【小学生、初めての観劇体験】劇団四季ミュージカル『バケモノの子』で親子の絆を考える

2015年邦画興行収益NO.1 の「バケモノの子」が劇団四季のミュージカルに!本格的な歌やダンス、美しい舞台美術にどっぷり包まれながら、本物の感動を親子で味わってみませんか?

細田守監督の映画「バケモノの子」が2022年春から劇団四季のミュージカルに!

劇団四季の最新ミュージカルである本作。原作は2015年公開の細田守監督によるアニメーション映画「バケモノの子」です。2016年の第39回日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞を受賞した、大ヒット作をミュージカル化。国産ミュージカルとしては最大級の長期公演を予定(現在2022年9月末公演までチケット発売中)しています。

初めてバケモノ同士の戦いを目にする九太

今回、小6と小4の息子を連れて初・劇団四季となる筆者ですが、映画「バケモノの子」は観たことがあり、子どもたちも好きな作品です。子どもたちは映画で観たストーリーがミュージカルでどう表現されるかを期待し、親である筆者は、最近思春期に差し掛かった息子が師弟の絆を描いたこの作品を観てどんな感想を持つのか楽しみにしてきました。さて、観終わったあと、親子でそれぞれどんな感想を持つのでしょうか。

バケモノと人間が本物の親子のような強い絆で結ばれる物語

九太が迷い込んだ渋天街

舞台は、バケモノたちの棲む異世界と東京・渋谷。母親を亡くし、孤独に生きていた9歳の主人公の九太は、バケモノの熊徹に出会い、強さを求め彼に弟子入りすることを決めます。

多種多彩なバケモノや祝祭感あふれる異世界、迫力の戦闘シーンなどを表現するため、特殊メイクやパペット、アクション、マジック、映像などあらゆる分野のクリエイターが集結しただけあり、物語は圧倒的なエンターテインメント性で壮大に描かれています。

大迫力!熊徹と猪王山との闘い。気迫が大きなパペットとなって現れる

作品を通して描かれるのは、熊徹と九太、ふたりの成長と、まるで本当の親子のような固い絆、加えて、己のアイデンティティを模索し葛藤する九太の姿です。熊徹やまわりの人々に支えられ、力強く成長する九太の姿は、自分は何者なのかという問いに対し、大切な誰かと手を携えて力強く人生を歩んでいくことの価値を教えてくれ、未来への不安が拭えない今だからこそ、届けられたメッセージに深い意味を感じます。

師弟の絆と成長を描く本作は、観終わった後に親と子でそれぞれ違った印象に

九太と熊徹が人間の世界・渋谷で出会う

自分の居場所を求めて渋天街に棲みつき、その後バケモノの仲間と別れ渋谷に戻ったりしながら、本当の自分を探そうとする九太の姿を見ていると、近ごろ成長とともに親の言うことを聞かず、親の目の届かない居場所を持ち始めた息子たちの姿を重ねます。そんなとき、九太の自分探しは応援しているのに、息子たちの行動に対して苛立ちを感じてしまう筆者自身の矛盾に気づかされます。

渋天街のバケモノたちは九太の良き仲間に

一方で小6の息子は、九太が渋天街に行くことも、また渋谷に戻ることも、それが熊徹や仲間たちと離れるという選択でさえも、「そうなるよね」と九太の心境の変化を自然な流れとして受け入れているようでした。九太の思いに共感している息子は、もうすでに自立し始めているということなのかもしれません。

熊徹と九太の間に固い絆を感じるシーン

大型のパペットで迫力ある戦いのシーンを表現したり、回るステージで渋谷の雑踏や、交錯する気持ちを表したり。また、目にもとまらぬ速さで刀が移動するシーンでは、イリュージョンの世界に訪れたかのような気分になります。

コミカルな剣術の訓練シーン

そんな、エンタテインメントにすっぽり包まれながら、あらゆる感覚を刺激されるこの体験は、息子たちにもとてもいい経験になり、こういった本物の芸術に触れたことは親子で対話をするいいきっかけとなりました。

最近は親の買い物には全く付き合ってくれなくなった息子たちですが、「こういうのならまた観に行きたい!」と言っていたので、これからも機会があれば誘ってみたいと思います。

かつてないスケールの劇団四季新作オリジナルミュージカル『バケモノの子』、おすすめですよ。

子役のバケモノたちのかわいらしさも、この作品の魅力の一つ

劇団四季オリジナルミュージカル『バケモノの子』

会場:JR東日本四季劇場[秋](東京都港区海岸1-10-45)

アクセス:JR山手線・京浜東北線「浜松町駅」北口より徒歩約6分

都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門駅」B1出口より徒歩約7分

東京臨海新交通ゆりかもめ「竹芝駅」より徒歩約3分

予約方法:ネット予約 SHIKI ON-LINE TICKET(http://489444.com)(24時間受付)

※子ども料金あり(子ども:3歳以上~小学校6年生以下)

※公演当日3歳以上有料(膝上観劇不可)、2歳以下入場不可

撮影/五十嵐美弥 文・構成/HugKum編集部

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