2024年の「冬土用」はいつ? おすすめの食べ物と過ごし方、禁忌事項OKの「間日」も紹介

「冬土用」の言葉を見聞きしたことがあっても、具体的な内容までは知らない人もいるでしょう。土用には適した過ごし方や食材があるので、覚えておくと親子で楽しめるかもしれません。2024年の期間もあわせて、冬土用の基礎知識を解説します。

冬土用はどのような日?

冬土用とは、どのような日を指しているのでしょうか?  土用の由来と意味、具体的な期間について解説します。

立春前の時期のこと

土用は年に4回あり、このうち立春前の時期を冬土用といいます。土用は季節の移り変わりを表す言葉の一つで、古代中国の「陰陽五行思想」に由来します。陰陽五行思想とは、全てのものは木・火・土・金・水の五つで構成されているとの考え方です。

陰陽五行説では、自然界のすべての現象を木・火・金・水・土の五つの要素に帰して考え、季節も同様。「土用」は「土」に属すると考えられる。
陰陽五行説では、自然界のすべての現象を木・火・金・水・土の五つの要素に帰して考え、季節も同様。「土用」は「土」に属すると考えられる。

季節においては、春夏秋冬にそれぞれ木・火・金・水が割り当てられ、土用は土に属しています。また、各季節の始まりを立春・立夏・立秋・立冬といい、その直前の期間に土が割り当てられました。

季節が変わる時期には、土の気が盛んになるとされることから「土旺用事(どおうようじ)」と呼ばれていました。現代では縮めて「土用」と呼んでいます。

2024年の冬土用はいつ?

土用の期間は、季節が変わる直前の、18日間です。冬土用の場合は、立春前の18日間が該当します。例年、1月17日~2月3日ごろですが、暦の関係で開始日がずれる場合もあります。

国立天文台の暦によると、2024年の立春は2月4日で、冬土用の開始は1月18日の0時24分からです。このため2024年の冬土用は、正確には1月18日~2月3日ごろとなります。

出典:令和 6年(2024)暦要項 二十四節気および雑節 – 国立天文台暦計算室

冬土用にするとよいこと

恵方の寺社へのお参りもおすすめ

土用には、するとよいとされる行動が、いくつかあります。縁起を担ぎたい人は、取り入れてみるとよいでしょう。冬土用におすすめの行動や、食べ物などを紹介します。

恵方参りをする

恵方参りとは、自分の住んでいる場所から、その年の恵方にある寺社にお参りすることです。恵方は「歳徳神(としとくじん)」という神様が来る方角を指しています。

歳徳神は年神様とも呼ばれ、その年の福徳をもたらしてくれる存在です。歳徳神が来る方角は、何をするのにも適した「吉方位」とされています。節分に食べる「恵方巻」の恵方も、同じです。

恵方は毎年「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を組み合わせた「干支」を元に決まります。2024年の恵方は「東北東」ですので、自宅から見て東北東にある寺社を調べ、参拝するとよいでしょう。

冬土用におすすめな食べ物を食べる

冬土用では「未の日(ひつじのひ)」に、「ひ」の付くものや「赤いもの」を食べるとよいとされます。2024年の該当日は、1月20日と2月1日です。

ひの付くものは、ヒラメ・ヒジキ・ヒラタケ・ひき肉などが挙げられます。赤いものは、トマト・赤ピーマン・イチゴなどが身近です。

体を温めてくれるトマト鍋や、常備菜として作りやすいヒジキの煮込みなどを作ってみましょう。あまり深く考えすぎず、献立の参考にする程度に取り入れるのがおすすめです。

トマトや、体をあたためてくれる唐辛子などを摂り入れても◎

体を冷やさないようにする

冬土用は寒さが厳しい時期なので、冷え対策を万全にしましょう。冷えを放置すると、体調を崩す原因にもなり得ます。寝る前にお風呂にゆっくりと浸かり、夜更かしをしないなどの生活を心掛けましょう。

