手足口病が3年ぶり全国的に大流行した今夏。大人がかかると症状の悪化も。秋以降も要注意!

手足口病が今夏、3年ぶりに全国的に大流行しました。手足口病は夏風邪の一種で、乳幼児に多く見られるウイルス性の感染症です。おひさまクリニック(東京都北区)院長 金髙太一先生に、手足口病の特徴やホームケアのポイントなどについて教えてもらいました。金髙先生は、小5、小2、年長の子どもをもつパパでもあります。

手足口病は、乳幼児に多く見られる夏風邪の一種

手足口病は夏風邪の一種で、ウイルスによって起こる感染症です。口の中や、手足を中心に、ひじ、ひざ、おしりなど広範囲に写真のようにポツポツとした水ぶくれのような発疹が出るのが特徴で、乳幼児を中心に主に夏に流行します。主な感染経路は、飛沫、接触、おむつ替えのときなどによる糞口感染です。

原因となるウイルスは、コクサッキーウイルスA6A16、エンテロウイルス71EV71)のほか、コクサッキーウイルスA10などです。

今夏の流行では、コクサッキーウイルスA6が最も多く検出されています(2022年7月29日現在 *小児科学会HP)。

手足口病の発疹の様子

1日目 なかに水が入ったような小さな発疹が出てくる。

5日目 水疱の皮が破れて、かさぶたになっていく。かゆみや痛みはない。

 

2021年は、西日本を中心に秋・冬に感染者が増加

手足口病の全国的な流行は3年ぶりです。2021年は、季節外れですが、秋・冬に、西日本を中心に感染者が増加しました。広島県では12月に入ってから警報を出しています。そのため今後の流行状況にも注意が必要です。

今夏の流行では、高熱を伴う子も。熱性けいれんに要注意

手足口病になると口の中、手のひら、足の裏などに23mmぐらいのポツポツとした水ぶくれのような発疹が出ます。口の中の発疹の痛みで、食欲が落ちる子もいます。下痢、嘔吐、発熱を伴うこともあります。発熱は一般的にはそれほど高くないといわれますが、今夏の手足口病は39度以上の高熱が出る子も少なくありません。そのため熱性けいれんに注意が必要です。診察をしていると発疹も口の中、手のひら、足の裏だけでなく、ひじ、ひざ、おしりなど広範囲に広がっている子が目立ちます。

また手足口病が治ってしばらくすると、一時的に手足の爪の表面がボコボコしたり、はがれたりすることもありますが、これは自然に治ります。

特効薬がないため対症療法が中心。脱水に注意しながらホームケアを

こまめな水分補給が大事

手足口病は、特効薬がないので対症療法が中心になります。家庭で最も注意してほしいのは脱水です。口の中にも発疹ができるため、痛がって食事や水分が十分に摂れない子もいますが、スープやヨーグルトなど口当たりのいいものを与えてください。こまめな水分補給を心がけて、脱水に注意しましょう。

手足口病は1~2週間程度で回復しますが、もし次のような症状が見られた場合は、診察時間外でも受診してください。手足口病には、前述のようにウイルスにいくつかの種類がありますが、エンテロウイルス71に感染するとまれに髄膜炎や脳炎を起こすことがあるので注意が必要です。

【診察時間外でも受診が必要なサイン】

□けいれんを起こした

□嘔吐が続く

□水分がとれない

□頭を痛がる

□視線が合わない

□顔色が悪い

□呼吸が苦しそう

家庭内感染を防ぐには手洗いが必須。子どもが咳、くしゃみをするときは、大人がマスクを着用する

手足口病に感染した大人の手

手足口病は、子どもから大人に感染することもあります。大人が感染すると、「発疹が痛くて歩けない、手作業ができない」「倦怠感が強い」「熱が出る」など、子どもより症状がひどくなることもありますが、子ども同様に特効薬はありません。対症療法が中心になります。もし子どもとほぼ同時期に感染したら、親子で小児科で診てもらいましょう。

手足口病は前述の通り、主な感染経路が飛沫、接触、おむつ替えのときなどによる糞口感染です。家庭内感染を防ぐには、次のことに注意してください。子どもからの飛沫、唾液が口に入らないように注意することが第一です。

家庭内感染を防ぐためのポイント

□子どもが残したものを食べない。子どもと同じ箸やスプーンなどは使わない

□手足口病に感染している子どもが咳、くしゃみをする場合は、大人がマスクを着用する

□子どものお世話をした後などは、ハンドソープを使って手洗いをしっかりする。タオルは共用しない

□便を介して感染することもあるので、おむつ替えをした後は、必ずハンドソープで手を洗う。おむつは素早く適切に処分する(手足口病は治った後も、便にウイルスが比較的長い間、排泄されるので手洗いは習慣化する)

記事監修

金髙太一先生|おひさまクリニック(東京都北区)院長
聖マリアンナ医科大学医学部卒。都立大塚病院、横浜市立大学附属病院を経て開業。日本小児科学会、日本小児科医会所属。

写真提供(発疹の様子)/金髙太一先生 取材・構成/麻生珠恵

 

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