【2~4歳から始める】分ける・決める・戻すの3stepで身につく”水谷流”片づけ術

スッキリと整った家で過ごしたいのは、多くの方の希望だと思います。そのためにも、子どもには自分の物を片づけられるようになってもらいたいですね。
自分の持ち物や使う物の管理をすることは、個人のスペースを与える場合にも、自立して生活する場合にも欠かせないスキルです。いきなり身につけるのは難しいので、2~4歳のめばえっ子世代のうちから少しずつ取り組むのがおすすめです。

片づけで培った能力はほかの場面でも活かされます

家を片づけるための作業、例えば、自分にとって必要な物の基準を明確にしておくことなどは、生きていくうえで、片づけ以外の場面でも役立つ力です。

基本を覚えて、それぞれの家庭や子どもの性格に合った進め方をしていけば、きっと家にも、子どもにも変化が見られるはず。家族みんなが心地よく過ごせる環境を探っていきましょう。

片づけで子どもが伸びる!3つのポイント

片づけで子どもが伸びる3つのポイントを確認していきましょう。

POINT1:親子での「分ける」作業がコミュニケーション力を高める

子どもの物を片づける際は、「これは必要?」「どこにしまう?」「ここから出せる?」など子どもの意見を聞くことが必須。おうちの方が勝手に決めるとうまくいきません。

質問に対して、自分の希望や意見を伝える経験はコミュニケーション力アップにつながります。

POINT2:自分にとって「大事」「不要」がはっきりする

片づけの第一歩は、自分が管理できる量まで持ち物を減らすこと。

物が増えるたびに「いる」「いらない」を見直す作業を行います。これを繰り返すうちに自分が何を「大事」にしたいのか、その基準がはっきりし、選択する場面でも悩まなくなるでしょう。

POINT3:いろいろな意見を調整して答えを見つけられるように

自分はおもちゃを出しっぱなしにするのが心地よくても、同じ場所を使う家族が不快ならそのままにはできません。それぞれの意見を聞きながら、全員が納得できる状態を見つけることは、生きていく中で必ず経験するものです。

【Lesson1】まずは片づけの基本をマスター!

最初はおうちの方と一緒に物を分ける「整理」から

片づけと聞くと「収納グッズをそろえること」をイメージされる方も多いですが、最初にやるべきことは「整理」です。

今、持っているおもちゃや洋服をすべて出してみて、「使っている・使っていない」で分けていきます。慣れてくると、4歳くらいで、ひとりでも分けられるようになると思いますが、それまではおうちの方が手伝ってあげてください。

分ける作業が終わったら、ようやく収納場所=おうちを決めていきます。おもちゃの収納場所として適しているのは子どもがよく遊んでいる場所。2~4歳の子の場合は、家族が集まるリビングで遊ぶことが多いと思います。

おうちを決めたのに、おもちゃが散らかっている場合は、収納場所か収納方法が子どもに合っていないのかも。そんなときには、すぐに場所や方法を見直していく柔軟さが大切です。

【Lesson2】子どもとチャレンジ!収納テクニック

収納は使い方や子どもの成長に応じて何度も見直すもの

子どもが遊んだ後のおもちゃをスムーズに収納するための鉄則は、できるだけアクションを減らすことです。わが家が取り入れているのは、布製のボックスにすべて放り込む方法です。そして、おもちゃを入れた布製ボックスは棚に並べています。

最初はひとつのボックスにすべてのおもちゃを入れることから始め、片づけに慣れてきたらボックスを増やして「分類」に挑戦。あまり細かく分類すると、片づけのときに「これはどこに入れたらいいのかな?」と悩んで手が止まってしまい、そこから片づけが苦痛になってしまうかもしれません。

子どもの手が止まっている状態が見えたら、分類を減らす、変更するなどこまめに見直しを。収納場所も方法も、うまくいかなければすぐに変えられるものと思っておけば、親も子どもも気楽に片づけに取り組めるようになります。

水谷家の子どもたちの片づけスキルの成長

2歳:「片づけ」とは、暮らしに必要な作業なんだと、早いうちから理解してほしいと思ったので、片づけへの参加を始めてもらいました。
まずは親と一緒に、遊んだ後におもちゃをボックスの中に戻す作業から。まだ「分類」を考えるのは難しいので、ひとつのボックスの中におもちゃをすべて入れることを目標にしていました。