凝り固まって血流が悪くなった体をほぐす、ストレッチもおすすめです。伸びや関節の曲げ伸ばしなどの簡単なもので構わないので、意識して体を動かしてみましょう。

足元や下半身が冷えている場合は、暖房器具を活用するのも有効です。ホットカーペットや電気毛布、カイロなどで気になる部位を集中的に温めましょう。

冬土用にしないほうがよいこと

土用には、しないほうがよいこともあります。うっかりやってしまわないよう、さけるべき三つの行動をチェックしましょう。

土いじりをする

土用は、陰陽道(おんようどう)で土をつかさどる神様である、「土公神(どくじん・どこうじん)」が、土の中で過ごす期間でもあります。陰陽道とは、陰陽五行説に基づき、吉凶などを占う学問のことです。

土用に土いじりをすると、土公神が怒るとされているため、ガーデニングや草むしり、土木工事などの土を動かす行為は、しないほうがよいでしょう。

とはいえ年4回の土用を合計すると、約72日間にもなります。農家や建築関係の仕事に就いている人、園芸が趣味という人にとっては、現実的にさけるのが難しいかもしれません。日常生活に支障をきたすのもよくないため、あくまでも参考程度にとどめておきましょう。

新しいことを始める

季節の変わり目でもある土用は、体調不良が起こりやすい時期といえます。冬土用は立春の直前で、まだ寒さが厳しい時期ですから、風邪などが流行することも珍しくありません。

このようなときは、転職・起業・結婚・開店など、人生に関わるような新しいことを始めるのは、さけるほうがよいとされています。一般的に、重大な物事はじっくりと決断を下すほうがよいといえます。新しいことをしたい人は、土用が過ぎるのを待ってから始めるとよいでしょう。

引越しや旅行をする

土用期間は基本的にどの方角も縁起がよくないとされ、大きな移動もさけるほうがよいといわれています。先述の通り、体調を崩しやすい時期でもあるため、普段よりも多くの体力が必要な引越しや、見知らぬ場所への旅行はさけましょう。

できる限り自宅や近所などの生活圏内にとどまり、静かに過ごすのがおすすめです。休日などを利用して出かけたいときは、恵方参りに行くか、後述の「間日(まび)」を狙う方法もあります。

冬土用の「間日」とはいつのこと?

土用はさけるべき行動が多いため、がっかりしたり、不自由を感じたりする人もいるでしょう。しかし土用には、「間日」と呼ばれる除外日が設けられています。間日の意味と、2024年の日程について紹介します。

間日の意味

間日とは、土公神が土から出て、天上へ出かける日のことです。土公神の留守中なら、土を動かしても許されると考えられ、土用の期間にさけるほうがよいことをしてもよい日とされています。

現実では、さけるべき行動を取ったからといって、悪いことが起こるとは限りません。しかし、もし何かがあったときには「土用のせいかもしれない」と、後悔する可能性もあります。縁起が悪いことはしたくないと考えるなら、間日を選んで行動するとよいでしょう。

2024年の冬土用の間日はいつ?

間日を事前に把握しておけば、旅行などの計画を立てやすくなります。冬土用の間日は、寅・卯・巳の日と決まっており、2024年は以下の通りです。

●1月18日(木)辛巳(かのとみ)
●1月27日(土)庚寅(かのえとら)
●1月28日(日)辛卯(かのとう)
●1月30日(火)癸巳(みずのとみ)

さけるほうがよいとされることは、上記のいずれかを狙えば、土公神の怒りを心配する必要はありません。活動しやすい日として、覚えておきましょう。

冬土用は体を労りながら過ごそう

陰陽五行思想によると、土用は土の気が盛んになる時期とされています。冬土用は立春の直前18日間を指し、例年1月17日~2月3日ごろです。ただし暦の関係で、2024年は始まりが1月18日となります。

土用にはさけるべき行動がいくつかある一方で、恵方参りしたり、特定の食べ物で料理を作って味わったりといった楽しみもあります。寒さが厳しい冬土用では、意識して体を動かし、冷え対策に力を入れるのもおすすめです。

土用の由来や意味を理解し、家族と一緒に体を労りながら過ごしましょう。

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構成・文/HugKum編集部

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