目次
離乳食中期の進め方のポイント
「そろそろ、離乳食中期」と言う時期。ママ・パパの離乳食づくりも、赤ちゃんが離乳食を食べるのも、少しずつ慣れてきた頃でしょうか? 今回は、離乳食中期の進み方やポイントをお話しします。
離乳食中期へ移行のサイン
離乳食初期から離乳食中期に移行するときには、目安のポイントがあります。
・生後7カ月を過ぎた
・離乳食開始から2カ月以上たった
・水分を減らしたヨーグルト状、ベタベタ状の離乳食を食べている
・離乳食を始めたころより一回の離乳食の量が増えてきた
・おかゆ、何種類かの野菜、豆腐、白身魚、卵黄を食べている
・2回の離乳食を積極的に喜んで食べている
・舌を動かして食べ物を口の奥へ運び、口を閉じて上手にごっくんと飲み込んでいる
・離乳食を食べる時間が整ってきた
・1回の離乳食で、子ども用茶碗1/2程度食べられる
などが挙げられます。これらの項目すべてが当てはまる必要はありません。
月齢、離乳食開始からの経過期間、赤ちゃんの食べる様子などを見て移行してきましょう。
離乳食とミルクのタイミング
授乳は、2回の離乳食後と他に3回与えます。この時期の栄養のメインは、まだまだ母乳や育児用ミルクです。授乳は離乳食後、他はこれまで通り欲しがるだけ与えるのが基本です。
離乳食中期の食材
こちらは離乳食中期におすすめする食材の一例です。△は中期の後半以降にチャレンジしてほしい食材です。
炭水化物
7倍かゆ
△マカロニ、スパゲティー
ビタミン/ミネラルがとれる食材
レタス、オクラ、ニラ キュウリ、ズッキーニ、アスパラガス、小豆、ニラ、ぶどう
△春菊、ピーマン、パプリカ、ひじき、わかめ
タンパク質がとれる食材
納豆、高野豆腐、豆乳、きな粉、卵黄、鮭、赤身魚(かつお、マグロ)肉(鶏ささみ、鶏ムネ肉)、牛乳(調理のみ)プレーンヨーグルト(無糖)カッテージチーズ
△卵白
新しい食材の増やし方
離乳食初期と同様に、新しい食材は「1日1種類1さじずつ」増やしていきましょう。「1日1種類1さじずつ」を2・3回食べて、順調ならまた次の新しい食材にチャレンジです。
食べる量は、赤ちゃんの様子を見ながら小さじ1ずつ増やし、2~3日食べてまた増やす。といった感じで進めて、目安量まで増やしていきましょう。
離乳食中期の調理ポイント
食材をやわらかく煮るためのポイント
離乳食中期の赤ちゃんには食材を「みじん切り」するのですが、煮る前にみじん切りしていた人は、以下の手順にタイミングを変えてみましょう。
1.食材を煮やすい大きさに切る(例えば、にんじんなら1cm幅程度)
2.食材をだしで煮る
3.軟らかくなったら取り出してみじん切りにする
4.鍋に戻してひと煮立ちさせる
先に切るよりも、後からみじん切りしたほうが軟らかく煮えるうえ、うまみも感じやすいからです。
離乳食を安全に冷凍するためのポイント
赤ちゃんには、美味しさや安全面を思うと出来立ての離乳食を与えることをおすすめします。でも、日々忙しいママ・パパには、冷凍するのもひとつの方法。安心安全に冷凍するには、4つのポイントを守って。
1. 新鮮な食材を調理する
2. ふたのある密封容器に平らにして入れる
3. よく冷ましてから冷凍庫へ入れる
4. 1週間以内で使い切る
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離乳食中期の量の目安
では、具体的にどれくらいの量を赤ちゃんの食べる目安量なのかを、詳しくみていきましょう。
1献立に「おかゆ、野菜、豆腐(魚)」が入るように
「おかゆ、野菜、豆腐(魚)」が1回の食事に入るように心がけてみてください。また、離乳食中期は、離乳食が2回食になります。1回目と2回目に食べる食材に少し変化があるといいですね。
食材別の適正量
離乳食中期、7~8カ月頃の時期に赤ちゃんが食べられる目安の量はこれくらいです。グラムで量も示していますので、ご参照ください。
7倍かゆ 50~80g
うどん 50~80g
パン 15~20g
にんじん 20~30g
豆腐 30~40g
魚/肉 10~15g
