自然に触れる外遊びは、子どもたちの育ちや学びという視点で見ても、体験を積み重ねてあげたいですね。その最大の魅力はやっぱり「楽しい!」というところにあるのではないでしょうか。秋の楽しみを探しに、親子で外遊びに出かけてみませんか。
落ち葉ならべ~葉っぱの個性を見つけよう
秋、野山にはもちろん、公園や散歩道にも、たくさんの落ち葉を見つけることができます。秋の落ち葉は色が鮮やかで、とても魅力的ですよね。
お気に入りの落ち葉を見つけると、拾って手に持って歩いたり、持って帰ったりしたくなるのは、大人も子どもも同じかもしれません。
ながめるだけでも楽しい落ち葉ですが、よく見てみると、例えばおなじイチョウの葉っぱでも、葉の形がスカートのようなのもの、葉の真ん中に切れ目があり、ズボンのような形のものがあったり、並べてみると色もそれぞれ違ったり、それぞれに個性を見つけることができます。
そんな体験をできる遊びが「落ち葉ならべ」です。
落ち葉を拾って、見比べて、大きさや色の順番に並べる遊びです。同じ木の落ち葉を並べてみるのも、いろんな木の色とりどりの落ち葉を並べてみるのも楽しいです。
子どもたちは見つけたり、比べたりするのが大好き。まだ言葉が少ないお子さんとでも、「どっちが大きいかな?」「こっち!」などとやりとりしているうちに、気付いたら落ち葉の長い列ができていた、なんてこともあるかもしれません。
夢中で遊ぶ中で、子どもたちは落ち葉の多様性を学んでいきます。
ドングリの帽子合わせ~ドングリの帽子屋さんになってみよう
子どもたちが大好きなドングリ。秋、大きなクヌギやコナラの木の下では「ドングリ!」「あった!」と嬉しそうな声が響きます。
ドングリの周りをよく見てみると、ドングリの帽子を見つけることができます。見つけた帽子に合うドングリを探すのが「ドングリの帽子合わせ」です。
まずは1つの帽子から。帽子にぴったり合うドングリを探していきます。
なかなかぴったり合う帽子を見つけられなくても、子どもたちにとっては、それもよい経験になります。
慣れてきたら上級編に挑戦
慣れてきたら、2つや3つ連なった帽子を見つけて、上級編にチャレンジしてみましょう。
また逆に、ドングリの帽子屋さんになりきって、ドングリに合う帽子を探してみるのも、ひとつです。「なかなかみつからないね」という難しさも、「みつけた!」「あった!」というちょっとした達成感も、親子で一緒に楽しめるといいですね。
*窒息の恐れがあるので、お子さんがドングリを口に入れないように注意することが大切です。
自然に触れることで育まれること
子どもたちが自然に触れることには「多様性を知ることができる」「思い通りにいかないことを知ることができる」などの良さがあると佐々木さんはいいます。
「落ち葉ならべ」などの遊びを通して、色も形もさまざまな植物や生き物と出会い、世の中にはいろいろな存在があって何ひとつとしていらないものがないことを知ることは、自分や他人を受け入れる気持ちを育むことにもつながります。
また、「ドングリの帽子合わせ」などの遊びを通して、子どもたちは思い通りにならない存在に出会い、一旦諦め、そこから、どうにかうまくいくようにしようと考えるようになります。こういった経験が、ものごとに柔軟に対応する力が育つひとつのきっかけとなります。
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生きもの専門家集団「あにまにあ」リーダー。日本自然保護協会の自然観察指導員、東京都鳥獣保護員を経て、プロの自然案内人に。身近な自然から希少な野生生物まで自然解説を行う。また、執筆や講演、テレビやラジオの自然番組に出演するなどマルチな活躍を展開。とくにテレビでは「ささき隊長」のキャラクターで、子どもたちに自然の不思議やおもしろさを伝え、絶大な人気を誇る。主なレギュラー出演番組に、NHK「ダーウィンが来た!」、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」など。著書に『となりのミステリー生物ずかん』(時事通信社)、絵本『よるのえんてい』(講談社)など。
構成/小野寺裕美