爪をかむクセがなおらない小2の娘。わたしの愛情不足?どうしたらやめさせられますか【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴半世紀あまり。常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

小学2年の娘が、気づくと爪をかんでいて、なかなかこのクセがなおりません。小学校に上がってからは、指の爪を切った記憶がないほどです。ささくれなどの手荒れもあります。爪をかむクセは、愛情不足が原因だと聞いたことがあります。実は母子ふたりぐらしです。私が働いているため、一緒にいる時間が少ないことが影響しているのか?と心配になります。どのようにしてやめさせたらいいでしょう?

本人が恥ずかしいと感じたらやめるはず。愛情不足が気になるのなら、ふれあう時間をもっと増やして

爪をかむクセを持っている人は結構いますよね。子どもばかりでなく、大人でも。自分の爪だし、誰に迷惑がかかるわけでもなし、目くじら立てて今すぐやめさせるものでもないでしょう。

そういえば、いつも爪をかんでいたと印象がある友人に電話して聞いてみました。

「昔、爪切りいらないくらい、かんでいたわよねぇ?」と聞くと、なんと「えー!? あらそうだったかしら?」と返ってきました。驚いたのは私のほうです。かんでいたことも覚えていないくらいですから、なんでかんでいたのかも、いつやめたのかもわからないというのです「たしか妊娠していたときだと思うけど」「不安定だったのかしらね」と実感のない会話でした。

次に、小学校2年の頃に爪かみをしていたと覚えている知人に聞きました。彼女はシンプルに「手持ちぶさただったから」という返事です。いつやめたかは記憶にないけれど、きっかけは「爪の先がギザギザになるのが気に食わなくなったから」だったそうです。手持ちぶさたの手の行きどころは、爪かみから唇の皮をむくことに移行し、髪の毛を抜くこともあったそうです。そして「精神不安定の時とは思えない」と言い切りました。

二人の大人たちと話しているうちに、自分のことも思い出しました。小学校低学年の時は、鉛筆を折っていました。やがて、眉毛を抜いてほとんどない状態でした。

私の場合は手持ちぶさたと多少のイライラがあったような気がします。でも、そんなささやかなことで気分が落ち着いたのですからありがたいことです。

無意識のクセの場合も。恥ずかしいと思うようになれば自然とやめるはず

娘さんの爪かみは、始めはもしかしたら不安感やストレスだったかもしれません。けれど、今はクセになって無意識なのではないでしょうか。無意識のクセを指摘されて、意識的になおさなければならないなんて、誰が考えても大変なことです。

愛情不足とかストレスが原因と言われると、自分に責任があるように思えてつらくなってしまうでしょう。でも、子どもはお母さんのせいだなんて思ってもいません。

愛情不足かもしれないことに気が引けるようなら、お子さんのクセはさておき、お母さんが意識して娘さんとふれあう時間を持ってはいかがでしょう?

本人が爪かみのクセを、恥ずかしいとかみっともないとか、思うようになればやめると思います。でも、やめる必要性がないうちはやめないのではないかしら。今はネイルアートが流行っていますよね。あれ学校が休みの時にやってみたらどうかしら? おしゃれ好きならば、キレイにしている爪を口に入れなくなるかもしれません!

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記事監修

柴田愛子|保育者・自主幼稚園「りんごの木」代表
自主幼稚園「りんごの木」代表。子どもの気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて47年。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。「りんごの木子どもグラブ」https://ringono-ki.org/top.htm

イラスト/海谷泰水

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