江戸時代から使われていた「いちゃいちゃ」
「人前でいちゃいちゃして」などと言うときの「いちゃいちゃ」ですが、「いちゃ」って何なのでしょうか?
「いちゃもんを付ける」の「いちゃ」と関連がありそうなのです。この語は、いわれのない言いがかりや、難癖のこと。「いちゃもん」は「いちゃ」に「もんく(文句)」の略「もん」の付いた語だと考えられています。
「いちゃいちゃ」は男女が仲むつまじげにふざけあうことをいいます。江戸時代から使われていた語で、かつては男女が言い争うこともいいました。ですので、必ずしも仲むつまじげな様子を表しているわけではないのです。
ただ、なぜそのような様子を「いちゃ」というのか、実はよくわかっていません。この「いちゃいちゃ」のような語を、「擬態語」とか「オノマトペ」などと言います。物事の状態や身ぶりなどから受ける感じを、いかにもそれらしく音声にたとえて表した語のことです。
「いちゃつく」「いちゃつき」は関連語
男女が仲むつまじげに語り合ったり、盛んに言い争ったりする様子や、そのときのお互いが語り合う様がそのように聞こえたり感じられたりしたのかもしれません。この「いちゃいちゃ」と関連のある語に、「いちゃつく」「いちゃつき」などもあります。ともに男女の間で使われます。
なぜ「いちゃ」という言い方が生まれたのかわかりませんが、同じオノマトペで、口数多くうるさくしゃべるさまを表す「ぺちゃくちゃ」と関連があるのかもしれません。
ただ、男女間の場合は「ぺちゃ」でも「くちゃ」でもなく、「いちゃ」が使われたのはなぜなのでしょう。おもしろいですね。