虫の絵本おすすめ17選|子どもに人気の虫の絵本や図鑑をプロが厳選&解説!

PR

JPIC読書アドバイザーの児玉ひろ美さんと編集部が、虫の絵本や図鑑を厳選。虫好きの子へのプレゼントにぴったりな絵本を、小学館の児童誌掲載の人気コラムなどからピックアップしました。読み聞かせのコツも伝授します。

虫の絵本おすすめ

【1】『はらぺこあおむし』

エリック・カール/作 もりひさし/訳 偕成社

◆こんな本

少し読み聞かせに慣れてきたころ、言葉や遊びの延長としての絵本から、お話を楽しむ絵本への移行にぴったり。判型が大きいので、最後まで持ち通せるように、練習をきちんとしておきましょう。食べ物の名前が連なるところは、指さしをしながら読むとよいでしょう。

◆対象年齢

2歳~

◆ママパパの口コミ

「あおむしが一度に沢山食べるところが面白くてそのページを何度も読みました。」(30代・神奈川県・子ども2人)
「子どもたちは楽しそうで、5歳の子供は穴に指を入れるのを繰り返しやっていました 2歳の子供はちょうちょが言えるようになりました」(30代・千葉県・子ども2人)

 

『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』

【2】『だんまり こおろぎ』

エリック・カール/作 工藤直子/訳 偕成社・ボードブック

◆こんな本

「音じゃないよ 声だよ!」 4歳児クラスのお話会の最中にM君の声が響きました。すると、隣にいたSちゃんが「♪ああ、おもしろい、むしのこえ♪だよね」と歌います。ほかの子からも、「声だよね」、とっさに「そう、そうね。声にしようね」と、次からのくり返し場面では「おと」を「こえ」に読み替えてお話を読み進めました。幸い、最終ページの電子チップの虫の声が功を奏して、子どもたちからは拍手喝采を得ましたが、10年以上たった今でも印象的な『だんまりこおろぎ』に関する冷や汗エピソードです。

◆対象年齢

3歳、4歳、5歳、6歳

◆ママパパの口コミ

「最後に音が鳴って喜んでいました」(30代・茨城県・子ども3人)
「とても好きなようで、何度も『読んで』と持ってくる。 お友達からもらった物で、最後のページの音が鳴る機能が壊れていて聞けてないので、それが聞けてたらまた違う反応が見れたかもしれない。」(30代・福岡県・子ども2人)

 

『新幼児と保育』2018年10・11月号

【3】『ぼく、だんごむし』

得田之久/作 福音館書店

◆こんな本

まるで、ダンゴムシが自己紹介をするように生態を紹介していく絵本。読んであげれば4歳から楽しめます。

◆対象年齢

4歳~

◆ママパパの口コミ

「ダンゴムシにドハマり中なので、何度も読んでいる。」(40代・東京都・子ども1人)

 

『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』

【4】『むしのかお』

新開 孝/作 ポプラ社

◆こんな本

虫の顔って、こんなに楽しい。「こんにちは!」と読めば、子どもたちも「こんにちは!」と、答えます。

◆対象年齢

3歳~

 

『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』

【5】『カブトムシがいきる森』

筒井 学/作 小学館

◆こんな本

実際に「ぐんま昆虫の森」で撮影したカブトムシの貴重な写真絵本。生命力に満ちた力強さに圧倒されます。

◆対象年齢

4歳~

◆ママパパの口コミ

「子供は興味深そうに絵本に食いついていた。」(40代・神奈川県・子ども4人)

 

『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』

【6】『てん てん てん』

わかやましずこ/作 福音館書店

◆こんな本

『てん てん てん』は「てん てん てん。/てんとうむし。」と、リズミカルな文章に鮮やかで大胆な絵。0・1・2歳向け絵本の絶対条件である音と色を満たした、典型的な赤ちゃん絵本の1冊です。あるとき、赤ちゃんのためのおはなし会でこの絵本を読んだところ、10か月過ぎと見受けられる赤ちゃんが、「てん てん てん」「んっん! んっん! んっん!」と、絵本を読む私の声とリズムを追いかけるように、言葉( 喃語:なんご )を発してきました。まさに、「赤ちゃんはすごい!」と、0歳児の耳の敏感さや、言葉の獲得への道筋を実感する体験です。そんな大切な時期だからこそ、絵本を通して豊かな言葉をシャワーのように、やさしく、たくさん、注いでほしいと願います。

◆対象年齢

0歳、1歳、2歳

 

『0・1・2歳児の保育』2018年冬号

【7】『みつばち みつひめ どどんとなつまつりの巻』

秋山あゆ子/作・絵 ブロンズ新社

◆こんな本

花火大会や夏祭りを心待ちにしている子にぴったり あらすじ ハチの巣の中にあるお城にすむおてんばなお姫さまが、生まれてはじめて「なつまつり」を経験します。それは、夢のように楽しい一夜でした。

科学絵本さながらのくわしさで、ファンの多い作家です。文章にボリュームがありますが、物語の展開も文章のテンポもよく、子どもは夢中になって絵を見ます。お祭りや花火大会など、地域の行事の前におすすめ。

◆対象年齢

3歳、4歳、5歳~

 

『edu』2015年5・6月号

【8】『なつのいちにち』

はた こうしろう/作 偕成社

◆こんな本

急な夕立で、家で過ごす夏の一日にぴったり あらすじ 暑い夏の日、麦わら帽子をかぶり、虫捕り網を手に、山を目指す少年。セミの鳴き声、草の匂い、照りつける太陽……夏の情景が画面からあふれ出るようです。

言葉が少なくて、最初は戸惑うかもしれません。夏の経験がまだ少ない子どもたちですが、知っている限りの夏の記憶を総動員して、「夏の音や匂いや空気」を見つけ、さまざまなことを感じるはず。親子で夏を味わって。

