいから、とにかく一生懸命やりなさい、と。うちでは「一生懸命やることで親を感動させなさい」と子どもを応援し、その対価としておこづかいを渡していました。

そうして自分のしてあげたことでご褒美がもらえた、というのは子どもにとっては大きな成功体験になってきます。この経験の積み重ねが、自己肯定感を育み、コミュニケーションを伸ばすことにもつながりますので、こういう経験が多い子は社会に出ても、どんどん活躍して伸びていくのです。

その2 おこづかい帳でお金の流れを実感させて「管理する力」を養う

そうやってお金を稼いだら、今度は「管理する力」が必要です。

いくら稼げても、お金を管理できない人はお金に苦労します。具体的には“おこづかい帳”をつけること。

2割は先取り貯金。収入-支出=は必ずプラスに

収入と支出の欄をつくって、まず収入から2割を先取り貯金する、成功者はみんなやっている基本中の基本の貯蓄方法です。そして、いくらお金が入って、何に出て行って、これだけ手元に残っている、という収支を書き出して、お金の流れを見える化します。最終的に「収入-支出」は、必ずプラスにしなければなりません。ここは徹底的にこだわります。

稼いだお金で実感させよう。新たなお金を生まない使い方はただの「浪費」

そうやって子どもが貯金したお金で、何か買い物をしようとしたら、親はその使い方についてアドバイスを与える必要があります。

先ほど、お話しした「家族の困った」を解決した報酬も、子どもにそのまま持たせていると、ゲームを買っておしまい。ただの浪費になってしまうことが多いでしょう。もっと賢いお金の使い方を考えさせるチャンスと考えて、それしか使えないものでなく、新たにお金を生むもの=資産になるものに使うことを学ばせたい。お金を生まないものは、ただの浪費です。新しいお金を生むものは資産になります。資産を持つことが、結果として収入が残ることを教えましょう。

うちの息子も父からもらった報酬を「じいちゃんに使い方を教えておこづかいをもらう」、とゲームではなく何か通信機器を買ったように記憶しています。

ただし、これは必ずしも親が管理するだけでなく、時には子ども自身に失敗させる経験も大事です。せっかく稼いだのに、こんなものを買っちゃったとか、こんなことに使っちゃったとか、そういう失敗をすることがマネーリテラシーを飛躍的に高めるからです。

その3 人に助けてもらえる「受援力」を身につける「丁賞感微」(ていしょうかんび)の教え

3つ目に大切なのは「受援力」です。

これは人に応援される力のこと。人から応援される力を持っている人は、どんどん成功しますが、この力を持っていない人はお金に苦労します。

これからの社会で生き抜くには、いろいろな人の手を借りる能力を身につけることが必須

これからの時代、今よりもさらに物事が専門化していきますので、自分一人の力で稼ぐことは難しくなっていきます。そのときに、いろいろな人の力を借りて解決できる人は、チームの力で成功します。何でも一人で抱え込んで、俺が全部やる、人に頭なんて下げられないという人は成功しにくい。

人に助けてもらうには“丁賞感微(ていしょうかんび)”と覚えておきましょう。

・“丁(低)”=いつも丁寧に、頭を低くして初心を忘れず

・“賞(誉)”=相手を誉め、尊敬していることを伝え

・“感”=感謝の気持ちを忘れずに

・“微”=笑顔を絶やさずに

小さい子に教えるなら、まずは「ありがとう」という言葉でしょうね。

お年玉をもらったら「これはお正月だからもらったわけじゃないよ。あなたがおじいちゃんやおばあちゃんにニコニコして元気な姿を見せたから、喜ばれた。喜んだ気持ちから、もらえたお金だからね」と親が、その意味を子どもにしっかりと伝えなければいけません。

お金の力を育てること=社会で生きる力を育てること

私の息子の話も交えながら、お金に困らない3つの力についてお話ししました。

こうした「お金に困らない力」について教えられてきた子は、社会に出たときの伸び方が全く違います。

知り合いのご家庭の姉妹の場合、お姉さんは稼ぐ力よりも管理する力がすぐれたタイプ。とにかく使わないそう。まだ29歳ですがアパート経営に興味があり、不動産を買うためにコツコツ貯めているそうです。

小さい頃から活発だった妹さんは、いまは「資金のない方がお金を稼ぐ力を構築するシステム」を作るべく支援の仕事をしています。いま26歳ですが、稼ぐ力、管理する力ともに、親が26歳の頃とは比べものにならないぐらい何でもできると言います。

いずれも、この3つの力を育てることは、子どもの自己肯定感を育み、コミュニケーション能力を養う、つまり社会で生きる力を育てることに直結します。子どものマネーリテラシーを高めるために、そして「一生お金に困らない子どもに育てる」ために、ぜひ手助けしてあげてください。

菅井敏之(すがいとしゆき)

1960年、山形県生まれ。学習院大学卒業後、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。神奈川、東京の支店長を経て48歳のときに退職。不動産賃貸事業に力を入れる。2012年、東京の田園調布にカフェ「SUGER COFFEE」(スジェール・コーヒー)」をオープン。現在は、元メガバンク支店長、不動産投資家として成功した経験を活かし、「お金の町医者」として全国の講演会で講師として活動するほか、テレビ・ラジオ等にも多数出演。初の著書『お金が貯まるのは、どっち!?』は、40万部突破のベストセラーに。

最新刊『あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30』(集英社)は、親子で学べる最高のお金の指南著。

取材・構成/池田純子 https://imatohito.com/

 

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