アンゴラはどんな国? ナミブ砂漠、ダイヤモンド、意外に高い物価など基本データをチェック【親子で学ぶ世界地理】

アンゴラはアフリカ南部にあり、大西洋に面した国です。かつてポルトガルの植民地であり、長いこと内戦が続いていた国でもあります。ダイヤモンドや石油などの資源が豊富で、発展してきた歴史もあります。そんなアンゴラの基本情報から観光地などの見どころなどをご紹介しましょう。
<画像・アンゴラの首都ルアンダの街>

アンゴラってどんな国?

アフリカ南部の大西洋側に位置するアンゴラ。アンゴラ独立に向けた戦争が続き、1975年にポルトガルから独立したのですが、その後も2002年まで長いこと内戦が続いてきた歴史があります。

また、日本の3倍以上の国土を持つアンゴラは、石油やダイヤモンドなどの資源が豊富にあります。そんなアンゴラについて、順に見ていきましょう。

アンゴラ基本情報

まずアンゴラの基本情報から確認しましょう。

国名

アンゴラ共和国

首都

ルアンダ(Luanda)

場所

アンゴラがあるのはアフリカ南部の大西洋岸。北はコンゴ共和国とコンゴ民主共和国、東はコンゴ民主共和国とザンビア共和国、南はナミビア共和国、西は大西洋に面しています。

大西洋に面した海岸線は1,650㎞あり、ルアンダ港、ロビト港、ナミベ港といった主要な港があります。

日本との時差

8時間(日本の方が8時間進んでいます)

面積

124万7000平方km
日本の総面積は37万8000平方㎞なので、アンゴラは日本のおよそ3.3倍の広さがあります。

エリア

アンゴラには18の州があります。首都ルアンダがあるのはルアンダ州。

人口

約3080万人(2019年の世界銀行のデータ)
日本の人口は1億2477万人(2023年1月1日時点)。アンゴラの人口は、日本の人口のおよそ4分の1にあたります。

言語・公用語

ポルトガル語(公用語)、その他ウンブンドゥ語など

通貨

クワンザ(KZ)
1クワンザ=約0.26円(2023年2月8日時点)

宗教

在来宗教(約50%)、カトリック(約40%)、プロテスタント(約15%)

アンゴラの国旗

歴史

アンゴラはかつてポルトガルの植民地でしたが、長い間独立に向けた武力紛争が続き、最終的に1975年11月11日に独立した歴史があります。しかし独立後はおよそ30年近くにわたる内戦が続き、2002年4月4日に停戦しました。

1483年 ポルトガル人が到達
16世紀中葉 ポルトガルが海岸地方を支配
1951年 ポルトガルの海外州となる
1950年代から 民族運動台頭
1975年11月11日 MPLA(アンゴラ解放人民運動)がアンゴラ人民共和国の独立宣言
ネト大統領就任
1979年9月 ネト大統領病死、ドス・サントス大統領就任
1991年5月 アンゴラ包括和平協定調印(ビセス合意)
1992年9月 初の民主的大統領及び議会選挙
1994年11月 ルサカ和平協定調印(政府軍とUNITA(アンゴラ全面独立民族同盟)軍間の和平協定)
1997年4月 統一国民和解政府樹立
2002年4月4日 停戦合意に関する覚書の署名

天気・気候

アンゴラには、10月から4月にかけて暑くなる雨季と、5月から9月にかけて訪れる乾季があります。

さらに沿岸部と内陸部で気候を分けることができます。沿岸部は年間平均気温が23℃以上で湿度も低い気候。内陸部は、北部が高温多雨、高地部は乾季の気温が低くなり、南東部は半乾燥地域です。

アンゴラの治安・住みやすさ

大西洋に臨む港町でもある首都ルアンダ

アンゴラの治安や住みやすさはどうでしょうか。

治安はレベル1~2

外務省「海外安全ホームページ」によると、2022年2月8日時点で、アンゴラの危険レベルは1または2。都市部を中心に内戦からの復興が進んでおり、南部アフリカの中では政治的に安定している国です。しかし強盗、スリ、ひったくり、車上荒らしといった犯罪は日常的に発生しています。

