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フェムテックって何?
フェムテックは、英語で女性を意味する「female」と、技術の「technology」をかけあわせた造語で、技術を使って女性の健康をサポートする製品のこと。
国内外のおよそ200社が出展し400のフェムテックアイテムが集結する Femtech Tokyoが展示会が10月20日から22日まで、東京・江東区の東京ビッグサイトで開催されました!
会場は「生理・月経」、「プレ更年期・更年期」、「妊娠期・産後」、「妊活・妊よう性」、そして「すべての女性」と、ライフステージに応じて大きく5つのカテゴリーに分かれています。
「生理・月経」ゾーンでは、吸水サニタリーショーツや月経カップといった使い捨てナプキン以外にも私自身も使ったことのない生理に対応する様々なプロダクトがあり驚きでした。
まずは、フェムテック商品の中でも特に注目され、新製品もたくさん出ている吸水型サニタリーショーツからご紹介したいと思います。
吸水ショーツってどんなもの?
私が生理が始まった中学生の頃は、サニタリーショーツはありましたが、吸水ショーツはありませんでした。なので、吸水ショーツが発売された時は使い捨てのナプキンがなくても大丈夫なの!?と衝撃的でした。
今回、さまざまな吸水ショーツのブランドが集合するということで、一挙に見比べてきましたよ!
吸水ショーツはデザインもスタイリッシュ
生理用のショーツなんて、どれも似たようなもの…というのは一昔前のこと。吸水ショーツを扱う企業だけでも20社近くありました。私の世代のサニタリーショーツといえば、ともかく量の多い日に大きめのパッドがずれないようにお腹まで隠れるお洒落とは程遠い代物で、履くのも気恥ずかしかったものです…。
今時の吸水ショーツは、機能だけではなく、すっきりスタイリッシュなものから、生理の日も明るい気分になれそうなレースでフェミニンなものまでデザインも豊富。
素材もお肌に優しいオーガニックコットンや、スタイルアップの補正機能のあるものまでありました。
吸水ショーツはエコ
そして何より、吸水ショーツはエコ!
なんと、海に廃棄されたプラスチックごみの5位が生理用品で、プラスチックごみ問題でよく取り上げられるレジ袋より上位になります。(*欧州委員会レポート)
しかも、女性が生涯に使うナプキンは、一回の生理期間で25枚、40年間と考えると、1人1万枚以上とも言われています。地球環境を考えても使い捨て以外の生理用品の利用を考えるのは、大切なことです。
母娘どの世代にもオススメ
吸水ショーツは、成人女性だけではなく、初潮を迎えたばかりの思春期の女の子にもおすすめです。
使い捨てナプキンは使い慣れないと失敗も多いですが、履くタイプの吸水ショーツであれば、交換の必要も失敗の心配もなく安心です。
今は、小学校の高学年になる前に初潮を迎える女の子も多く、使い捨てナプキンの交換を短時間ですませることは大変な負担です。体育の授業の前に交換してたくても、休憩時間の着替えの間にトイレに行き来すれば、授業に遅れることも。
吸水ショーツであれば交換する必要もないですし、漏れも心配ないので運動も思い切りできますね。
生理バレのストレスも軽減
また、まだ生理が来ている子どもが少ない小学生の中では、生理が来ていることを周囲に知られたくないという子も多く、「生理バレ」という言葉もあるそう。吸水ショーツであれば、ナプキンの交換時のカサカサする音が出ないので、ストレスも軽減されます。
ただ、吸水ショーツがなかった私たち親世代が、子どもにいきなり吸水ショーツを勧めるのは心配かもしれません。
なので、まずは紙ナプキンと吸水ショーツを両方用意して、比べてみるのが良いでしょう。
ちなみに、吸水ショーツメーカのBé-A Japan代表の高橋くみさんによると、お子さんに紙ナプキンと吸水ショーツを選ばせた場合、ほとんどのお子さんが吸水ショーツを選ぶそう。
初めの選択肢に吸水ショーツがある今の世代から、吸水ショーツが当たり前になっていくのかもしれませんね。
そんな地球環境にもお肌にも優しい吸水ショーツ。特に初めて使う場合、お子さんには何が合うのか分からず、どれにしようか迷ってしまいますよね。そこで、同じメーカーでも大人とジュニアラインの展開があり親子で使えるものや、ブラジャーとのセットアップで10代の子も生理が楽しくなるお洒落な吸水ショーツを見つけたのでご紹介します!
