卵は冷凍するとどうなる?
卵を冷凍すると、ねっとりモチモチとした新食感を味わうことができます。なぜそのような食感になるのか、冷凍すると卵の栄養価はどうなるのかなどについて見ていきましょう。
冷凍すると卵の食感が変わるのはなぜ?
卵は冷凍すると黄身は固まり、解凍後も手でつまめるほどモチモチとした食感になります。
なぜそのような食感になるのかというと、本来、生卵はタンパク質の膜に覆われています。しかし、冷凍することで膜が壊れ、タンパク質同士がくっつきます。タンパク質同士がくっつくことで、モチモチとした弾力のある食感になるのです。
また、冷凍することで黄身の水分の多くが失われます。そのため黄身が凝縮し、ねっとりとした粘度の強い食感になるのだそう。濃厚な味わいを感じることができます。
一方で白身を冷凍・解凍しても、あまり味や食感に変化はありません。しかし、水分は出ていくため、メレンゲにする際などは、泡立てやすくなるのが特徴です。
卵を冷凍すると栄養価はどうなる?
卵は良質なタンパク質やビタミン、ミネラルを多く含み、栄養価が高いことで知られていますが、それらの栄養価は冷凍しても変わることはありません。本来の卵の栄養価を、そのまま摂取することができます。
冷凍卵の注意点とは?
卵は、サルモネラ菌によって食中毒を引き起こす危険性があります。そのため衛生面には注意が必要です。
卵を冷凍すると中身が膨張し、殻にひび割れをおこします。露出した中身に細菌が付着しないよう、冷凍する前に卵をきれいに洗うなどの対策がおすすめです。
日本の卵は衛生管理が厳しくなされています。しかし冷凍卵を生で食べる際は、賞味期限を守り、解凍後はすぐに食べるようにしましょう。
またサルモネラ菌は、70°以上の温度で1分間加熱することで死滅します。そのため加熱調理もおすすめです。
冷凍卵を作ってみよう
それではさっそく冷凍卵を作っていきましょう。解凍方法や冷凍卵の殻のむき方も説明していきます。
冷凍卵の作り方
1、卵はきれいに洗っておきます。
2、ラップで卵を包みます。
3、保存容器に入れて冷凍庫で、一晩凍らせます。
解凍方法
冷凍した卵を生で食べる場合は、冷蔵解凍がおすすめです。卵の殻をむき、保存容器に入れて、使用する前の晩に冷蔵庫に移して解凍してください。加熱調理する場合は、殻をむいたら解凍せずにそのまま使うことができます。
冷凍卵の殻のむき方
ボウルに水を入れ、その中で殻をむくと、むきやすくなります。
保存期間
冷凍卵を生で食べる場合は、1~2週間。加熱調理する場合は、約1か月を目安に食べるようにしてください。
冷凍卵は卵かけご飯がおすすめ! 2種類の卵かけご飯を紹介
冷凍卵は卵かけご飯がおすすめです。濃厚でクリーミーな味わいと、モチモチした食感を楽しむことができます。
そこで、おすすめしたいのが、冷凍卵で作るフワフワ・モチモチの卵かけご飯と、味噌玉と一緒に食べる卵かけご飯です。
フワフワ白身とモチモチ黄身の卵かけご飯
【材料(1杯分)】
- 冷凍卵… 1個
- ご飯… 適量
- だし醤油… 適量
- 刻み海苔(お好みで)… 適量
【作り方】
1、解凍した冷凍卵を、白身と黄身に分けます。
2、白身はフォークや泡立て器などで泡立てます。
3、ご飯に泡立てた白身、黄身をのせ、だし醤油を回し入れます。
4、お好みで刻み海苔を散らせたら、できあがりです。
白身のフワフワと黄身のモチモチ、2つの食感を楽しむことができます。
味噌玉卵かけご飯
【材料(1杯分)】
- 冷凍卵… 1個
- ご飯… 適量
- 味噌… 大さじ1
- 和風だしの素… 小さじ1
- すりごま… 適量
- おろししょうが… 1かけ分
- 刻みネギ… お好みで
【作り方】
1、冷凍卵は殻をむき、解凍しておきます。
2、味噌、和風だしの素、すりごま、おろししょうがを混ぜて味噌玉を作ります。
3、ご飯の上に、解凍した卵と味噌玉、お好みで刻みネギをのせて完成です。
混ぜて食べると、しょうがが香って美味しいですよ。
冷凍卵のアレンジレシピ
冷凍卵はそのまま食べても美味しいですが、アレンジして食べるのもおすすめ。冷凍卵のアレンジレシピを紹介していきます。
冷凍卵の醤油漬け
冷凍した卵の黄身は水分が抜けているため、味がよく染み込みます。数分で味が染みるため、時短調理におすすめです。
【材料】
- 冷凍卵(黄身)… 2個
- 醤油… 大さじ1
- みりん… 大さじ1
- めんつゆ… 大さじ2
【作り方】
1、冷凍した卵を容器に入れて冷蔵解凍します。
2、解凍できたら、白身と黄身を分けます。
3、フリーザーバックなどに、醤油、みりん、めんつゆを入れます。
4、3に黄身を入れ、冷蔵庫で味を染み込ませます。
15分くらいで味が染みますが、1時間~1日寝かせると、よく味が染みた冷凍卵の醤油漬けになります。
【おすすめの食べ方】
冷凍した卵の黄身は潰れにくくなるのが特徴です。そのため、おにぎりの具にすることができます。ご飯の中に、醤油漬けにした黄身を入れて軽くにぎり、海苔を巻いたら完成。持ち運びもできるので便利です。
【余った白身の使い方】
余った白身は、味噌汁に入れたり、白身だけのオムレツやメレンゲを作るのがおすすめです。
冷凍卵の温泉卵
冷凍卵で温泉卵を作ると、黄身が濃厚でクリーミーになります。
また、冷凍卵の黄身は水分が抜けて、固まっている状態です。そのため通常の卵より、短時間で温泉卵を作ることができます。
【作り方】
1、鍋に卵が浸かるくらいの水を入れ、沸騰させます。
2、沸騰したら冷凍卵を入れ、1分間ゆでます。
3、1分経ったら、火からおろし、鍋のままで5分間おきます。
4、5分後、水につけて冷やします。
5、卵の殻を割って完成です。
【おすすめの食べ方】
だし醤油などと一緒にそのまま食べるのはもちろん、クリーミーな黄身とトロッとした白身はサラダなどのトッピングにもおすすめです。
冷凍卵の新食感をぜひ
冷凍に不向きだとされていた卵ですが、冷凍することで新しい食感を楽しめることがわかりました。ひと味違った卵かけご飯を楽しみたいときには、ぜひ冷凍卵を試してみてください。
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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)