卵 1/3(卵黄1個)
<補足>上記の目安量は、1回のメニューにすべて使うわけではありません。例えば、1回のメニューに野菜を3種類使う場合は、合計で20~30gにする。豆腐と魚を使った場合、豆腐20g、魚5gにする。など、メニューによって食べる量を調節しましょう。
適量を食べてくれてくれないときの対処法
離乳食中期の赤ちゃんが食べてくれないときは、以下の3つのチェックしてみましょう。
・食材のやわらかさ
・食材の大きさ
・食材の滑らかさ
もし、上記3つをチェックしても赤ちゃんが食べない場合は、いったん裏ごしに戻してみましょう。
私自身もそうだったのですが、親にとってはどんどん成長してほしい気持ちが先走り、教科書通りに進めてしまいがち。でももしかすると、まだ赤ちゃんにとって中期の離乳食の形状が早いのかもしれません。
いったん戻して食べてくれればラッキー! 食べてくれたら、やわらかく食べやすい食材から徐々に中期の形状に変えていきましょう。
離乳食中期の主食のレシピ 5選
主食としてポピュラーなお粥や雑炊から、離乳食中期におすすめのレシピをご紹介します。
鮭かゆ
<材料>
7倍かゆ 80g
生鮭 10g
<作り方>
1. 7倍かゆを作る
2. 鮭を茹でてほぐす
3. おかゆに鮭をのせる
納豆がゆ
<材料>
7倍かゆ 80g
ひきわり納豆 10g
<作り方>
1. 7倍かゆを作る
2. 納豆を鍋に入れてゆがく
3. 湯切りしておかゆの上にのせる
オムライス風おかゆ
離乳食中期の卵はまず、ゆで卵の黄身からチャレンジ。黄身に慣れたら白身にチャレンジです。このメニューは黄身も白身も使っているので離乳食中期の後半からおすすめですよ。
<材料>
7倍かゆ 50g
卵 20g
にんじん 5g
トマト 10g
<作り方>
・トマトは湯むきをして種を取ってみじん切りにする
・卵は沸騰から16分以上茹でてみじん切りにする
・にんじんは1㎝のスライス
1. にんじんをやわらかくなるまで茹でて、みじん切りにする
2. 出来上がり直前の7倍かゆに、にんじんとトマトを入れて火を通す
3. 2を器に盛って卵を添える
鮭とブロッコリーの混ぜご飯
<材料>
7倍かゆ
生鮭 10g
ブロッコリー(つぼみ) 5g
<作り方>
1. 鍋に湯を沸かし、生鮭を湯がく。火が通ったらほぐす
2. 鍋に湯を沸かし、ブロッコリーを入れてゆがき、みじん切りする。
3. 7倍かゆが出来上がる直前に1と2を混ぜ入れ、90秒ほど加熱する。
豆腐と小松菜の雑炊
<材料>
7倍かゆ 50~80g
絹ごし豆腐 30g
小松菜(葉) 5g
にんじん 10g
玉ねぎ 10g
かつお昆布だし 200ml
<作り方>
・豆腐はみじん切りに切る
・にんじん、たまねぎはⅠ㎝厚さに切る
1.かつお昆布だしににんじん、たまねぎを入れて煮る。
2. 1が軟らかくなってきたら小松菜(葉)を入れる煮る。
3. 2をみじん切りにする。
4. 2の鍋に3と7倍かゆ、豆腐を入れて煮る。
▼7倍かゆの作り方はこちらからチェック
離乳食中期の肉・魚レシピ 6選
里芋と鶏ささみの煮物
ささみは、離乳食に取り入れやすい動物たんぱく質。野菜と一緒にやわらかく煮てあげましょう。
<材料>
鶏ささみ 5g
里芋 10g
にんじん 10g
かつお昆布だし 150ml
<作り方>
・里芋、にんじんの皮をむき、煮やすい大きさに切る
・鶏ささみは、ある程度大きく、そぎ切りにする
1.かつお昆布だしで、里芋とにんじんを煮る
2.1がやわらかくなってきたら鶏ささみを入れる
3.2を取り出しみじん切りにする
4.鍋の煮汁を80mlにして3を入れて再加熱する
きゅうりとささみのスープ
鶏のうま味がたっぷりのおだしで、トロトロの飲みやすいスープでいただきます。
<材料>
鶏ささみ 10g
きゅうり 15g
水溶き片栗粉 小さじ1
かつお昆布だし 100ml
<作り方>
・鶏ささみは筋をとる
・きゅうりは皮をむいてすり下ろす
1.かつお昆布だしに鶏ささみを入れて煮て、火が通ったらみじん切りにする
2.1の鍋にささみ、きゅうりを入れて弱火で煮る
