「桃太郎」に教えてもらう「人生」と「お金」の関係【フィナンシャルプランナー監修!絵本で学ぶお金の話】

はじめまして。キッズマネーステーショ認定講師、IFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)の近藤正樹です。

これから定期的に全国のキッズマネーステーションの認定講師が、昔から伝わる昔話や絵本の中から、人生とお金の関係を描いてきた本を紹介していきます。

今回はその記念すべき第一回目! 誰もがよくご存じの昔話「桃太郎」の昔話から人生とお金の関係を読み解いていきましょう。

昔話「桃太郎」から学ぶ「お金」や「投資」の考え方

お金の話はなんだか後ろめたい?いえいえ、そんなことはありません

 

本題に入る前に、

普段、皆様からのお金の相談を伺っていると

「お金の話はなんだか後ろめたい……」と思っている方は少なくありません。

お金は汗水流して稼ぐもの……もちろんそれは否定しません。

実際に私も、毎日額に汗をして満員電車に揺られながら出勤し、お客さまのプランを練ったり、マネーセミナーの準備をしたり、また小学生の子供たちにもわかりやすくお金のことを伝える親子向けの講座を開催したりと忙しくも楽しい毎日を送りながらお給料という形でお金をいただいております。

しかし、それと「お金に働いてもらうこと(資産運用)は考えなくても良い」ということは全く別の話ですよ。

しかも、お金の話を後ろめたいなんて日本人が思うようになったのは、じつは長い歴史で見ればごく最近のこと。昔から日本人は、お金や投資を身近なものととして捉えていたのです。

たとえば日本人なら誰もが知っている昔話「桃太郎」。この、日本で一番有名であろう物語も、じつは投資や資産の大切さを謳っているということをご存知でしょうか?

落語の演目「桃太郎」では、物語のなかに隠されたメッセージを紐解いていますので、紹介しましょう。

日本人が昔から慣れ親しんできた「人生とお金」の関係を見ていきましょう

昔話といえば、「むかしむかし、あるところに……」ではじまるのが定番。これは時代や場所を特定しないことで、いつの時代、どこにいても普遍的な物語として聞くことができるように配慮されています。

「おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に……」

ここでは話に親近感や安心感をもたらすために「おじいさん」「おばあさん」となっていますが、本当は「お父さん」と「お母さん」。

山へ行ったのは「父の恩は山よりも高い」ということの暗喩で、川もイメージを湧かせやすくするためのもの(昔は海辺の村でない限り、海に行くのはひと苦労)で、実際は海を表現しています。つまり川へ洗濯に行ったのは「母の愛は海よりも深い」ということを表しているのです。

桃太郎の冒頭から両親への感謝の気持ちを描いているところから桃太郎の奥深さがさっそく見られませんか?

 

「鬼ヶ島」は「世間」や「社会」を表す

 

立派な青年になった桃太郎は、鬼ヶ島へ鬼退治に向かいます。さて、どうして鬼なのか? これは何を比喩しているか、わかりますか? そう、「渡る世間は鬼ばかり」という言葉に表されるとおり、これは「世間」や「社会」のこと。桃太郎は親元へ離れ、立派に自立の道を歩み始めたということなんですね。

そして出発のとき、桃太郎はおじいさんとおばあさんからきびだんごをもらいます。これは果たして、何を意味しているのでしょうか?

桃太郎といえば、犬、猿、雉のお供ですよね。ここにも当然、意味があります。

犬といえば、「一度ご飯を与えると三日恩を忘れない」といわれるほど、忠義に厚い動物です。つまり犬=仁。

他人への思いやりや、人脈、人望の大切さが人生では大事で、どんな人脈や人望を築いていきたいか考えながら生きていきましょう。といったメッセージが隠されていたと読み取れますよね。

猿は人間以外で最も賢い動物の一種。つまり知。

どんな知恵や知識を身に着けていきたいか、学んでいきたいか

進学でいえば文系なのか理系なのか、仕事をする上でも語学を学ぶ、技術を身に着けるetc,,,「人生はつねに学ぶこと」大人になっても大切なことですよね。

雉は馴染みのない鳥なのでイメージが湧きづらいですが、じつは子どもを守るために自らの命も厭わないほど勇敢な鳥。そして直線的に飛ぶことから実行する力、つまり勇。勇気ある行動や勇敢な立ち振る舞い

頭でっかちで口ばっかりな人よりも、無言でも実行力がある方のほうが頼りになりますよね。

きびだんごは自己投資!

桃太郎は社会の荒波に向かうにあたり、これら「仁」「知」「勇」の三つを携えることになるのです。そして、その三つを手に入れるために使ったものが、おじいさんとおばあさんからもらったきびだんご。つまり、きびだんごこそが桃太郎が自己投資のために使った原資。これはお金と解釈することができるでしょう。

 

こうして自己投資としてお金を大切に使いながら、おおいに経験値を高めた桃太郎は、見事に鬼を退治=社会の荒波を乗り越えます。そして、たくさんの宝物を持って帰り、幸せに暮らすことになるのです。

この宝物は、社会を生きて行くための周りからの「信用」ともいえるでしょう。

どうですか? 何気なく聞いていた「桃太郎」ですが、じつは人生そのものであり、お金を自らにかけていく投資によって人生に必要なより多くの宝物を得る物語だということがわかるでしょう。

