「唐辛子」の必読情報|辛いのについ食べちゃう料理とトリビア、万能調味料のレシピが使える!

韓国のコチュジャン、中国の豆板醤 、ラー油、アメリカのタバスコ、インドネシアのサンバルなど、唐辛子を用いたおいしい調味料は数多くあります。日本にも七味唐辛子や、一味唐辛子がありますね。そんな唐辛子をご家庭で活用する方法について、詳しくまとめました。

唐辛子は熱帯地方の調理に多く用いられる反面、その発汗作用は体を温める効果もあり、寒い地方の料理にも欠かせないもの。どちらも脂肪の分解を助けることから、肥満防止にも役立ちます。

そんな唐辛子は、ご家庭で取り入れやすい方法のひとつに、味噌に漬け込む方法があります。砂糖を足して甘辛くすることで、ご飯によく合う万能調味料に。作り方、使い方など、詳しくみていきます。

唐辛子の料理への活用方法

唐辛子を味噌に漬け込むことで活用する場面が広がり、さらに保存性も増します。もちろん辛みが強いため、使う量はごく少量から始めてください。

唐辛子を触った手で、目の周辺をこすったり、触ったりすると刺激を感じますから、十分な注意をして扱いましょう。

唐辛子味噌

一度にたくさん収穫できる唐辛子は、味噌漬けにして長期間味わう方法がおすすめ。ピリッとした刺激が食卓に刺激を与えてくれます。

材料

生の唐辛子 100g

味噌 200g
砂糖 100g
酒 大さじ4
にんにく 5粒程度
しょうが 1片
かつお節 適量
ごま油 適量

作り方

【1】唐辛子を洗い、ヘタを取り除いてみじん切りにします。素手では行わず、手袋をして、防護メガネを装着するのがおすすめ。さらに、換気を良くして調理してください。

みじん切りカッターなどを使って、均一にカットすると、ラクチンです。
みじん切りカッターなどを使って、均一にカットすると、ラクチンです。

【2】にんにく、しょうがもみじん切りにしてください。

【3】鍋にごま油を入れて温め、にんにくとしょうがを炒めます。香りがたってきたら、かつお節を加えて炒めます。さらに【1】の唐辛子を加えて炒めてください。

【4】味噌、砂糖、酒、を混ぜ合わせ、【3】の鍋に加えます。徐々に水分が飛んでいくので、ほどよい固さになるまで加熱します。

【5】清潔な瓶に詰めて、保存します。

賞味期限

唐辛子味噌は、作ってから数日経つと味が馴染んでおいしくなります。冷蔵庫で2~3か月程度の保存期限です。

唐辛子味噌の使い方

唐辛子の辛さと、味噌のコクが同時に味わえる唐辛子味噌は、少量ならお子さんでも食べることができます。おいしい食べ方を以下に紹介します。

おにぎり

丸く握ったおにぎりに、少量の唐辛子味噌をつけ、トースターで焼きます。お子さん向けには、はちみつや、練りごまを加えて食べやすくし、炊き立てのご飯にのせる方法から試してください。

味噌炒め

鶏か豚のひき肉を炒めて、唐辛子味噌で味付けすると肉味噌の完成。お豆腐や、中華麺にのせてもおいしいです。

味噌漬け

余ったお刺身を唐辛子味噌に一晩漬けて食べるのもおすすめの方法。旨味が増して、ご飯のお供に最高です。ピリリと辛いのについ手が伸びてしまう、そんな一品が簡単に。

唐辛子を使った料理アイデア

唐辛子に含まれるカプサイシンは熱に強く、煮込み料理や、焼き物、炒め物に使っても劣化しません。乾燥の唐辛子を調味料に漬けるだけでタレ、ソース、ドレッシングに利用でき、お好みに合わせて味を加減できます。

漬ける際に、唐辛子の表面に切れ目を入れ、種を抜いておくのがポイント。3日~1週間ほどで辛みが移るので、その後唐辛子を取り除きます。刻んだ唐辛子を使用すると、より辛さが増します。

唐辛子オイル

お好きなオイルに唐辛子を漬けておくと、炒め物やトッピングで辛みを加えやすくなります。

ごま油、にんにくなどを加えて作るラー油は、汎用性が高く人気の調味料です。

唐辛子酢

刻んだ青唐辛子を米酢に漬け込み、和え物や酢の物の風味付けに使用する方法もおすすめです。餃子や春巻き、焼きそばに少量かけると、食欲を刺激します。また、鰹のたたきにも欠かせない、という声も。

