離乳食のれんこんはいつから?
れんこんは主な成分がでんぷん。食物繊維も多くビタミンCも豊富です。離乳食ではいつから食べられるのでしょうか。
離乳食では後期ごろから
れんこんは繊維が多く、アクも強いので離乳食に使うのは少し躊躇してしまうかもしれませんね。離乳食では後期ごろから徐々に使うことができますので、少しずチャレンジしてみましょう。
煮ても赤ちゃんが食べられるようになるまでやわらかくはならないので、離乳食期はすりおろして使うと食べやすいです。
時期別の進め方や量の目安
大人は、れんこんのシャキシャキした歯ごたえが美味しいですが、赤ちゃんにとってその歯ごたえはまだ固いです。大人が思っている以上に軟らかく煮込むことが大切です。
離乳食初期(5~6か月)や中期(7~8か月)は食べさせない
れんこんは、繊維の多めの食材です。硬くて滑らかに滑らかに調理しにくいので、離乳食初期と中期は避けましょう。
離乳食後期(9~10か月)
1回の量
30~40g
1回の食事の野菜がれんこんだけの場合は、1回の量を目安に。他の野菜を併用する場合は、1回の目安量になるように量の調整をします。
調理方法
すりおろして使用します。まずは目の細かいおろし金で、細かい粒になるようすりおろすといいでしょう。すりおろしたれんこんは、肉や魚のパサパサが食べにくいときや野菜のツブツブ感が食べにくい場合、片栗粉のとろみづけがわりに使用できます。また、肉団子などのつなぎに使うこともできます。詳しい使い方は下でご紹介します。
離乳食完了期(11~12か月)
1回の量
40~50g
1回の食事の野菜がれんこんだけの場合は、1回の量を目安に。他の野菜を併用する場合は、全体で1回の目安量になるように量の調整をします。
調理方法
引き続き、すりおろして使用します。目の粗めなおろし金で粗めにおろしてもいいでしょう。
離乳食後期のように、すりおろしたれんこんを、片栗粉のとろみづけのかわりに使用してもいいですし、肉団子などのつなぎにも使えます。
また、離乳食完了期後半になり、奥の歯茎で「しっかり噛めるようになってきたな」と言う様子が見られるようになってきたら、形のあるれんこんにもチャレンジします。詳しい加熱方法は下で紹介します。
れんこんの下処理・調理方法
れんこんはアクが強いため、赤ちゃんの離乳食も大人の料理も下処理をします。とても簡単です。
下処理の方法
れんこんの皮をむいて適度な大きさに切り、たっぷりの水につける。
※空気に触れると変色しますので、切ったらすぐに水につけるのがポイントです!
すりおろす
上にも書きましたが、まずは目の細かいおろし金で、細かい粒になるようにすりおろします。この時使うれんこんは加熱処理していない「生」です。赤ちゃんの食べる様子を見つつ、おろし金の目の大きさを変えていきます。
すりおろしたれんこんは、水溶き片栗粉のようにとろみづけにできるとお話ししましたが、水溶き片栗粉との違いは「加熱時間」にあります。水溶き片栗粉の場合は、ほんの少しの加熱時間でOKですが、生のれんこんのすりおろしの場合は少々時間がかかります。(詳しくは下記をご覧ください)。
すりおろしたれんこんはとろみづけ以外に、とろみスープ、とろみうどん、八宝菜、つくねや肉団子、ハンバーグのつなぎにも使えます。すりおろしたれんこんをフライパンで両面焼いたら、れんこんのおやき(れんこんもち)もできます。
また、ある程度大きいままやわらかく湯がいて、すりおろして離乳食に使ってももちろんOKです。この場合、とろみづけとして使うのではなく、すりおろした後に煮物や汁物、和え物などに入れてもいいでしょう。
加熱する
シャキシャキした歯ごたえを楽しむれんこんですが、離乳食に使うときはポイントがあります。
すりおろしたれんこんの場合
すりおろしたれんこんを、とろみづけやスープに使う場合。水溶き片栗粉よりも少し加熱時間がかかります。鍋で加熱するときのポイントは3つです。
・加熱時間が長いのと、思いのほか固まりやすいので、水溶き片栗粉を使うときよりも、とろみをつけたいメニューの水分を多めにすると失敗しにくい
・加熱しつつ、スプーンで味見をしてシャキシャキ感が少なくなったら完成
・水分が足りなくなってきたら、だし(水)を足してももちろんOK!