◆対象年齢

3歳、4歳、5歳~

◆ママパパの口コミ

「絵と文が一体となって夏の1日が生き生きと描かれていて羨ましくなった。」(30代・東京都・子ども2人)

 

『edu』2015年5・6月号

【9】『セミたちの夏』

筒井 学/文・写真 小学館

◆こんな本

小さな虫博士たちへ夏休みに贈りたい写真絵本 あらすじ 作者がセミの一生と同じ6年間をかけて、セミたちの生態を追いかけた力作。木の枝の中では卵が、土の中では幼虫が成長していることがよくわかる1冊。

昆虫の写真絵本はスタジオ撮影が多いなか、すべて自然の中で撮影した珍しい作品。夏にはぜひ読みたい1冊です。写真に魅せられるので、読むのに少し時間がかかりますが、子どもは夢中になって見つめます。

◆対象年齢

3歳、4歳、5歳~

 

『edu』2015年5・6月号

【10】『カマキリの生きかた さすらいのハンター』

筒井 学/写真・文 小学館

◆こんな本

虫嫌いのママも、子どもと一緒に新しい発見を あらすじ カマキリの一生を、迫力のある写真で追う写真絵本。細部までじっくり見ることができるので、家庭の読み聞かせにぴったりです。野原に遊びに行く前に。

親子で写真を見ながら、ゆっくり読んでください。交尾・脱皮・羽化など、説明が難しい言葉もありますが、子どもは写真を見て「こんなこと」と、状態で理解するようです。読み聞かせるより、驚きや発見を大切に。

◆対象年齢

3歳、4歳、5歳~

 

『edu』2015年5・6月号

【11】『かまきり と しましまあおむし』

澤口たまみ/文 降矢なな/絵 農山漁村文化協会

◆こんな本

ニンジンの花にカマキリがすんでいました。そこにある日10匹のシマシマアオムシがやってきました。カマキリはしかたなくヒマワリに引っ越します。でも、カマキリはシマシマアオムシが気になって気になって、気になって…。そこである日、カマキリはニンジンの花にいるシマシマアオムシを訪ねました。すると…。澤口たまみさんはご自身を「虫の代弁者」と自認するほどの虫好きな作家さんです。

◆対象年齢

2歳、3歳、4歳

 

『新幼児と保育』2017年8・9月号

【12】『あれあれ? そっくり!』

今森光彦/著 ブロンズ新社

◆こんな本

苦手な方がいらしたら申し訳ないのですが、虫の写真絵本です。でも、子どもたちの前では「気持ち悪い」「嫌だ」などのマイナスの言葉は控えましょう。事前に虫の居場所を確認し、必ず指さしをして、全員が納得をしてから進めます。

◆対象年齢

2歳、3歳、4歳

 

『新幼児と保育』2018年6・7月号

【13】『おちばのしたをのぞいてみたら…』

皆越ようせい/作 ポプラ社

◆こんな本

落ち葉が土壌生物に食べられ、カビや細菌によって分解されて土になるまで。その一端を見せてくれます。

◆対象年齢

4歳~

 

『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』

【14】『なく虫ずかん』

松岡達英/絵 篠原榮太/文字 佐藤聰明/音 大野正男/文 福音館書店

◆こんな本

『なく虫ずかん』は本当に楽しい図鑑です。表紙画にもあるように、セミやコオロギなどなじみのある虫たちの鳴き声を特徴ある文字で表し、ページをめくるとその虫たちの姿が精緻に描かれています。その数55種。中には「声あてごっこ」に夢中になるあまり、虫はすべて鳴くと思い込んでしまった子もいて、セミの抜け殻にまで、「鳴いてごらん、鳴いたら(あなたが)誰か、わかるのに。ほら、鳴きなさい!」と励まし(?)の声をかけていたとか。

◆対象年齢

3歳、4歳、5歳、6歳

 

『新幼児と保育』2018年10・11月号

【15】『鳴く虫の世界』

佐藤有恒/写真 小田英智/文 あかね書房

◆こんな本

「なく虫って 泣くんじゃ ないんだね」 大人は疑問を疑問のまま持ち続けてしまいますが、子どもたちは「なに? なぜ? どうして?」を、心の中にとどめておくことはできません。先に紹介した『なく虫ずかん』を読んでもっと知りたいと思ったらおすすめです。

◆対象年齢

3歳、4歳、5歳、6歳

 

『新幼児と保育』2018年10・11月号

【16】『むしたちのおんがくかい』

得田之久/文 久住卓也/絵 童心社

◆こんな本

秋のお話し会では『むしたちのおんがくかい』も多く読んだ記憶がありますが、どちらも時を経て今なお、子どもたちに読み継がれている〈虫の声を楽しむ絵本〉の代表作といってもよいでしょう。『むしたちの~』はシリーズ作にもなっています。

◆対象年齢

3歳、4歳、5歳、6歳

 

『新幼児と保育』2018年10・11月号

【17】『ファーブル昆虫記の虫たち(1)』

熊田 千佳慕/作 小学館

◆こんな本

日本のファーブル」「プチ・ファーブル」と呼ばれた熊田千佳慕さんがくフォーブルの世界を細密画で丁寧に描いた作品です。文章はファーブル昆虫記そのままですから、導入として読むのもよいですね。何回見ても飽きることなく、その都度、嬉しい発見があります。シリーズ全5巻。

教えてくれたのは

児玉ひろ美|JPIC読書アドバイザー・台東区立中央図書館司書

JPIC読書アドバイザー 台東区立中央図書館非常勤司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活躍。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。

編集部おすすめ

関連記事