また内戦中や内戦終結後に流入した避難民などの低所得者層によるスラム街もあり、凶悪事件が発生する危険もあります。また地方部や主要幹線道路以外では、地雷が残されている可能性もあります。

住みやすさは良くない

南部アフリカの中では政治的に安定しているとはいえ、外務省が危険レベルを1または2と発出している国です。まだインフラもあまり整っておらず、治安面にも不安が多く、住みやすい国とは言えないでしょう。

またアンゴラは、さまざまなものを海外から輸入していることから、アフリカとは思えないほど物価が高いことで知られています。そんな物価の面でも、住みにくい国のひとつと言えるかもしれません。

アンゴラの見どころ・観光

アンゴラの観光スポットや見どころをご紹介しましょう。

カランドゥラの滝

アフリカで2番目に大きな滝として知られるカランドゥラの滝。ルアンダから360㎞離れた場所にあります。落差が105mあり、迫力がある様子を見ることができます。特に雨季には水量が増すため、さらに迫力もアップします。

ミラドゥーロ・ダ・ルーア

アンゴラの首都ルアンダから60㎞ほど離れた南部にあるミラドゥーロ・ダ・ルーアは、切り立った崖や地層が美しく見えるスポット。地層がくっきりと見えて、その美しいコントラストは自然が作り出した芸術品。周辺には何もない場所ですが、アンゴラを代表する観光スポットで一度は立ち寄る価値があります。

ナミブ砂漠

アフリカといえば砂漠。というわけでご紹介したいのが、アンゴラにある世界最古といわれるナミブ砂漠です。アンゴラから南アフリカの北端まで、1288㎞もの広大な広さがあり、世界遺産にも登録されています。「ナミブ」とは現地の言葉で「何もない」という意味なのだそう。

ナミブ砂漠のオレンジ色は、砂に鉄分を含みそれが酸化しているため。

ナミブ砂漠の砂はオレンジ色なのが特徴的。果てしなく続く砂丘はまさに絶景。神秘的とさえ思うような、アフリカの砂漠を体感できるはずです。

キッサマ国立公園

アフリカの豊かな自然を感じられるのが、ルアンダから80㎞ほど離れたところにあるキッサマ国立公園。長く続いた内戦などの影響で、多くの野生動物が生存の危機にさらされてきましたが、保護団体などの努力により以前より回復してきていると言われています。

キッサマ国立公園では、アフリカゾウ、シマウマ、キリンといった動物や、野鳥などが生息していてサファリツアーを楽しめます。

アンゴラの特徴・有名なもの

アンゴラといえば、世界的に良く知られるのが石油やダイヤモンドといった資源と、物価の高さなどです。

日本より高い物価

アフリカは物価が安いと思われるかもしれませんが、アンゴラの物価、とくに首都ルアンダではそのイメージは当てはまりません。内戦によって農業や製造業などの産業が壊滅的になったことから、食料や資材などのあらゆるものを海外輸入に頼ることとなり、そのため物価が高くなったのです。

ルアンダは「物価の高い都市」の世界1位(マーサージャパンの「 2017年世界生計費調査」リリースより)

「世界生計形費調査」で、ルアンダは2010年から6回も「物価の高い都市」の世界1位にランキングされたことがあります。過去には、キャベツ1個が2000円近くすることもあったとか。

石油・ダイヤモンド

アンゴラは豊かな資源がある国です。石油については、世界トップクラスの産油国であり、アンゴラの経済成長を大きく推進しました。またダイヤモンドや金、銅、鉄鉱石なども発掘されています。

アフリカの資源大国アンゴラ

アフリカで石油やダイヤモンドなどの資源を有するアンゴラ。ポルトガルの植民地だったことからアンゴラ独立戦争が勃発したり、また独立した後も長いこと内戦が続いたりしてきた歴史があります。

そんなアンゴラは、ミラドゥーロ・ダ・ルーアやキッサマ国立公園、ナミブ砂漠などの見どころもたくさんある場所です。アフリカの地図を眺めながら、そんなアンゴラについて想像してみるのも面白いかもしれないですね。

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文・構成/HugKum編集部

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