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「節分の豆、5歳以下には食べさせないで」消費者庁の訴え
- 消費者庁が2021年1月に発表した資料によれば、2014年から2019年までの6年間に、食品を誤嚥(ごえん)して窒息したことが原因で14歳以下の子どもが80名死亡したそうです。そのうち5歳以下が73名で、なんと9割を占めています。
- 奥歯が生えそろっていない幼い子は、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではないため、豆やナッツ類を食べると、のどや気管に詰まらせて窒息したり、肺炎を起こしたりするリスクがあります。消費者庁は、硬くてかみ砕く必要のある食品は、5歳以下の子どもには食べさせないよう訴えています。
- *消費者庁発表資料。令和3年1月20日
実際に起きた、幼児の豆やナッツの誤嚥事故
消費者庁は、実際に起きた事故の事例も紹介しています。
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乾燥豆3個を食べた時にせき込み、5分後にかみ砕いた豆とともに血を吐き出した。病院を受診し、検査では明らかな症状と所見は認められず、誤嚥の疑いと診断された。(2歳)
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上の子が食べていた枝豆を欲しがり、5~6粒を頬張ったところ、激しくせき込み始めたため救急受診した。気管支異物の存在を疑いCT撮影したところ、左気管支に異物を認めた。集中治療室にて全身麻酔下で枝豆1/2粒を除去した。約1週間後に退院となった。(1歳)
- ピーナッツ味噌を4~5粒食べ接種後むせこみゼイゼイ音がしていた。緊急気管支鏡下気道異物除去術を行い5日間入院。(4歳)
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アーモンドを子どもに食べさせていた。口内に残したまま歩行中、もっと欲しがって泣いたところ、むせて咳き込んだ。その後もゼイゼイした感じがあり受診した。右気管支異物により入院6日間。(2歳)
*「消費者庁 子どもを事故から守る!」公式ツイッター 様々な子どもの事故防止に役立つ情報を随時発信しています。
いざ、という時のために知っておきたい応急処置「背部叩打法」「腹部突き上げ法」
異物が気道に入ってしまうのが「誤嚥(ごえん)」です。豆やナッツなどの丸くて硬いものは、そのまま吸い込むと気道をふさいでしまい、窒息するなどして命に関わるのです。
躊躇せず下図のどちらかの方法でつまったものを出させましょう。それでも出てこない場合は、救急車を呼びます。異物が出た後もせきこんだり息苦しそうだったりする場合は、異物が残っている可能性もあるので病院へ行きましょう。
背部叩打法
立てた膝の上に子どもをうつぶせに寝かせ、肩甲骨の間を強く数回たたく。
腹部突き上げ法
背中側から両腕を回して片方の手でこぶしをつくり、みぞおちの下から上へ向けて圧迫する。
0〜2歳児が誤飲・誤嚥をしたときの応急処置はこちら
恵方巻にもご用心!海苔は幼児には噛みきりにくい食品です
消費者庁は、恵方巻にも注意を喚起しています。恵方巻の具材の中には、普段食べ慣れていないものも入っている場合もありますよね。小さな子どもが口に詰め込む状況にならないように、小さく切り分け、飲み物も用意した上で、落ち着いてよくかんで食べられるように工夫しましょう。
パクっと食べやすいミニトマト・ぶどうの誤嚥にも注意!
ミニトマトや大粒のぶどうのように、丸くて表面がツルツルした食べ物も、子どもの喉の奥にスルッと入り込み、窒息してしまうことがあります。ミニトマトやぶどうなどは、「幼稚園や保育園などで『給食での提供を避ける食品』」とされています。
節分は厄を払い、新年を祝う儀式です
元来、節分に行う豆まきは、季節の変わり目に起こりがちな病気や災害を鬼に見立て、それを追い払う儀式。そう、厄を払い新年の幸せを願う行事なのです。事故を招くような縁起の悪い日にならぬよう、留意して過ごしたいですね。
構成/Hugkum編集部