【子どもと陶芸体験】自宅のオーブンで焼けちゃう!「オーブン陶土」を使って作品作りを楽しもう♪

「陶芸を体験してみたいけれど難しそう」「小さい子どもでもできる陶芸はないかな?」「親子で作品を作りたい」そんな方におすすめ!
陶芸は通常専用の窯が必要ですが、自宅のオーブンを使って焼ける「オーブン陶土」というものがあります。

普段は陶芸家としても活動している筆者が、ご家庭でも簡単に陶芸作品が作れる方法をご紹介します。

オーブン陶土って?

陶芸は通常、陶芸用の粘土で形を作り、乾燥させたあと700800℃で焼成、その後釉薬といううわぐすりで色を着けて12001300℃でもう一度焼くという工程があります。高温で焼くため、特別な窯が必要です。けれども、もっと手軽に陶芸を楽しみたいという方には、自宅にあるオーブンを使って低い温度で焼くことができる粘土、オーブン陶土がおすすめです。オーブン陶土は樹脂が入っていて、低温で焼いても強度が得られるようになっています。

今回使うのはヤコのオーブン陶土(工作用)。ホームセンターや手芸店などで販売されています。

オーブン陶土を使って成形

今回はこのオーブン陶土を使って、2歳の子どもと一緒に小さなお皿と小物を作ってみました。

※小さなお子さんといっしょに作業をするときは、オーブン陶土を口に入れたりしないよう、大人が目を離さないようにしましょう。

用意する道具はクッキー型と竹串、そして麺棒。どれも100均で売っているものでOKです。

まずは粘土を少し取り出し、麺棒で伸ばしていきます。本格的な陶芸ですと、まず土を練る必要があるのですが、オーブン陶土は捏ねずにそのまま使うことができます。扱いやすく、子どもたちが幼稚園や保育園で普段使っている粘土と同じように使えます。


麺棒を転がして粘土を板状にしていきます。あまり薄くしすぎると割れてしまうので、58ミリくらいの厚さになるとよいと思います。


伸ばし終わったら、クッキー型を使いクッキーを作る時のように型抜きしていきます。2歳の娘もはりきってウサギやネコの型を押していました。

型から粘土を剥がすときは、こわれないように慎重に…

型を使わず、竹串で自由に絵を描いてカッターやヘラなどで切り取る方法もあります。

小皿サイズのネコ型を描いてみました。

表面には竹串や楊枝で顔を描きます。力を入れすぎるとこわれてしまうので、そっと引っ掻くように描きます。

周りのギザギザになっている部分は指輪でそっとなでていくと綺麗になるので、しっかり整えておきます。水をつけてもつやつやになりますが、つけすぎるとベタベタになるので少しずつにしておきましょう。

端を少し曲げて上げるとお皿になります。

そのままだと重さで落ちてきてしまうので、少し粘土を下に置いてこのまま乾燥させます。下に置いた粘土の支えは乾燥すると取れるので、形などは気にしないでOK

板状の粘土を好きな形に切り取って筒状に丸めると、ペン立てなどの立体的なものも作ることができます。

しばらく粘土を使っていると、乾燥してきてこのようなひび割れがおこることがあります。

このままにしておくと、出来上がった作品もひび割れたものになってしまうので、指でこすったり、水を少しつけたりしてしっかりすべすべになるまで直しておきましょう。あまり力を入れすぎると形が変わってしまうので、優しくていねいに作業してくださいね。

また、使わない粘土は乾燥しないようにラップや濡れタオルで覆っておくようにするとよいかと思います。

成形のあと、乾燥して焼成

さて、子どもと一緒にオーブン陶土を使ってたくさんの作品ができました。

このあとしばらく置いて作品を乾燥させます。

今回のような小さなものだと23日、大きめの作品は1週間ほど置いておきます。しっかり中まで乾燥させずに焼いてしまうと焼いた時にヒビが入ってしまうこともあるので、特に寒い季節や梅雨の時期などは長めに乾燥時間をとっておくと安心です。

乾燥すると色が少し薄くなります。この時点ではまだ脆いので、取り扱いに注意してください。

このあと160180℃のオーブンで3060分ほど焼きます。今回は小さな作品なので160℃で30分焼きました。

焼きあがったら完成です!焼きたては熱いので冷めてから取り出してくださいね。

色が少し茶色くなっていい風合いが出ました。やきものとしての実用強度も出たので、このまま使用できます。

絵の具で色付け

そのままの色を楽しんでもよいのですが、アクリル絵の具や油性ペンなどでなどで色付けすることもできます。

アクリル絵の具は乾くと取れなくなるので、小さなお子様と使用する時はお気をつけください。

娘も小さな作品に好きな色を塗っていました。

色付け完成です!

このあと水性アクリルニスを塗って仕上げました。ニスを塗ると表面がつやつやになります。

食器として使用したい場合は、焼きあがった後に食器対応用の耐水コート剤を塗ることで防湿、防水加工でき、色落ちも防止できます。

完成した作品を日常で使おう

クッキー型で作った上の4つの作品は、裏にブローチピンをつけてアクセサリーとして活用できます。また、下のものは箸置きにしても。

娘の作ったクマと私の作ったオリジナルキャラクター。

筒状のものはペン立てや歯ブラシ立てとして使えます。

アクセサリーを置く小皿に。日常で自分の作品を使えると愛着もわきますね。

手軽に陶芸体験を

専用の道具もいらず、おうち時間を気軽に楽しめるオーブン陶土を使った陶芸。今回は2歳の子どもと一緒に作ったので、作りやすい小さな作品にしましたが、大きなお皿やコップなども作ることができます。ぜひオリジナルのうつわやアクセサリーなどを作ってみてくださいね。

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文・構成/酒井千佳

酒井千佳
フリーキャスター、気象予報士、保育士。
京都大学 工学部建築学科卒業。
北陸放送アナウンサー、テレビ大阪アナウンサーを経て2012年よりフリーキャスターに。
NHK「おはよう日本」、フジテレビ「Live news it」、読売テレビ「ミヤネ屋」などで気象キャスターを務める。
現在は株式会社トウキト代表として陶芸の普及に努めているほか、2歳からの空の教室「そらり」を主宰、子どもの防災教育に携わっている。

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