5歳の息子が壁一面に油性ペンで落書きを! 怒りが収まりません【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴半世紀あまり。常に子どもに寄り添い、ママパパたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さん・お父さんにアドバイス。

おばあちゃんの家の壁一面に油性ペンで落書きを! 

最近、息子が家具などに落書きをします。家の本棚にクレヨンで少し落書きをしたり、スタンプを押したりするので叱りました。もしかしたら本棚を可愛くしたかったのかもしれませんが、息子には「壁や家具には描かないでほしい」と伝えました。ところが、先日、一番大きな落書きが!

いとこが遊びに来て、近所に住むおばあちゃんの家に行ったのですが、2人で壁一面に油性ペンで大きな落書きをしてしまったのです。私は本当に怒り、翌日になっても怒りが収まりません。また「うちの子って、こういう子なの?」と思い、すごくショックです。(5歳の男の子のママ)

画用紙にしか描く発想がない子より、ずっと自由でいいと思います

「こういう子」って? 

やっていい事と悪い事がわかっていないという事かしら?

落書きは、そんなに悪いことでしょうか?

昔は、家は家族と共にあり、私の家はきょうだい1人ずつがガラス窓一枚ずつに絵を描いていました。もちろん消えないペンで。柱の傷も、きょうだいみんなで背の高さを比べっこした思い出の傷です。その家に27歳まで住んでいましたが、不快どころか懐かしくて、愛着を感じていました。

昔は、こうした家がたくさんあり、子どもたちが大きくなって落書きなどをしなくなってから壁紙を貼り替えたり、ペンキを塗り直したりすることが多かったです。 りんごの木も、あちこちに落書きあります。2階の押し入れの中は、子どもたちにとってはワクワクしながら絵を描ける秘密基地のような場所です。画用紙にしか描く発想がない子より、私はずーっと自由でいいと思います。 落書きは、子どもの行動としてはそこまで怒ることではありませんよ! 今の住宅事情が子どもを不自由にしていると思っていいくらいと思っています。

おばあちゃんに謝って、どうしたらよいか親子で考えて

ただ、今回はおばあちゃんの家なので、子どもを連れて謝りに行ったほうがいいでしょうね。そして不快に思う人もいることを伝えて、どうしたらよいか親子で考えてください。また、落書きを防ぐなら、子どもの手の届く場所に油性ペンは置かないか、描いていい壁に紙を貼るとか工夫してみてください。

自由で素敵なお子さんです!

5歳児のお悩みにはこんなことも

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記事監修

柴田愛子|保育者・自主幼稚園「りんごの木」代表
自主幼稚園「りんごの木」代表。子どもの気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて47年。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。「りんごの木子どもグラブ」https://ringono-ki.org/top.htm

イラスト/海谷泰水

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