子どもを理系脳にさせるには?キッズ食育マスターが薦める3歳からできるお手伝い

「私は文系だから無理」と思うお母さんもお子さんを「理系脳」に導くことはカンタンにできちゃいます!実は、毎日の料理はまさに科学。お子さんにどんなお手伝いをしてもらったら、理系脳が育まれるのかキッズ食育マスタートレーナーの石井が詳しくお伝えします。

 理系脳とは?

理系脳とは、理系的思考ができることをいいます。

現代社会が求める理系脳は

しかし、これからの社会が求める理系脳とは、「問題解決能力」や、「論理立てて物事を考える力」と言われています。

「問題や課題に直面した時に、自分の力で考え、試行錯誤しながら発展させていく」能力は、決して数学やプログラミングに強いなどの能力を指すものではありません。つまり、自分の頭で考えて、ひらめきを得られるような力です。

参考:ヒューマンアカデミー こども教育総合研究所

これからの社会の中で必要とされているこの「理系脳」は、生活に密着する「食べること」でも育むことができます。

お手伝いで、楽しく数字と仲良くなろう

私自身が薬剤師ということもあり、どちらかというと理系脳。

それゆえ、我が家の9歳、7歳の子どもたちとは、次男が3歳くらいのころから、キッチンや食卓で簡単な取り組みをしてきました。

「理系脳を育てる」と聞くとなんだかムズカシそう…と感じるかもしれませんが、そんなことはありません。

3歳くらいの子の場合

「みかんを3つとり出す」ということだけでも、数字と仲良くなるきっかけになりますす。

そんなことで?と思うかもしれませんが、楽しく継続することで子どもたちは数字を自然と学んでいってくれるのです。

5~6歳の子の場合

5歳児、6歳児くらいになると、一人何個食べられるか?がわかるようになる子もいます。
例えば、パンを1人2つ食べたい。家族4人で何個必要か?という考え方です。お皿に分けたり、並べてみたりすることで、視覚的にわかりやすく、感覚的に理解できるようになります。

料理は、科学だ!

よくよく考えると、料理って、数字にあふれています。それゆえ、小さいうちから、お手伝いをしてもらうことで、理系脳になりやすいのです。

例えば、コップ一杯の水が何mlくらいなのか、リンゴ1つは何gくらいなのか?うどんを茹でるためには水は何Ⅼ必要か?正確な数字が分からなくても、「感覚的に」知っているというのは、とてもいいことだと思います。なので、計量のお手伝いをお願いしてみましょう。

料理から「量的感覚」が身につけよう

私はキッズ食育マスタートレーナーとして青空キッチン、食育イベントを企画しているのですが、子どもが大好きなお手伝いの一つに、「計量」があります。

計量カップ、計量スプーン、スケールといった「計る」という作業は子どもたちがとてもワクワクする楽しいお手伝いなのです。

大人であれば、「まぁ、少しくらいずれてもいいか!」と思うところでも、子どもたちはピッタリ合わせることが楽しく、達成感を味わえる瞬間。

ぜひ、一生懸命微調整しているお子さんには応援する言葉がけを、正確に測ろうとしたことへの労いの言葉をかけてあげてくださいね。

 料理には、不思議がいっぱい

料理をしていると、大人が「当たり前」と思うことも、子どもにとっては不思議なことがたくさんあります。

例えば、硬かったマカロニが、茹でると柔らかくなること。

水溶き片栗粉を加えるととろみがつくこと。

幼児期に理由を正確に知る必要はないと思いますが、「面白い!」「なんでだろう?」というワクワクした気持ちを持つことで、その後の探究心や興味関心の幅の広がりにつながります。

そう、料理は科学的に捉えられる側面がたくさんあるのです。

ドレッシングを振るお手伝い

オイル入りのドレッシングをお子さんに振ってもらってください。振り終えた直後は水と油が混ざりますが、時間が経つと分離してしまいますよね。「油とお水は仲が悪いんだね」「他のドレッシングも油が上だね!」など、目で見たことを言葉で表現し、一緒に観察してみてください。おもしろい!と思った子は、先ほどよりもたくさん振ってみたり、違うドレッシングで試したりと、さまざまな挑戦へと発展していくでしょう。

お肉を焼くお手伝い

生肉をフライパンで焼くと色が変わりますよね。

お子さんと「何色になるかなぁ?緑かなぁ?黄色かなぁ?黒かなぁ?」とワクワクした声掛けと共にフライパンの中の様子を観察するのもおすすめのお手伝いです。

「予測する」という力は「どうしてだろう?」と疑問に持つきっかけにもなります。キッチンのガス台は少し高さが高いかもしれませんが、寒いシーズン、食卓でのお鍋でも「お肉の色が変わる実験」ができそうですね。

一番身近な「食」で興味関心を広げよう

子どもは常に「初体験」の連続です。その時に、大人も初めての感情を思い出し、「みてみて!!」「わー!色が変わったよ!」「ふしぎだねー!」のこの言葉がけだけで子どもの興味をぐっと引き寄せることができます。そこから、年齢に応じて、絵本や図鑑を読む、インターネットで調べるなど、深く考えるきっかけになるといいですね。

また、料理の一番いいところは、最後に「出来た!」で終わるところだと思っています。そして、お手伝いしたことを感謝してもらえることも達成感につながります。「○○ちゃんがお手伝いしてくれたから美味しくできたね!」と讃えてもらえたら、その記憶は心にも深く刻まれますよね。

毎日当たり前にある「料理」は子どもにとっての新発見がたくさん詰まった宝箱のようなものです。忙しい日々で、「流れ作業」「義務」となってしまいがちの食事作りですが、簡単なことでもワクワクしたはたらきかけをすることで、「理系脳を育む」と言うことを意識してみてもいいかもしれません。

この記事を書いたのは…

石井千賀子|キッズ食育マスタートレーナー/青空キッチン大田区久が原校主宰/薬剤師
東京都大田区在住。2児(小3・小1)の母。
出産後、薬剤師として医療に携わる中で、子どもたちの心身の不調が増えていることに気づく。また、自身の子どもの喘息・アトピー性皮膚炎など、子どもの健康に不安を感じることが増えた。どうしてなのかと考え着いた先は、体を作る土台となる「食」。たくさんのことに興味関心をもつ幼児期に「食選力」を身につけ、自分の身体、そして将来、大事な人の身体も大切にできる大人になってほしい。その想いで、キッズ食育マスタートレーナーとして青空キッチン、食育イベントを大田区を中心に開催している。

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