「最後は人だと思うんです」こんな時代だから心にしみる山下智久演じる正直トークに賛同!【正直不動産2連載第4回】

山下智久主演のNHKドラマ「正直不動産2」第4話は、Z世代の十影健人(板垣瑞生)をフィーチャーしたまさかの感動回に。また、ディーン・フジオカ演じる神木涼真のヤバさがさらに露呈。第5話は住宅ローン「フラット35」と「ハイエナ店舗仲介」についての物語となります。

メインストーリーと絡むコメディ&スリラー・パート

©NHK

山下智久が絶対に嘘のつけない正直すぎる不動産営業マン・永瀬財地役を演じるお仕事コメディのシーズン2「正直不動産2」(総合毎週火曜22時~)。山下さんのコメディ演技や抜け感、風の受け方(笑)にますます磨きがかかってきたのは言うまでもなく、前シーズンから成長した永瀬の後輩・月下咲良(福原遥)とのテンポ感も心地良いです。

メインとなる不動産関連の話は、原作コミック同様に「勉強になります!」と、毎回前のめりで観ていますが、ドラマ「正直不動産2」においては、シーズン1から続く永瀬たちがオフタイムに集う居酒屋「しょうじきもん」でのコミカル・パートに加え、ディーン・フジオカ演じる最強ヒール・神木涼真の空恐ろしいスリラー・パートもお約束となっているようです。

第4話での神木は、「業界ナンバーワンになりたい」という部下に対し、“昭和時代の問答無用な鬼上司”を遥かにしのぐサディスティックぶりを発揮し、令和時代に完全アウトな“拷問まがいのプレイ”をお見舞い。ドン引きしつつも「神木ならやる」と納得した方も多かったのでは。今やタップを踏む足のみのシーンだけでも“スリラー感”満載の神木。今後にも期待しつつ、まずは前回を振り返ってみましょう。

永瀬がキッパリと物申す「世の中のあり方が間違ってる」

(以下、前回のネタバレを含みます)

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前第4話で描かれたのは「賃貸保証会社」のエピソードです。なんと永瀬たちを悩ませている超マイペースなZ世代の十影健人(板垣瑞生)が、初めての成約を取れるかもしれない!というチャンスに遭遇。十影が担当したのは、水商売の藤森(佐藤寛太)とその恋人・美玲(恒松祐里)という結婚間近でラブラブなカップルの新居探しです。

©大谷アキラ・夏原武・水野光博 / 小学館「ビッグコミック」連載中

十影たちが条件に合った物件を案内すると、2人は大いに気に入り、トントン拍子に契約へと進むことに。ところが藤森による過去のカード事故が原因なのか、賃貸保証会社の審査が通りません。仕方なく美玲の名義で借りることにしましたが、なぜかそれも却下。2人の関係がぎくしゃくしますが、その後、美玲の妊娠が発覚します!

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「カスタマーファースト」の月下は、いつもどおり自分ができることを考えて動こうとしますが、十影は「それって不動産屋の仕事じゃないっすよね」とあきれ顔。そんな十影に「私たちが探す家はただの箱なんかじゃないの。住む人が幸せになれる場所なの」と言い返します。そうこなくちゃ、月下!

©大谷アキラ・夏原武・水野光博 / 小学館「ビッグコミック」連載中

 

©大谷アキラ・夏原武・水野光博 / 小学館「ビッグコミック」連載中

藤森は「俺、親ガチャ最悪です」と、自分が3歳の時に父親が借金を作り、母親も亡くなり、高校を中退して働き始めたが、何もかも嫌になって世の中を恨んでいたという壮絶な過去を告白。ドラマではそんな藤森と美玲が幼なじみで、過去にそれぞれが相手を助けていたというバックグラウンドが肉付けされていましたが、そこが後半で活きてきます。

自身の過去を嘆き、人を恨む藤森に「人のせいにするのはもうやめにしない? 親のせいにしたり、世の中のせいにしたり、そんなんじゃ私たち、いつまでたっても誰からも信用されない」とさとす美玲。その表情からは、藤森と2人で生きていくことに腹をくくった意志の強さが見えました。

また、家を借りるために不正を働こうとする藤森に、永瀬は「私も清廉潔白な人間ではありません。叩けば大量にホコリが出るような人間です」とした上で「こんな時くらい、 いや、こんな時だからこそ、正直にいきましょう。最後は人だと思うんです」とキッパリ言いました。永瀬、カッコいい!

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今回紹介された、クレジットカードやローンにまつわる豆知識は誰にとっても身近なもので、「へえ、そうなのか!」という発見も多かったです。永瀬たちは藤森たちの想いを察し、オーナーに掛け合いますが、オーナーに面と向かって「目に見える基準でしか人を判断しない世の中のあり方が間違ってる」と切り込む姿がとても頼もしかったです。確かにそのとおりで、副題の「信用って何だ?」ということを改めて考えさせられました。

永瀬たちのサポートにより、無事に成約を取れた十影は、永瀬や月下に感化され、どうやら少しだけ人間としても成長できたよう。十影は、登坂不動産の太客であるマダム(大地真央)の“ゴリ押し案件”ですが、登坂寿郎社長(草刈正雄)の期待に見事に応えた永瀬の奮闘を、社長はちゃんと見ていました。そういう横だけではなく縦の関係性も丁寧に見せていく点が、このドラマの大好きなポイントでもあります。

第5話では永瀬VS神木、月下VS花澤という2つの勝負が描かれる

©大谷アキラ・夏原武・水野光博 / 小学館「ビッグコミック」連載中

第5話では、またもや強敵・神木が永瀬の客を奪おうと動くようです。描かれるのは「フラット35」という民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供される住宅ローンにまつわるエピソード。そして「ハイエナ店舗仲介」のストーリーが展開されます。

©大谷アキラ・夏原武・水野光博 / 小学館「ビッグコミック」連載中

最初に永瀬が中学時代の同級生・若村(市川由衣)からマンション購入の相談を受けます。友人のためにと俄然張り切る永瀬でしたが、若村の夫・直(味方良介)はどうやら永瀬と妻の仲に、もやっとした割り切れない思いを抱いたよう。一方、月下はかつて店舗を仲介したラーメン店主(田口浩正)のため、なんと無給で店を手伝っていました。

そんな中、直には神木が、ラーメン店主には花澤(倉科カナ)が、営業アプローチをかけていきます。予告編では苦悩する永瀬の姿が! 並行して描かれる2つの勝負において、勝者となるのはどちらでしょうか? そこは観てのお楽しみということで。

文/山崎伸子

「正直不動産2」は毎週火曜日、夜10時からNHK総合にて放送

見逃し配信はNHKプラスで!(放送後、最新話が公開されます)

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