3歳:保育園や幼稚園に通い、園で「お片づけ」について習い始めました。
活動の終わりに片づけをする習慣ができ、親とコミュニケーションが取れるようにもなるので、「これとこれは一緒にしまってもいい?」「これはまだ遊ぶ?」など本人に相談をして、意見を聞いてみます。親からするとめちゃくちゃな意見だとしても一旦は受け入れて。

4歳:「大事なおもちゃ」としているものや、分類の仕方から個性や本人のこだわりが見えてくる年齢です。
高度なお片づけもできるような気がしてしまいますが、細かすぎる分類や収納方法はあまり適しません。できる限りワンアクションで完了するような収納場所、収納方法にして、ひとりでできることを増やします。

めばえっ子家庭で試せるヒントがいっぱい!水谷家を大公開!

おもちゃ収納

ボックスは欲張りすぎないサイズに

棚の高さに対してボックスはやや低め。このほうが、ボックスを引き出さなくても上からのぞくと中が確認できるので、子どもにとっては遊びやすく、しまいやすいんです。

ラベリングはわかりやすさを重視

ラベルは養生テープに油性ペンで書いています。文字が読めない年齢でもわかるように絵を描くこと、ボックスと棚に同じラベルを貼ることで物のおうちをわかりやすく。

ボックスの分類は子どもと相談

おもちゃの分類は、遊びやすさを重視して子どもと相談したうえで決定。遊ぶおもちゃが変わると分類も変わります。分類しづらいものを入れる「いろいろボックス」も活躍。

ゲーム感覚で使える「あつめるボックス」

収納場所から離れた場所で遊んだとき、おもちゃをまとめて運ぶのに活躍する「あつめるボックス」。
子どもが持ち運びしやすいサイズの手頃な入れ物、かご、紙袋などでOK です。「この中からブロックだけ集めよう!」と声をかけ、ゲームのように楽しくお片づけ。

学用品収納

好きな物を飾れる場所をつくる

学用品を置く棚の上は、今のところ長女の作品やお気に入りの物を飾るスペースとして活躍中です。

クローゼット

日常的に使わない物を収納

クローゼットからの出し入れは、扉を開けるアクションが手間なので、うちでは日常使う物は入れず、ティッシュや学用品などのストック、あまり遊ばないおもちゃなどを置く場所に。

衣類収納

「だいじボックス」に個性が

衣類収納の最上段は子どもたちそれぞれの「だいじボックス」。右から次男(年中)、長男(小1)、長女(小4)のボックスです。
次男はとにかく投げ入れ方式ですが、長男、長女と少しずつ分け方が細かくなっていきます。

衣類はできる限り少なめに

服が多いと、選ぶのも収納するのも大変になります。そこで、できる限り衣類は少なくして出し入れをラクに。
また、手首をひねらず順手で引き出せるほうが子どもには使いやすいです。

その他

作品類は時期が来たら見直しを

工作で完成した作品は立体と平面に分けて、とりあえずボックスに入れておきます。それぞれボックスがいっぱいになったら、中を見直し、いらない物は処分するサイクルに。

工作グッズはひとつにまとめて

ペンや色鉛筆は買ったときのケースに入れたままだと、使うのもしまうのも面倒。この「工作グッズ」のボックスごと作業をする場所に持っていき、また定位置に戻すだけなので片づけも早い!

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教えてくれたのは

水谷妙子先生
無印良品で生活雑貨の企画・デザインを担当し、2018年に整理収納アドバイザーとして独立。著書に、『水谷妙子の片づく家 余計なことは 何ひとつしていません。』(主婦と生活社)など。小4の長女、小1の長男、年中の次男の3児の母。

『めばえ』2022年11月号 撮影/平田貴章 デザイン/島寿・飯坂祐子(ビーワークス) 文/古川はる香 構成/童夢

親と子をつなぐ、2・3・4歳の学習絵本『めばえ』。アンパンマン、きかんしゃトーマスなど人気キャラクターと一緒に、お店やさんごっこや乗り物あそび、シールあそび、ドリル、さがしっこ、めいろ、パズル、工作、お絵かきなど、様々なあそびを体験できる一冊。大好きなパパ・ママとのあそびを通して、心の成長と絆が深まります。

再構成/HugKum編集部

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