経血量が測れる吸水ショーツ
世界初( 2022年7月現在)の開発となる「経血量を計測できる吸水ショーツ」のプロトタイプが初披露されました。吸水ショーツ業界を牽引する(株)Bé-A Japanと日本を代表するウェアラブルIoT企業ミツフジ(株)による共同開発です。
ブースでは、経血量を測定する吸水ショーツの使用イメージのデモンストレーションもありました。まだプロトタイプですが、これが実現されたら経血の漏れの心配がなくなり、体調の変化にも気が付きやすくなるので生理がより過ごしやすくなりますね。
Bé-A Japanの名前の由来は「Girls Be Ambitious」。
「Girls be ambitious. 望めば変わる。人生も、世界も。」をコンセプトに、吸水ショーツを通して社会貢献にも力を入れている企業です。次世代に向けた取り組みとして「Girls Be Ambitious Project」を発足し、吸水ショーツの寄贈や「学校では教えてくれない、生理とカラダのこと」などの親子や男女学生向けの生理セミナーも定期的に実施しているそうです。親世代の私たちも、製品を通して、娘世代の為にも応援したい企業です。
初めて使うなら断然ベア!
経血の測れる吸水ショーツがインパクト大のBé-A Japanは、数多く吸水ショーツを見てきた中でも、個人的にイチオシの吸収ショーツメーカーさんです。
どれにしようか迷っているなら、まずBé-A Japanの「ベア吸水ショーツ」をオススメします!
多い日でも吸水ショーツだけで安心
というのも、「ベア吸水ショーツ」は60mlから150mlまでのラインナップがあります。その他のメーカーも色々聞いて回りましたが、ほとんどの製品は多い日は念のためナプキンと併用との注意書きがありました。
Bé-A Japanは、吸水ショーツだけで過ごせる数少ないメーカーさんだと感じました。高橋さん曰く、ナプキンがなくても安心して使える吸水ショーツを目指し製品開発をしているとのことで、価格は少し高めではありますが、他の製品と比べても一番、安心感がある製品です。
特に、初潮を迎えて、初めて使うお子さんの場合、失敗がトラウマになることもあるので、信頼できる品質の吸水ショーツを揃えてあげるのも大切だと思います。
生理の周期が落ち着いて、吸水ショーツの使い方にも慣れてきたら、使い心地やデザインなどで、お好きなブランドと併用しても良いと思います。
ジュニアラインがある
しかも、大人の小さいサイズではなくて、ベア ペティートという生理が始まった時期の思春期の女の子に向けたジュニアのラインナップがあります。ジュニア期の数年間は、生理周期が安定しません。漏らさない吸水力とともに、自分自身で場所や量を確認しやすいグレー色の吸収体になっています。
「自分の体を知る大切な機会だからこそ、安心して生理と付き合っていけるように開発しました」と高橋さんは話してくれました。
ギフトに最適「はじめての生理ボックス」
次にお勧めなのは、以前にも「はじめての生理ボックス」をご紹介した下着メーカーのチーカスさんのブランドSALUFFYPLUS(サラッフィープラス)の新作です。お馴染みのキャラクターのデザインで「TAKE CARE WITH PEANUTS -はじめての生理ボックス」が発売されました。
Take care with PEANUTSはじめての生理ボックス
- ・ガイドライン付きショーツ レッド(昼用)1枚
・ガイドライン付きショーツ グリーン(夜用)1枚
・吸水型ナプキンショーツ ピンク 1枚
・オリジナルサニタリーケース
・はじめての生理ブック
・オリジナルボックス - 価格5000円(税込)
ガイドライン付きのショーツは、生理の日はナプキンと組み合わせて使います。生理以外の日は普通の防水布付きのショーツとして使うことのできます。予備のナプキンを収納できる2箇所のポケット付きで、ナプキン用のポーチを持ち歩かなくてもトイレに行けます。しかも、マチ部分は肌に触れる部分と外側のショーツ生地が分かれていて、ナプキンの羽を収納することができる快適構造。
吸水型のナプキンショーツは、急な生理への備えや生理期間後半の軽めの日やおりものにも対応します。重い日はナプキンとの併用をおすすめしているとのことです。オリジナルサニタリーケースはテッシュケースにそっくりで、生理用品のポーチには見えない作りになっています。
生理が始まったばかりの不安な女の子の気持ちに寄り添う「はじめての生理ボックス」シリーズは箱のデザインも可愛いく、ギフトにもピッタリ。
生理が来る前に用意しておいて、普段から生理について話せるようにしておくのも良いですね。Wombシリーズなど大人可愛いラインも充実していますので親子で利用できるブランドです。
また、社会貢献事業にも力を入れていて、この冬に社会問題と向き合う人のクラウドファンディング の「GoodMorning」にて「はじめての生理ボックス」のリターンに児童養護施設等の寄贈先を設定したクラウドファンディングを実施予定だそう。