唐辛子しょうゆ

刻んだ唐辛子をしょうゆに漬け込むと、肉や魚によく合います。かつお節にかけて、豆腐に合わせると、辛いもの好きの方に喜ばれますよ。

唐辛子ジャム

イチゴやブルーベリーと一緒で、砂糖味の唐辛子ジャムを作る地域も世界にはあります。例えば、イタリア半島南部では、唐辛子にレモンなどを合わせた爽やかなジャムが名産に。パンに塗る他、チーズと合わせて楽しむそうです。

食用以外の使い方と効果的な取り入れ方

唐辛子の旬は夏から秋で、この時期は生で食べることができます。その他の季節は乾燥唐辛子が出回り、「鷹の爪」とも呼ばれます。唐辛子を役立てる方法は様々ですが、ほんの一部をご紹介します。

殺菌・防虫

唐辛子がもつ殺菌作用を利用して、米びつの防虫効果を狙ったり、防犯グッズの催涙スプレーに使用したり、活用の場は幅広くあります。チンキ剤を薄めて、消毒薬としても用いることもあるそうです。

米びつに唐辛子を入れると防虫効果あり
米びつに唐辛子を入れると防虫効果あり

保温効果

寒冷地では靴の中に入れてしもやけの予防に用います。保温効果があるため、靴下や腹巻などの繊維に織り込んだ製品や、入浴剤として利用されることも。

プランパー

塗るだけで血色が良くなり、ふっくらした唇になるプランパーは、カプサイシンを配合したリップです。皮膚に刺激を感じる場合もありますが、これはカプサイシンによるものです。

唐辛子の乾燥方法と保存

収穫した唐辛子は、干して長期間保存することができます。次の収穫期まで保つには、カラカラになるまで水分を抜ききることが大切です。

天日乾燥の方法

唐辛子は直射日光に当たると変色するため、日陰で乾燥作業を行うのが基本です。ザルや、乾燥ネットに広げて入れて、風通しのよい場所で1か月前後乾燥させてください。

表面に皺が寄り、振ってみるとカラカラと音がするようになるまで、干せば完了です。その後は、湿気を避け、密閉容器に入れて保存してください。

 電子レンジでの乾燥

少ない量の場合は、電子レンジで乾燥作業を行うのも、早くて確実な方法です。おおまかに天日干しで乾燥させた後、最後の仕上げに行えば、カビ予防にもなります。

【1】なるべく唐辛子が重ならないように広げます。

【2】600wで1分加熱、5分程度の放置後、もう一度繰り返します。

【3】唐辛子を手で持ち、振るとカラカラ音が立つまで、繰り返してください。

一度に長い時間の加熱は、焦げる場合があります。様子をみながら、少しずつ進めてください。

唐辛子の栄養素と健康効果

唐辛子が持つ辛み成分は、ダイエットや動脈硬化の予防といった効果が期待できます。その健康効果についてもまとめてみました。

唐辛子の種類と辛さ

激辛ブームの影響から、海外原産の唐辛子が国内で栽培されるようになりました。色、形、辛さの種類が豊富で、観賞用もあるほど。さらに、新しい品種も次々と生まれており、世界一の辛さをもつ品種は、年々更新されています。

カプサイシン

辛み成分のカプサイシンは、体内に吸収されると脳に運ばれ、神経に作用して副腎からアドレナリンを分泌させる働きがあります。それによってエネルギー代謝が促進。発汗や、血流の改善効果があります。この代謝が上がった状態での有酸素運動は、ダイエット効果を高めるといわれています。

ただし、カプサイシンが皮膚や粘膜に触れると痛みを感じ、涙や咳き込みにつながる場合もあるので注意してください。

カプシエイト

「体に優しい唐辛子成分」と呼ばれるカプシエイトは、辛くない新種の唐辛子に含まれる天然成分です。辛さはカプサイシンの約1/1000なので、胃腸への刺激が少ない特徴を持ちながら、交感神経を活発化させる働きは同様。代謝促進、体温の上昇、脂肪燃焼などの効果が期待できる栄養素です。

さりげなく辛さを生かして

唐辛子を生活に取り入れる方法は、食用だけでなく、幅広い方法がありました。辛みだけでなく、触ると手が温かくなる効果は、防虫・殺菌にも効果絶大です。

お子さんにとって辛すぎる料理には無理がありますが、さりげない辛さなら、ついつい手が伸びてしまうもの。唐辛子の上手な取り入れ方を活用してください。

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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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