今日は立夏。子どもと一緒に“夏のにおい”探しを【広田千悦子の子供と楽しむ二十四節気】

二十四節気とは、太陽の公転周期を分割して一年を二十四の季節に分けたもの。春分、夏至、秋分、冬至など、季節を表す言葉として、暮らしの中のさまざまな場面に登場します。そんな二十四節気は、忙しい毎日の中で忘れてしまいそうになる豊かな季節の恩恵を思い出させてくれるとてもいい機会。ぜひ、子供と一緒に季節の巡りを感じるひとときをもってみてください。ささやかだけれどゆるぎない幸せの経験は、子供たちの“いのちの根本”を長きに渡り支えてくれることでしょう。

今日5月6日は二十四節気「立夏」です

 

立夏(りっか)

夏が始まる日です。この日から立秋の前日までが夏ですが、今の時季は、暑くもなく寒くもなく、過ごしやすい天気が気持ちいですね。若葉の緑色、通り抜ける風、窓から差し込んでくる光。あちらこちらから“夏のにおい”がしてきます。世界が瑞々しさに満ちている中、気がつくと、ゲロゲロ、ゲロゲロとカエルの合唱が聞こえてきます。梅雨が始まる前の、さわやかな季節。子どもと一緒に外に出て、土いじりなどをしながら、このひとときを味わってみてください。

立夏を過ぎると食べたくなる緑鮮やかな「ニンジンの葉」

 

立夏を過ぎると、急に暑くなったり涼しくなったりと不安定な天気が続きます。ひと雨ごとにぐんぐん伸びる緑。なかでもふさふさと生えるニンジンの葉はいかにもおいしそう。セリと似た独特の風  味があり、どちらかというと大人向きでちょっとほろ苦い。おひたしや天ぷらもおいしいのですが、一番のおすすめはごま油炒め。やわらかなところを選んで細かく刻み、ごま油を熱したフライパンで手早く炒めます。かつおぶしと白ごまをふり、しょうゆ少々で味つけしてでき上がり。
あつあつの白いご飯にのせていただくのがぴったり。何杯もご飯をおかわりしたくなります。

 

 

広田千悦子さんの『口福だより』には、季節を楽しむヒントが満載!

口福だより

 

広田千悦子(ひろたちえこ)

日本の文化・歳時記研究家。文筆家。新聞や雑誌、WEBにてコラム・挿絵を執筆。企業アドバイザー。ラジオ、TVなどのメディアに出演。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。築80年の日本家屋スタジオ秋谷四季、東京、鎌倉、名古屋などで、季節のしつらい教室を開催。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案。中日新聞、東京新聞の連載「くらし歳時記」は11年目。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)など25冊

 

撮影/広田行正 イラスト/広田千悦子 構成/神﨑典子

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