気になる方はウェブサイトをチェックしてみてくださいね。
廃棄野菜染料でSDGsな吸水ショーツ
会場でも一際目のひく、カラフルなブースのHogara。
繊維商社の「豊島」で働く繊維のプロである女性社員たちが立ち上げたブランドで、素材の開発・製作所選定・デザイン・パッケージまで一貫してコーディネートしているそうです。
吸水ショーツ には、肌触りの良いオーガニックコットンを使用。マチの部分は吸水速乾、防水構造で漏れを防ぎます。さらに豊島の「Repur」加工を施していて、抗菌、消臭、部屋干し機能もあります。
サイズはSサイズからあり、カップ付きのキャミソールもあるので上下でそろえるることができます。スリムタイプのショーツもあるので、始まりや終わりのちょっと不安な時に一般的なショーツと同じ感覚で利用できます 。色は、ピンク、ブルー、パープルなどカラフルな10色。
そのうちのサクラ、アカカブ、マッチャの3色はフードテキスタイルという廃棄予定野菜を使った天然染料を90%利用しており、食べ物の持つ優しい色合いです。
また、Hogaraは食品廃棄の問題に取り組むだけでなく、売上の一部は「公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン」の「ガールズ・プロジェクト」に寄付され、フェムテック商品を利用しながら、社会貢献もできる製品です。
10代にもオススメ!お洒落なセットアップの吸水ショーツ
10代のお子さんの下着選びはなかなか難しいと思います。中学生や高校生になってくると自分の好みのものも使いたくなりますよね。でも、ママの趣味で女の子らしいものを選んでみても意外とレースなどフェミニンで華美なものは好まなかったり。しかも、吸水ショーツとなるとデザインやカラーなどが限られて、ブラジャーとセットのものも少ないですよね。
下着ブランドのNonPlus(ノンプリュ)の吸水ショーツは、ブラジャーとのセットアップで、シンプルながらもスタイリッシュでカラー展開もたくさんあり、お気にりが見つかると思います。
フランス語の「ノンプリュ」を直訳すると「もう嫌!」という意味。
嫌な気分にperiod(英語の生理という意味でピリオド・終わりという意味もあります)をモットーに、防臭抗菌加工を施したオーガニックコットンを使い、着心地の良さとおしゃれさを両立したデザイン。
10代はもちろん、20代以上の大人の女性にもピッタリ。ビキニ型以外にもタンクトップ型のものもあるので、初めて使うブラジャーとしてもお子さんにもオススメです。
老舗メーカーで安心!グンゼのジュニア用下着
老舗下着メーカーのグンゼのピエクレールシリーズは、毎日成長する女の子の体に合わせたジュニアーインナーです。ポケット付きのサニタリーショーツは消臭加工や収納可能な羽付対応で、ナプキンがずれにくく、剥がす時の音がしにくいなどの工夫がされています。
11月にはサニタリーショーツシリーズで吸水ショーツタイプも登場予定です。また、大人向けのチェリッシュムーンシリーズはレース仕様でとてもお洒落。ブラジャーとセットで揃えたいラインナップです。
小学生のお子さんには、ブラジャーまでは必要ないけれど、トップがふくらみはじめたら「立体バタフリーパッド」の入ったタンクトップもオススメです。不敷布パッドより少し立体にすることにより、敏感になっているトップを優しく包み込む仕様となっています。
いきなりブラジャーは抵抗があるかもしれませんが、下着の延長で、まずは用意しておくのが良いですね。吸水ショーツも下着も価格が安く、日常的に使いやすいのも助かりますね。
吸水ショーツを比べてみて
数年前と生理事情を比べても劇的に変わっていて驚きでした。生理の話がタブーだっのはもう昔のこと。フェムテック商品を利用して、快適な生理生活ができれば、ネガティブなイメージも薄れ、自然に日常の話題にもなってくるのではないかなと思います。
ちなみに、今回のイベントで資料やお土産を持ち帰り、部屋で広げていたら娘が製品やパンフレットに興味を持ったようでした。来年、小学生になりますし、少しずつ話していくのには良い機会だと思い簡単に生理の話をしました。実は、私の産後や生理の時の出血には気がついていたようです。タイミングはご家庭により、いろいろだと思いますが、娘さんが興味を持ったらその時だと思います。
また、親子で同じメーカーで吸水ショーツを揃えることができれば、親御さんも使用感を確認でき、生理に関して親子で話しやすくなりますよね。ぜひ、吸水ショーツ試してみてくださいね。
次回は、吸水ショーツのお洗濯方法や、吸水ショーツの洗剤、デリケートゾーンのケア商品、最新の月経ディスクなどの吸水ショーツ以外の生理アイテムなども紹介したいと思います。
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写真・文/Rina Ota