3.水溶き片栗粉でとろみをつける
ささみの豆乳シチュー
離乳食中期の赤ちゃんから食べられる、ささみを使った豆乳シチューです。お野菜たっぷり美味しいですよ。豆乳がない場合は牛乳で代用OKです。
<材料>
鶏のささみ 10g
にんじん 10g
じゃがいも 10g
ブロッコリー(花蕾) 5g
豆乳 50ml
かつお昆布だし 100ml
<作り方>
・材料はすべて煮やすい大きさに切る
1.かつお昆布だしで、にんじん、じゃがいも⇒ささみ、ブロッコリーの順に切る
2. 1をみじん切りする。ささみはすり鉢ですりつぶす
3. 1の煮汁50mlと豆乳を入れて弱火でコトコト煮る
*強く沸騰させると、豆乳がモロモロになるので弱火でゆっくり沸騰させる
ささみとオクラのスープ
オクラのとろみでささみが食べやすくなる煮物です。
<材料>
鶏ささみ 10g
オクラ 1本(10g)
にんじん 10g
かつお昆布だし 150ml
<作り方>
・鶏ささみは筋をとる
・オクラは板ずりして、ガクを取り、縦半分に切って種を取り除く
・にんじんは煮やすい大きさに切る
1.かつお昆布だしににんじん、オクラ、鶏ささみを入れて煮る
2.それぞれ火が通ったらみじん切りにする
3.鍋に戻してひと煮立ちさせる
しらすとオクラのトロトロスープ
しらすと野菜をとろとろスープ状にすることで、苦手な食材も食べられるようになることも。
<材料>
しらす 10g
オクラ 10g
玉ねぎ 10g
かつお昆布だし 100ml
<作り方>
・しらすは、お湯で茹でて湯切りしてみじん切り(塩を抜く)
・オクラは、種を取って下茹でしみじん切り
・玉ねぎは、煮やすい大きさに切る
1. かつお昆布だしで玉ねぎを煮
2. 玉ねぎを取り出してみじん切り
3. しらす、玉ねぎ、オクラを鍋に戻して煮る
鮭と大根の煮物
鮭と根菜の煮物です。食べにくければ水溶き片栗粉でとろみをつけるといいですよ。
<材料>
鮭 10g
大根 10g
にんじん 10g
かつお昆布だし 150ml
<作り方>
・鮭は、骨と皮をとる
・大根とにんじんは、煮やすい大きさに切る
1.かつお昆布だしで大根とにんじんを煮てやわらかくなったら鮭も入れて煮る
2.取り出して、みじん切りにする
3.鍋に戻してひと煮立ちさせる
離乳食中期の豆腐・納豆レシピ 2選
豆腐納豆
豆腐と納豆をおだしで煮るだけの簡単レシピです!
<材料>
豆腐 20g
ひきわり納豆 5~10g
かつお昆布だし 100ml
<作り方>
・豆腐はみじん切りにする
・納豆は下茹でして湯切りする
1.かつお昆布だし煮豆腐と納豆を入れて煮る
高野豆腐とにんじんのスープ
材料
高野豆腐 5g
にんじん 15g
キャベツ 5g
かつお昆布だし 150ml
作り方
・高野豆腐は、乾物のままおろし金ですりおろす
・にんじん、キャベツを煮やすい大きさに切る
1.かつお昆布だしでにんじん⇒キャベツの順で中~弱火で煮る
2.1を取り出してみじん切りにする
3.2を鍋に戻して、高野豆腐鵜を入れて弱火で煮る
離乳食中期の野菜・根菜の副菜レシピ 3選
ほうれん草のじゃがとろみスープ
繊維が多めのほうれん草を、滑らかに食べやすくとろみスープに。
材料
ほうれん草(葉) 10g
じゃがいも 15g
かつお昆布だし 100ml
作り方
1.ほうれん草は下茹でしてアクを取ってからみじん切りにする。じゃがいもは目の細かいおろし金ですりおろす
2.小鍋にかつお昆布だし、1とじゃがいもを加えて沸騰したら弱火にして混ぜながら加熱する。じゃがいもに火が通るまで加熱します。目安は、味見をしてじゃりじゃり感がなくなるまで
なすとかぼちゃの煮物
<材料>
なす 15g
かぼちゃ 5g
ブロッコリー(穂先) 5g
かつお昆布だし 150ml
水溶き片栗粉 小1/2
<作り方>
・かぼちゃは皮、種、ワタを取り煮やすい大きさに切る
・なすは皮をむいて煮やすい大きさに切る
1.かつお昆布だしでかぼちゃ⇒なす、ブロッコリーの順に煮る
2. 1を取り出してみじん切りにして、鍋に戻してひと煮立ちさせる
3.水溶き片栗粉でとろみをつける
