わがまま・短気な性格で、友だちが離れていくのではないかと心配
娘はわがままで短気な性格です。友だちの前でも嫌なことがあったり、思い通りにいかなかったりすると怒ります。先日、女の子3人で遊んでいたところ、たまたま娘以外の2人が同じものを持っていて「おそろいだね」と話していました。すると娘は「仲間外れにされた!」「自慢された!」と怒るのです。このままでは娘から、友だちが離れていくと思います。いくら言い聞かせてもわからないので、友だちが離れていく経験を一度させたほうがいいのでしょうか。親としては、そうなる前に本当はわかってほしいのですが…。(2年生の女の子のママ)
友だち関係のトラブルは、子どもを成長させます
今の子どもたちは、早くから空気を読んだり、忖度したりする能力を持っている子もいますが、自分の気持ちに向き合っていません。
本来、子どもは、友だちとのトラブルがつきものです。大事なのは、トラブルを起こさないことではなく、トラブルを起こしながらも「どうしたらいいか?」自分で考えていくことです。自分の気持ちに正直に向き合い、人の気持ちも感じていくことで、つきあい方を学びます。
お母さんの予測通り、いつか友だちが離れていくかも知れませんが、子どもにはそうした経験も必要です。トラブルは子どもを成長させます。無いよりあった方がいいとさえ思います。言い聞かせてわかることは、ほとんど無いと思った方がいいです。
家庭内では、つらい気持ちを吐き出せる場所を作ってあげて
お母さんは、娘さんのことをわがままで短気な性格と言いますが、言い換えれば自分の気持ちや意見をハッキリ伝えられる子です。
この先も、いろいろなトラブルがあるかも知れませんが、お母さんは温かい目で見守ってください。お母さんが意見をしたり、叱ったりする必要はありません。
娘さんが、つらいときに気持ちを吐き出せる場所を家庭の中に作ってあげるだけで十分です。自分の思い通りにいかず怒ったり、泣いたりしながら、だんだん気持ちのコントロールができるようになります。
教えてくれたのは
保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。
イラスト/海谷泰水