形のあるれんこんの場合
すりおろしたれんこんに食べ慣れ、奥の歯茎でしっかり食べ物を噛んでいる様子が見られたら、形のあるれんこんにもチャレンジです。
離乳食完了期の食べ物の大きさの目安はだいたい1cm角ですが、最初から1cm角に切って煮ると、軟らかくなりにくいです。やわらかくするコツは、大きめに切って煮ること。つまようじを刺してスーッと通ったのを確認したら、赤ちゃんが食べやすい大きさにカットして与えましょう。
離乳食用れんこんの冷凍保存
多めに作った場合は、冷凍庫にストックしておくと離乳食メニューが足りない時などに役立ちますね。
すりおろして冷凍保存
すりおろしたれんこんは、生のまま冷凍保存するのではなく加熱してからのほうがいいでしょう。
また、とろみメニューを冷凍しても、温めなおしたときにはとろみがなくなっていると思います。冷凍する場合は、とろみメニューに仕上げてしまう前の湯がいたれんこんを、すりおろした段階で冷凍するのがいいと思います。その場合も、解凍するときは必ず中心までしっかりと火を入れましょう。
つなぎ料理で冷凍保存
れんこんを使った離乳食を冷凍するのにおススメなのは、つなぎが必要な料理です。例えば、肉団子、つくね、ハンバーグ、おやぎなどです。1回分をラップに包んで保存しておけば、すぐに離乳食やおやつに使えてラクチンですね!
れんこんを使った離乳食レシピ
【離乳食後期】 きのことれんこんのトロトロス―プ
すりおろしたれんこんでとろみをつける、きのこスープを作ります!
<材料>
れんこん 10g
えのき 5g
しいたけ 5g
かつお昆布だし 100ml
しょう油 0.5ml
<作り方>
・えのきとしいたけは3~5㎜に切る
・れんこんはすりおろす
1.かつお昆布だしにきのこ類を入れて蓋をして弱火でコトコト煮る
2.1がしんなりしたられんこんを入れてよく火を通す
3.しょう油を加えてひと煮立ちさせる
*食べてみて、れんこんのシャリシャリ感が残っている場合はまだ火が通っていません。目の細かいおろし金で細かくすりおろすと火が通りやすいですよ。
【離乳食完了期】 鶏れんこん団子の具だくさんスープ
すりおろしたれんこんをつなぎにして、肉団子スープを作ります。
<材料>
鶏ひき肉 15g
れんこん 5g
大根 10g
にんじん 10g
かつお昆布だし 150ml
しょう油 0.5ml
<作り方>
・れんこんはすりおろして鶏ひき肉とよく混ぜて小さい団子を作る
・大根、にんじんは1㎝角に切る
1.かつお昆布だしで大根とにんじんを蓋をして弱火でコトコト煮る
2.1がやわらかくなったら団子を入れて煮る
3.しょう油を加えてひと煮たちさせる
【離乳食完了期】ニラのれんこんおやき
ニラたっぷりの、ごはんにもおやつにもなるおやきです。
<材料>
小麦粉 20g
れんこん 10g
ニラ 5g
牛乳 10ml
<作り方>
・れんこんはすりおろす
・ニラはみじん切りにする
1.全ての材料を混ぜ合わせる
2プライパンに流しいれて両面焼く
【離乳食完了期】バター風味のれんこんもち
れんこんもちをバターで焼いてバター風味にします。多めに作って、赤ちゃん分を取り分けた後に、大人はしょう油と砂糖同量を照り焼きすると、親子でれんこんもちを楽しめますよ!
<材料>
れんこん 50g
片栗粉 小さじ1
バター 2g
<作り方>
・れんこんをすりおろして水分を切る
1.れんこんと片栗粉を混ぜ合わせる
2.形作ってフライパンで両面焼く
3.仕上げにバターを入れて両面風味をつける
離乳食のれんこんに関する体験談
HugKumでは、0~2歳のお子さんがいるママやパパ120人に、離乳食のれんこんに関するアンケートを実施しました。まずは、お子さんがれんこんを食べた様子についてお聞きしました。
Q.離乳食でお子さんは「れんこん」を好んで(嫌がらずに)食べてくれましたか?
今回のアンケートでは「離乳食のれんこんはまだ」が半数近くを占めましたが、れんこんを食べはじめたお子さんの中では「食べてはくれた」が多い結果となりました。
れんこんを口にしたお子さんの反応や様子を体験談からご紹介します。
一見、離乳食に使いにくそうに感じるれんこんですが、すりおろすとさまざまなメニューに取り入れることができるようになります。甘味と風味も豊かで、そのもっちりとした食感が楽しめることもれんこんの特徴です。ぜひ離乳食づくりに取り入れてみてくださいね!
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記事監修
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。