クック諸島ってどんな国?
太平洋には、いくつもの島があります。よく知られているのはハワイ、グアム、パラオ、フィジーなどです。このうち主に赤道より北側にある島々を「ミクロネシア」、赤道より南側で日付変更線より東側にある島々を「ポリネシア」、西側にある島々を「メラネシア」と呼びます。
そしてクック諸島があるのは、ポリネシア。ニュージーランドから北東に約3000km離れた南太平洋にあり、15の島で構成されています。
クック諸島という名前は、ハワイをはじめ太平洋の島々を発見したイギリスの冒険家、キャプテン・クックにちなんでつけられました。
クック諸島はニュージーランドと、外交や防衛などの権限を他国に委ねる「自由連合」の関係にあり、クック諸島の人々はニュージーランドの市民権とパスポートを持っています。
そんなクック諸島について、さらに詳しく見ていきましょう。
クック諸島基本情報
まず面積や人口、言語などの基本情報からご紹介します。
国名
クック諸島
首都
アバルア(ラロトンガ島)
場所
クック諸島があるのは、太平洋の赤道より南側で、日付変更線の東側。フィジーとタヒチの間で、ニュージーランドの北東から約3000km、ハワイの真南の位置にあります。
日本との時差
日本との時差は19時間
日本のほうがクック諸島より19時間進んでいます。クック諸島の時間を計算するときは「日本時間+5時間」して「日本時間の前日」と考えるとわかりやすいです。例えば日本が5月10日の9時の場合、クック諸島は5月9日の14時になります。
面積
約237㎢
大阪市の面積が225.33㎢ですから、ほぼ同じ大きさです。
エリア
クック諸島は15の島から構成されていて、赤道より北側の「ノーザンアイランズ」と、南側の「サザンアイランズ」に分類できます。
- ノーザンアイランズ:スワロー島、プカプカ島など
- サザンアイランズ:首都アパルアと国際空港のあるラロトンガ島など
人口
約18,200人
東京都の人口が約1400万人ですから、クック諸島の人口は東京都の人口の0.13%にあたります。
言語・公用語
クック諸島マオリ語、英語
現地で使われているマオリ語は、同じポリネシアにあるハワイやタヒチの言葉とよく似ています。公用語として英語が使われています。
通貨
ニュージーランド・ドル
1ニュージーランド・ドル=約91円(2024年3月14日時点)
先にご紹介したように、クック諸島はニュージーランドと自由連合の関係にあるため、ニュージーランド・ドルが使われています。現地にはクック・アイランド・ドルもありますが、実際に流通しているのはニュージーランド・ドルです。
宗教
キリスト教97.8%(クック諸島教会派69%、ローマ・カトリック15%等)
歴史
クック諸島の歴史は、1595年に始まります。スペイン人メンダナが南太平洋を航海中に、クック諸島の島であるプカプカ島を確認します。そしてその後、クック諸島を構成する15の島々が発見されました。1733年にはイギリスの冒険家キャプテン・クックが、クック諸島の島々に上陸して調査を始めました。
1888年にはイギリスの属領になり、1901年にはニュージーランドの属領となりました。そして1965年に内政自治権を獲得して、クック諸島はニュージーランドとの自由連合の関係になりました。
天気・気候
クック諸島は熱帯海洋性気候です。赤道より南側にあるため日本とは季節が逆になり、日本が冬の期間は、クック諸島では夏になります。
1年を通して快適に過ごしやすく、いつでも海で泳ぐことができます。
クック諸島の治安・住みやすさ
クック諸島に行くなら、現地の治安や住みやすさも知りたいところでしょう。
治安は良好
クック諸島の治安は、とても良いことで知られています。
クック諸島自体、人口がわずか18,000人ほどととても少なく、首都アバルアのあるラロトンガ島では12,000人ほどしかいません。そのためお互いに知っている人が多く、さらに敬虔なクリスチャンがほとんどのため、犯罪の発生率がとても低いのです。
外務省の海外安全ホームページでも、クック諸島について危険情報は発令していません。ただ凶悪な犯罪はほとんど起きていないとはいえ、窃盗や置き引きなどの軽犯罪は起きているため、十分な注意は必要です。
住みやすさはまずまず
首都アバルアのあるラロトンガ島ではバスが運行していて、医療施設もあります。治安が良い地域ということもあり、日本と比べると便利さの点では劣るかもしれませんが、住みやすさはまずまずといえるでしょう。
クック諸島の見どころ・観光
クック諸島でぜひ訪れたい人気観光スポットをご紹介します。
ラロトンガ島
クック諸島の首都アバルアがあるラロトンガ島は、多くの観光客にとってクック諸島の玄関口となる場所。ホテルも多くあり、たくさんの人がバカンスを楽しむリゾート地です。
島は透き通った海とサンゴ礁に囲まれていて、シュノーケリングやスキューバダイビングを楽しめます。また島内は、自転車、四輪バイク、徒歩で回るのもおすすめ。アバルアにはショッピングセンターや官公庁、郵便局などもあります。
ワンフット・アイランド
ワンフット・アイランドは、美しいビーチを誇るクック諸島の中でも、絵葉書のような景色が広がっている無人島。
アイツタキ島からアクセスできるため、アイツタキ島のツアーにはワンフット・アイランドでのアクティビティが含まれていることが多くあります。
アチウ島
アチウ島は、住んでいる人が少ない、ありのままの自然に囲まれた島。特に洞窟や鍾乳洞をめぐるツアーが人気です。
アチウ島は「鳥の島」と呼ばれており、在来鳥類が数多く生息しています。
クック諸島の特徴・有名なもの
クック諸島で有名なものには何があるのでしょうか?
ポリネシアンカルチャー
クック諸島があるのは、ハワイやタヒチ、ニュージーランドと同じポリネシア。そのためクック諸島に住む住民の8割以上がポリネシア人で、ポリネシアンダンスなどのポリネシア特有の文化があちこちで見られます。
そんなクック諸島について「50年前のハワイ」と表現する人もいるそうです。
ブラックパール
クック諸島で有名なのが、ブラックパール(黒真珠)です。これは黒蝶貝から採れる、黒く美しく輝く真珠です。
クック諸島のお土産品では、ブラックパールを使ったネックレス、ピアス、リング、ブレスレットなどが人気です。白いパールとはまた違った美しさがあり、悪霊などから守ってくれるともいわれています。
物価が高くない
ビーチリゾートでは多くの物資を島外から輸送しているため、あらゆるものの値段が高くなる傾向にあります。しかしクック諸島では物価がそれほど高くなく、あまりお財布を気にせず楽しめる場所といえるでしょう。
信号のない島
暮らしている人が限られていて、小さな島ばかりで構成されるクック諸島。そのため、信号はひとつもありません。ただ一番大きなラロトンガ島ではバスが運行していて、レンタカーやスクーターを借りて運転することもできます。
年間12万人の旅行客が訪れるビーチリゾート「クック諸島」
クック諸島は、日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、年間12万人の旅行客が訪れるリゾート地です。特にニュージーランドでは、とても人気の旅行先です。
観光客の玄関口となるラロトンガ島には、100軒を超えるホテルや宿泊施設があります。また物価が高くないことから、気軽に楽しめるビーチリゾートといえます。
南太平洋の広大な青い海に浮かぶ、夢のようなビーチリゾートを、ぜひ次の旅行先の候補にしてみてはいかがでしょうか。
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文・構成/HugKum編集部