「ママがボタンを押しただけで大号泣!」これってなんで? 理由は0〜4歳は秩序の敏感期だから【おうちでできるモンテッソーリ】

シリーズでお送りしているモンテッソーリ教師あきえ先生による「おうちでできるモンテッソーリ教育」。モンテッソーリ教育の中で0~6歳で見られると言われる「敏感期」という期間について、前回からお話を聞いています。今回はその中の「秩序の敏感期」にまつわるお悩みと、子どもとのかかわりかたについてお話を伺いました。

「いつもと同じ」に強いこだわりを見せる「秩序の敏感期」

前回の記事では、言語に対して強いこだわりを見せる「言語の敏感期」についてお話しました。

※敏感期全体についてはこちらの記事をチェックしてくださいね。

秩序の敏感期は、0~4歳前後の子どもに見られ、その中でも特に強く表れるのは、1歳半~3歳くらいの頃です。その年頃のお子さんがいるママやパパからは、下記のような声をよく聞くことがあります。

ママが座る席にパパが座ってごはんを食べようとしたら「そこはママ!」と大騒ぎ。席を変わるまで、食事をしてくれません。
エレベーターに乗った時、同乗していた方がボタンを押して下さったのですが、「ぼくがおすー!!!!」と言って大泣きします。良かれと思ってやってくれたので、とても気まずかった…。
自転車で幼稚園に行く際、工事をしていたので、違う道を通って行こうとしました。「ママ、こっちはちがう!」と言ってチャイルドシートに座りながら足をバタバタ!バランスを崩して倒れそうになり、ヒヤッとした。

秩序の敏感期である子どもは、自分がいる環境での「当たり前」という秩序を自分の中に確立するため、エネルギーが強く表れます。まさにこの3つのお声にあるような行動が見られる時期なのです。「いつもと同じ」ことで、子どもは安心することができます。

子どもがわかりやすく声を上げることもあれば、「理由はわからないけど、なんとなく機嫌が悪い」時も、何か気になったことがあった可能性があります。

3つのお声のようなことがあった場合、具体的にどのように子どもとかかわるのがいいかをお伝えしていきますね。

お悩み①いつもと違う人が席に座る

子どもは「ここはお母さんが座る席」「ここはお父さんの席」などと誰がどこに座るのかを日頃の経験から学び、覚えています。そのいつも同じであることが、安心と落ち着きを子どもにもたらしてくれます。突然変わると、「だめ!」「そこはママ!」と大騒ぎすることもありますよね。
そのような時は、まずその気持ちを受け止めましょう。その上で今日は違う人が座ることとその理由をお伝えするのがおすすめです。

子どもへの声かけ具体例「そこはママのお席だよって教えてくれてるんだよね」

「今こっちのお席が座れないから、今だけ貸してもらうね」

「そっか。ママに座ってほしかったんだね」

「今日はここで食べたいからここに座るね」

このようなお伝えしても納得できなかったり、どうしても嫌がる場合は、可能であればいつも通りの席順に戻すこともおすすめします。そうすることで、安心して過ごすことができます。

お悩み②ボタンを押したかったと大泣き

やりたかったことができなかっただけでも悲しいですが、それがいつものルーティンでだと尚更ですよね。そのような時もまずは、気持ちを代弁した上で、代替え案を示すのがおすすめです。

子どもへの声かけ具体例

「そっか。押したかったんだよね。ごめんね」

「そしたら、扉が開く時にひらくのボタン押してくれる?」

しかし、このように代替案を示しても、すぐに納得できないことも多いですよね。そのような時は、時間に余裕があれば「もう1回戻ってやる?」ともう一度やることを提案するのもいいですね。ただ、そのような対応ができる時ばかりではないのも現実です。気持ちを十分に受け止め、「〇〇くんには、別の楽しいことをお願いしてもいい?」など楽しい気持ちで他の役割をつくるかかわりをしてみるのもおすすめです。

お悩み③いつもと違う道を通ったら怒る

大人からするとなんともないことでも、子どもにとっては大事になるのがこの「秩序の敏感期」の時期です。このような時は、事前にアナウンスをすることを次回から意識したいですね。

子どもへの声かけ具体例

「今日は、郵便ポストにお手紙出して行きたいから、こっちから行くね」

「今日は工事をしているから、向こうから行くよ」

しかし、いつも事前に言える時ばかりではありません。事前アナウンスができず、怒り出してしまったら、まずはこれまでのケース同様まずは気持ちを受け止めましょう。その上で、「工事をしていて通れなかったからだよ」などと理由を伝えましょう。来た道を戻れるのであれば戻った方が大人も子どもも気持ちよく、そしてはやく目的地に辿り着くなんていうこともあります。
もし戻れない場合には、「次からは先にお伝えするね。急に変わってドキドキしたよね。ごめんね」と寄り添っていきましょう。

秩序の敏感期を理解して子どもと向き合おう

「こんなちょっとしたことで!」と、イライラしてしまいがちなことも、秩序の敏感期を知っていると知らないでは、ママやパパの気持ちが大違い! 「いつもと同じことが落ち着く時期なんだな」と思って子どもと接することで、心に余裕が持てますよね。「いつもと同じ」をキープできないことがあらかじめ分かっている場合には、事前にアナウンスする、時間にゆとりを持つなどの対処を。ママやパパも気がつかないところで、秩序の敏感期が発生した時は、「嫌だったんだね。気がつかなくてごめんね」と、子どもに寄り添う言葉をかけてあげるのがおすすめです。

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記事監修

国際モンテッソーリ教師(AMI)
モンテッソーリ教師あきえ

幼い頃から夢見た保育職に期待が溢れる思いとは裏腹に、現実は「大人主導」の環境で、行事に追われる日々。そのような教育現場に「もっと一人ひとりを尊重し、『個』を大切にする教育が必要なのではないか」とショックと疑問を感じる。その後、自身の出産を機に「日本の教育は本当にこのままでよいのか」というさらなる強い疑問を感じ、退職してモンテッソーリ教育を学び、モンテッソーリ教師となる。「子育てのためにモンテッソーリ教育を学べるオンラインスクール Montessori Parents」創設、オンラインコミュニティ”Park”主宰。2021年1月に初著書「モンテッソーリ教育が教えてくれた『信じる』子育て」(すばる舎)、2022年3月に「モンテッソーリ流 声かけ変換ワークブック」(宝島社)を出版。

モンテッソーリ教師あきえHP

あきえ先生主宰オンラインスクールMontessori Parents

取材/本間綾

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