焼き芋ヨーグルト
<材料>
焼き芋 15g
プレーンヨーグルト 20g
<作り方>
1.焼き芋を細かくつぶし、プレーンヨーグルトの上にのせる
離乳食中期の手づかみレシピ 4選
手づかみ食べは、離乳食後期ごろからスタートしますので、慌てて始める必要はありませんが、離乳食中期後半ごろに、離乳食を触りたがっている様子が見られたら、お試しでスタートしてみてもいいでしょう。
紹介しているレシピは、離乳食後期以降のものですので、食べさせる時は、つかみやすく食べやすい大きさに小さく切ってください。手づかみ食べをさせているときも必ず赤ちゃんのそばから離れないようにしてください。
納豆とじゃがいものお焼き
*写真と分量は離乳食後期以降の大きさです
<材料>
じゃがいも 50g
ひきわり納豆 5~10g
青のり 少々
<作り方>
・じゃがいもは茹でやすい大きさ切る
1.じゃがいもはやわらかくなるまで茹でる
2.1のじゃがいもをつぶし、納豆と青のりを混ぜる
3.形作って、フライパンで両面焼き色がつくまで焼く
バナナのフレンチトースト
*写真と分量は離乳食後期以降の大きさです
<材料>
食パン
バナナ 15g
牛乳 30ml
<作り方>
1.ボウルにバナナを入れてトロトロになるまでフォークでつぶす
2.牛乳を混ぜ入れ、食パンの両面に塗る
3.フライパンで両面じっくり焼く
ツナと青のりのおにぎり
*写真と分量は離乳食後期以降の大きさです
<材料>
軟飯 50g
ツナ水煮缶 5g
青海苔 少し
<作り方>
1.軟飯にツナと青のりを混ぜ入れる
2.一口サイズのおにぎりにする
鮭とキャベツのおにぎり
*写真と分量は離乳食後期の大きさです
<材料>
軟飯 50g
生鮭 5g
キャベツ 5g
<作り方>
・生鮭は、グリルで焼いてほぐす(骨皮を取る)
・キャベツみじん切りにして湯がく
1.軟飯に生鮭とキャベツを混ぜ入れる
2.一口サイズのおにぎりにする
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冷凍保存OKな作り置きレシピ 2選
離乳食は冷凍保存できます。ここでは特に冷凍向きのレシピをとりあげました。
ささみととうもろこしのホワイトスープ
<材料>
鶏ささみ 5g
とうもろこし 10g
ブロッコリー(穂先) 5g
かつお昆布だし 100ml
牛乳 30ml
<作り方>
・とうもろこしの薄皮をむいて裏ごしする
1.かつお昆布だしで鶏のささみとブロッコリーを煮て、火が通ったら取り出してみじん切りにする
2.鍋の煮汁を50mlにして1ととうもろこし、牛乳を入れて煮る
鶏ささみと白菜のうどん
<材料>
かつお昆布だし 200ml
うどん 50g
鶏ささみ 10g
白菜(葉) 10g
にんじん 10g
玉ねぎ 10g
<作り方>
・うどんは下茹でしてみじん切りする
・鶏ささみは筋をとって分量分を切る
・野菜は煮やすい大きさに切る
1.かつお昆布だしでにんじん→玉ねぎ、白菜、鶏ささみの順に鍋に蓋をして弱火で煮る。
2. 1を取り出しみじん切りにする
3.鍋の煮汁を100~120mlにして、2とうどんを入れ、蓋をして弱火でコトコト煮る
離乳食期間を楽しく過ごして
離乳食中期は、これまで離乳食を食べていた子が急に食べなくなってしまうこともあります。また、離乳食の量が目安量に達しなくて心配するママ・パパもいると思います。母乳やミルクはとれているか? 体重身長は伸びているか? 機嫌は良いか? などを確認しましょう。特に問題がなければ、「今、食べている量があなたの赤ちゃんにとって適量」ととらえてみましょう。
この頃の赤ちゃん、離乳食を始めてまだ2ヶ月ほどです。「まだまだ食べる練習をしている時期」。離乳食の時間を楽しくすることにフォーカスを当ててみてくださいね!
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文/中田 馨(なかた かおり)
記事監修
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。