勝ち気なほうが将来、生き残れる?「社会で生き抜く力」は幼児期の家庭から【井坂敦子さんの見守り子育て】

将来「社会で生き抜く力」は、幼少期にはどんなふうに培われていくのでしょうか。本人固有の性格もあるのでは? 「花まる子育てカレッジ」ディレクターで、Voicy「コソダテ・ラジオ」のパーソナリティでもある井坂敦子さんに「子どもの負けず嫌い」について伺いました。

※ここからは『入学後の学力がぐんと伸びる  0~6歳の見守り子育て』(井坂敦子・著/KADOKAWA)の一部から引用・再構成しています。

Q:勝ち気で負けず嫌いのほうが、全力で頑張る子になるのでは?

のんびり屋の長男は、勝ち気で負けず嫌いの末っ子に比べると、マイペースすぎて将来が心配です。負けん気が強いほうが人に勝ちたいと頑張る分、何事も結果を出せるような気がするのですが…。

A:負けたくない気持ちがマイナスに働くことも

周囲と自分を比べてしまう、そんな場合はご注意

幼児教室での指導中、子どもたちがペーパーテストの問題を解く時間。周りを見て、自分ができることを確かめる子どもと、周りは気にせずに、自分ができることにも無頓着で、問題を解くことを楽しんでいる子どもの 2タイプがいることに気がつきました。

自分より早くできる子や間違いが少ない子を気にして、間違えることに臆病になったり、しまいには間違えたくないばかりに泣いて解くのをやめてしまったりする子どもがいます。「学び」の時間が「間違いを怖がる」時間になっていることに、なんとかしなくては!と思いました。

昨今、小学校受験では「行動観察」と言われる分野がとても重要視されています。それは、協調性、リーダーシップ、コミュニケーション能力などを見て、ペーパーテストができる“だけ”の子どもが入学しないようにしているのです。いろいろな能力のある子どもを入学させたいという意図も見えます。就職試験に似た印象も受けます。

「1 番になりたい」「負けたくない」「競争に勝ちたい」という気持ちは、無邪気で子どもらしくもありますが、周りを気にすることで、自らの足を引っ張ってしまっているように見えることもあります。

苦手なことがあって当然と思わせる

負けず嫌いが強すぎるかな、そのことで子ども自身が苦しくなっているかなと感じられる場合には、こんな言葉をかけてあげたいですね。

「○○ちゃんは、○○ちゃんのペースでいいんだよ」
「間違えるのも、ナイストライ!次がんばろう」
「○○ちゃんが一生懸命やれたら、それがいちばんだよ」

親自身も、隣の子どもと比べないようにしたいですね。どこかで「間違えないで」「1番に!」という思いがあると、それが子どもに伝わってしまいます。

そもそも、みんな得意なことは違いますから、苦手なことがあるのは当然です。それぞれの苦手を得意な人が助けてくれるからコミュニケーションが生まれて、つながりができます。何もかも 1 人でできてしまったら、助け合う喜びを味わえませんね。

※ここまでは『入学後の学力がぐんと伸びる  0~6歳の見守り子育て』(井坂敦子・著/KADOKAWA)の一部から引用・再構成しています。

親も子もハッピーな将来のために

「一生を幸せに過ごしてほしい」「世界で生き抜く力を身につけてほしい」…。ママ・パパが我が子に望むことはいつの時代も同じ。ハッピーな人生を送るために、幼少期のうちに家庭でできることは何だろうと多くの方が模索していることと思います。

幼い子どもの気持ちや成長の過程を理解することは、とても難しいもの。うまくいかないことが多いのは、当然です。でも、きっといつか、大人になった子どもに向かって笑いながら『ああ!楽しい子育てだった』と言えるはずです

著書の中でそう語りかけるのは「花まる子育てカレッジ」ディレクターの井坂敦子さん。前職である保育園園長や小学校受験指導、また多くの識者とともに教育関係の講演事業を手掛けてきた経験から、『入学後の学力がぐんと伸びる  0~6歳の見守り子育て』を上梓しました。

「これならできそう」「こんなふうに考えればいいのか!」と共感できたことから、ひとつずつ試していける100のメソッドが一冊に。子育てに悩む気持ちがふとラクになる、そんなヒントが満載です。

(本体1,450円+税)KADOKAWA

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構成・文/HugKum編集部

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