【佐藤ママ式】3男1女が全員東大卒医師に!すべての教科の基礎である「国語」は、読解力を高める「読み聞かせ」が肝

3男1女が全員、東大理科Ⅲ類に進学、現在、一番下の長女が医師として研修中で、4人の子どもたち全員が東大卒医師となった「佐藤ママ」こと佐藤亮子さん。子どもたち一人ひとりの個性に合わせた、細かな学習サポートが評判です。
今回は、2023年5月刊『3男1女が全員東大卒医師に!1点集中ムダ取り勉強法』、『3男1女東大理Ⅲ合格百発百中算数国語絶対やるべき勉強法』(ともに幻冬舎・刊)から、国語、特にお母さんたちが悩みがちな読解力を高める勉強法についてうかがいました。

国語はすべての教科の基礎です

「うちの子は国語が苦手で」「長文読解で選択肢を選ぶ問題を必ず間違えます」と悩むお母さんたちは多いようです。

わが家の子どもの誰かも、長文読解の「正しいものを選ぶ」という5択問題で2つには絞れるのですが最終的に不正解の選択肢を選ぶ傾向にありました。そこで、「こうなったら正しいと思う方じゃない選択肢を選んだら?」と勧めると「とてもそんな勇気はありません」と答えたので大笑いした思い出があります。

読解とは、文章という2次元の世界を3Dのように立ち上げて3次元の世界をイメージすることですから、本当に難しいですね。

でも、読解力は国語だけではなく、算数の文章題を解くときにも必要で、他教科の基礎になる力なのでぜひ力をつけてあげたいものです。

読解が苦手な子には、読んであげればいいのです

私は「本来、国語が苦手な子はいない」と思っています。

なぜなら、小さいころに絵本を読み聞かせたら誰でも喜んで聞き入りますし、紙芝居やアニメ、漫画を見るのは大好きです。

それはその中に出てくる「お話」がおもしろいからです。「お話」を見たり聞いたりするのは大好きなのに、国語になると急に嫌いになるのは、文字、文章を読むのが苦手だからです。

それならば、はじめは文章を読まなくてもいいように、耳から言葉を入れてあげればいいと思います。

小さな子が文章を読んで理解するのはなかなか難しいこと。だったら、保護者が読んであげればいいのです。耳から聞いた言葉からイメージする力を育てるのが国語力を作る第一歩だからです。

 教科書を絵本のように読み聞かせて

まず、4月に教科書が配布されたら、教科書を読んで聞かせてあげてはどうでしょうか。毎日少しづつ読めば10日ぐらいで読み終わるでしょう。

そのとき、新出漢字や語句などを覚えようとはさせず、ただ絵本の読み聞かせのように読みます。内容だけを楽しんでください。

小学校の教科書を見ると、低学年から環境問題や戦争などの社会問題を扱った文章が出てきます。国語が苦手な子がいきなり授業で読んで読解に入るのは大変なので、予習として読んでおくのです。だいたいの内容が頭に残るので、子どもの負担が軽くなります。

低学年では漢字を覚えることが先

 さきほども述べたように、文章という2次元を3次元に立ち上げるのが読解力で、小さい子にはとても難しい作業です。読解力にこだわるよりも、小学校低学年までは読解力よりも、ひらがな、カタカナ、漢字を読んで書けるようにしておくことが大事だと思います。

「習った漢字をすぐ忘れてしまう」と困っている保護者の方がいますが、子どもは忘れるもの。忘れたらまた覚えればいいのです。子どもは日々成長しているので昨日できなかったことも数日後には突然できてることもあるので、必要以上に悩むことはありません。

 読書を強要するのは逆効果です

 よく、読書をすれば自然に読解力が伸びると言われます。

ただし、これは元々本が好きで進んで読書をする子どもだけにあてはまること。国語が苦手だという子は文章を速く読んで内容を理解するのが不得意です。そんな子に読解力をつけるまで読書させようとすると、膨大な量の本が必要になり、さらに国語や読書が嫌いになって逆効果です。また、本が嫌いな子に読書を勧めると、適当に飛ばして読む癖がつくかもしれず、細かい部分まで読み込まないといけない長文読解の試験でますます点数が取れなくなります。

私は小さいころから本が大好きでした。読書は人生を豊かにし、心の器を大きくして物事を深く考え、表現するために必要だと考えています。

しかし、読解力と読書は別もの。国語が苦手な子どもに読書を強要してもあまり効果がありません。

やはり、文章を読んで設問を解くことからしか読解力は育たないと思います。

わが家では、塾の宿題も読み聞かせしていました

 “読むのが苦手なら読んであげる方式”は小学校高学年ぐらいまでも有効です。

わが家では塾の宿題の長文読解を私が読んでいました。

 まず、私が問題文を読み上げます。そのとき、子どもはそのへんでゴロゴロ寝そべりながら聞いています。(同時に問題文を読んだり、座って傾聴しなくてOK!)

  • 子どもが設問を読んで問題を解きます。

 この方法だと宿題が早く終わりますし、読まなくていいので子どもはラクだし、耳で聞いたほうがイメージしやすいので文章を把握しやすいのです。

ただ、全部読むのは大変なので3問あれば1問だけ読んだり、時間のあるときだけ読むなど工夫したらいいと思います。

ちなみにわが家では、小6ぐらいまで私が読んでいましたが、子どもから「前から言おうと思っていたけど、もう自分で読めるし、その方が早いからもういいよ」と言われお役御免になりました。

子どもにとって詩の問題は大歓迎。なぜなら…

繰り返しになりますが、子どもはお話を聞くのは好きですが、読むのは嫌いです。

あるとき、塾の宿題をしていた子どもが、「わあーい、やった!詩だ」と言いました。

その週の宿題は詩の読解問題だったのです。それを「わあーい」と喜ぶのは決して詩が好きだからではありません。詩は短いので読むのがラクだからです。

私はつくづく子どもにとって長文を読むのは大変なんだなあと実感しました。

国語嫌いになるのは最初から嫌いなのではなく、読むのが苦手なのです。

ハードルの高い「読み」をだれかが手助けすれば負担が軽くなり、国語が好きになると思います。「親が読んでしまうと読解力がつかない」と心配する方もいるかもしれませんが、聞いているうちに読解力は自然についてきます。黙読して内容を理解できるようになるまで、読んであげたらいいと思います。

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教えてくれたのは

佐藤亮子さん|教育アドバイザー

大分県生まれ。津田塾大学英文科卒業後、高校で英語教師に。結婚後、3男1女を育て、全員が東京大学理科Ⅲ類から医学部医学科を卒業する。母親ならではのきめ細かい学習サポート法が注目されている。進学塾「浜学園」でアドバイザーとして活動するほか、様々なメディアで発信している。著書に『3男1女東大理Ⅲ合格百発百中 算数 国語 絶対やるべき勉強法』『3男1女全員東大卒医師に!一点集中ムダ取り勉強法』(幻冬舎)などがある。

構成/今津朋子 写真/繁延あづさ(女の子) 岡本尚樹(佐藤さん)

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