人生のマネープラン「いつ、なんのために、いくらお金が必要?」

 

私たちの日頃の生活にあてはめれば、マネープランを立てる際の基本である「いつ、何のために、いくらぐらい」のお金を準備するべきかを、このように、「桃太郎」の噺の中ではうまく表現しています。

 

どのような人脈を築き(犬)、どんな知識や資格を身に着けて(猿)、やりたいことは何なのか、行動していく(雉)、その際に一体いくらぐらいのお金の準備が必要か(きびだんご)、そして物価の上昇や消費税の増税などのお金の価格変動も含めて、桃太郎の話では、これらを計画して人生を送る(ライフプラン・マネープランを立てる)ことを薦める物語だったんですね。

ふだん見落としがちな「価格変動」を身近な事例でみてみよう

意外と多くの方が見落としがちなのが価格変動です。ちょっと詳しく触れてみましょう。

例えば、先日私のマネーセミナーに来られた主婦の方が

「近藤さん、私が預けている定期預金の利息は2%ついていないと実質元本割れするということね。預け先を考え直さなきゃ!」と言われました。

皆さん、どういうことか分かります? 定期預金であれば預けたお金が減る(元本割れ)ことはありませんよね。

ただ今年の秋頃から導入されるといわれている消費税の増税がおきたらいかがでしょうか?もし現行の8%から10%へと2%上がったら、定期預金の金利が2%あれば何も問題はありませんが、実際に定期預金の金利はいくらですか?

残念ながらどこの銀行にも2019年現在2%の金利が付く定期預金は存在してません。

ということは、消費税増税前にお持ちの預貯金で買えるものが、2%分足りなくなってしまいませんか?

ディズニーランドのチケット代は10年で1.3倍に!

また、消費税以外にも、そもそもモノのお値段が変化したらどうでしょう? たとえば、近藤家は結婚10年目を迎えた現在2人の子供がいる4人家族です。毎年子供の誕生日には家族でディズニーランドに行こうと長男が生まれた年から約束しております。

10年前に私が「10年後、家族でディズニーランドに行けるように、へそくりをタンスにしまっておこう。その頃には子どもが2人欲しいから、家族全員でディズニーランドに行けたら楽しいぞ!」と考え、小人2人分と大人2人分の家族4人分のチケット料金を2009年当時の価格で1万9400円(大人5800円×2人 小人3900円×2人)をタンス預金したとしましょう。

さあ、10年後の2019年!

タンスにしまっておいた1万9400円を握りしめ、家族4人でディズニーランドに行きました。しかし、窓口で提示された入場料は2万4400円(大人7400円×2人 小人4800円×2人)です。大人一人諦めれば残りの3人は入れる金額なのです。

もしこうなったら、間違いなく近藤家では私一人が園の外で家族を待つ羽目になるでしょうね(泣)

そして、私と同じように世の中のお父さんが園の外に出されてしまうご家庭が多いのでしょうか?そんな悲しい結末のために、お父さん方は家族の為に働いているのでしょうか?

 

たった10年でもこんなことが起きるのです。これがもし、お子さんの教育資金や老後の備えとして、20年も30年もタンスの中に入れて増えなかったとしたら。。。

お子さんが希望する教育を受けさせてあげることも、老後せっかく思い描いていた生活は夢のまた夢・・・・そんなことになるかもしれませんね。

 

 

日本人は昔から投資の大切さを知っていたのです。

投資やお金の話は決して、欧米だけのものではありません。当然ながら日本人にも大切なものですし、知っておくべきこと。

さて、これから子供だけでなく大人も、小学生に立ち返った気分で、「お金のことを学ぶ楽しさ」を様々な昔話や絵本から読み進めてもらえると幸いです。

 

次回はどんな話が登場してくれるのでしょうか。お楽しみに。

 

近藤 正樹

お金の小学校代表
チーム★ライフプラン研究会 認定講師
キッズ・マネー・ステーション 認定講師
IFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)

多くの金融機関の方が専門知識を難しい言葉で話す姿に違和感を覚え、舞台俳優・落語で得た知識と経験を元に、誰もが悩むお金と人生の関係を、だれもが知っている昔話「桃太郎」を使って人生とお金の関係をわかりやすく紐とくなど、親しみやすいマネーセミナー講師として活動。銀行、証券、保険を横串さした金融業界をテーマにマイナス金利、iDeCo、NISAなどの横文字を詳しく解説し、将来の年金準備やお子様の教育資金準備に特化したセミナー「お金の小学校」を年間50件以上開催。

近年では親子向けのお金の教育にも力を入れている。家庭に帰るとスキー指導員の資格も持ち、10歳と3歳の父親。

HP お金の小学校 https://www.okanenoshougakkou.com/

著書:「お金の小学校」(一間堂)、「誰か教えて!一生にかかるお金の話」(中経出版)

記事掲載:新日本保険新聞・「美的」「DIME」など

~キッズ・マネー・ステーションとは~
「見えないお金」が増えている現代社会の子供たち。物やお金の大切さを知り「自立する力」を持つようにという想いで設立。
全国に約160名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行う。
2018年までに1100件以上の講座実績を持つ。http://www.1kinsenkyouiku.com/

 

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