サモアってどんな国?
サモア(正式名称は「サモア独立国」)は南太平洋に浮かぶ島国です。サモア諸島のうち、西経171度を境に西側にある7つの小さな島から成り立っています(東側は、アメリカ領サモア)。日付変更線の西側でもあるので、世界でも最も早く一日が始まる国のひとつです。
日本も同じ島国ですが、日本とは異なる特徴や見どころがたくさんあります。さらに詳しくサモアについて学んでいきましょう。
サモア基本情報
まずはサモアの基本情報からご紹介します。
国名
サモア独立国
首都
アピア
場所
南太平洋上に位置する国です。南太平洋の国は、ミクロネシア、メラネシア、ポリネシアの地域に分けられますが、サモアはポリネシアに位置します。具体的には、ニュージーランドとハワイの中間あたりです。
日本との時差
4時間(日本の方が4時間遅れている)
面積
2,830平方km
日本の約134分の1にあたります。日本の総面積は378,000平方km。
ちなみに、東京都のおよそ1.3倍の広さです。
エリア
主要な島は「ウポル島」と「サバイイ島」です。首都のアピアは、ウポル島にあります。
また、次の11の行政区画に分かれます。
・ツアマサガ
・アアナ
・アイガイレタイ
・アツア
・ヴァアオフォノチ
・ファアサレレアガ
・ガガエマウガ
・イツ・アサウ
・サツパイテア
・パラウリ
人口
約198,410人(2020年)
東京都の人口の約70分の1にあたります。東京都の人口は約1400万人(2023年2月時点)。
言語・公用語
サモア語、英語(共に公用語)
通貨
タラ
1タラ=50.3円(2023年3月2日時点)
宗教
キリスト教(カトリック、メソジスト、モルモン教等)
歴史
・1722年、オランダ人の探険家がサモア諸島を発見。
・1860年代、補給港として栄え、ドイツ、イギリス、アメリカが勢力を競う。
・1899年、ドイツが西サモア(現在のサモア独立国)、アメリカが東サモア(現在の米領サモア)を支配下に置く。
・1962年1月1日、西サモア独立(但し独立記念日は6月1日)。
・1997年、国名をそれまでの「西サモア独立国」から「サモア独立国」に変更。
天気・気候
サモアは、熱帯海洋性気候に属します。海洋の影響を強く受け、一年を通して温暖で雨が多いことが特徴です。
11~4月の雨季と5~10月の乾季に分かれ、雨季には400mmを超える雨が降ることがあります。年間降水量は2500~5000mmと非常に多い水準となっています。気温は、年間を通して26~27℃で推移し、過ごしやすい気候といえます。
サモアの治安・住みやすさ
小さな国のサモアですが、治安や住みやすさはどうなのでしょうか。
治安は良い
外務省から危険情報は公表されていません。そのため、治安は安定しているといえます。当局の取り締まり強化で、犯罪件数も年々減ってきているため、比較的安心して訪れることができるでしょう。
ただ、若年層が首都のアピアに集まりやすい傾向にあるため、注意は怠らないようにしてください。また、観光客を狙ったスリや置き引きに遭う可能性もあります。治安が安定しているとはいえ、油断しないことが大切です。
住みやすい
サモアは治安が良く、一年を通して温暖なため過ごしやすい国です。
物価は日本と同じかやや高いぐらいです。小さな国で輸入に頼っている部分もあるため、物価が下がりにくいのです。また、国内の移動には、バスやタクシーの利用が可能です。
バスは日本のシステムと異なり、バス停がありません。乗り降りする場所は自由になりますが、日本のシステムに慣れているため最初は戸惑うでしょう。しかし、サモアの人々は温厚な方が多いため、助けを求めやすいです。
サモアの見どころ・観光
ここでは、サモアの見どころや観光スポットを見ていきます。
トスア・オーシャン・トレンチ
トスア・オーシャン・トレンチは、直径50mの天然プールです。ピウラ洞窟プールとも呼ばれます。周囲は緑に囲まれていて、何とも秘境感のある場所になっています。そんな場所で海水浴を楽しめるため、人気な観光スポットであることにすぐ頷けるでしょう。
また、天然プールの中には、海底洞窟が存在します。天然プールで海水浴を楽しみたい方だけでなく、洞窟が気になる方も足を運んでみましょう。
ロバート・ルイス・スティーヴンソン博物館
サモアに住んでいたこともあるロバート・ルイス・スティーヴンソンという人物の作品を展示している博物館です。スティーヴンソンは、イギリスの児童文学や冒険小説を主に書いた作家で、1883年には『宝島』1886年には『ジキル博士とハイド氏』を発表しました。
博物館には他にも、作家であるウォルター・スコット卿と詩人のロバート・バーンズの作品も展示されています。文学を好む人はとくに、足を運んでみてほしいスポットです。
ムリヌウ半島
ウポル島の北岸にある半島です。ムリヌウ半島には、元々都がありました。その証拠に、政治関連の記念碑がいくつも見られます。
ファレを現代的して建てられた国会議事堂や当時の王朝の大きな墓などを見ることができます。じっくり見て回りたい方は、ホテルもあるため宿泊するとよいです。
パロロ・ディープ
ウポル島に、透き通るようなサンゴ礁の浅瀬が広がる「パロロ・ディープ」があります。シュノーケリングの名スポットとなっています。シュノーケリングに必要な道具はレンタル可能です。綺麗な海に潜り、魚たちと一緒に泳いでみてはいかがでしょうか。
サモアの特徴・有名なもの
見どころや観光スポット以外に、サモアの特徴や有名なものについて見ていきましょう。
パルサミ
サモアを代表する料理「パルサミ」。タロイモの葉でココナッツミルクや玉ねぎを包み、火入れをします。ポリネシアやアジアでも見られる料理で、地域ごとに使われる食材や形が異なるのが特徴です。
食材を包むのに使われるタロの葉ですが、生の状態だと身体に悪影響を及ぼします。シュウ酸カルシウムが含まれているため、口やのど、胃、腸などに炎症を起こす可能性があります。間違っても、生では食べないように注意しましょう。
「ファレ」と呼ばれる伝統的住居
サモアは、「ファレ」と呼ばれている壁のない家に住んでいる人々が多くなっています。一年を通して高温多湿な気候なため、風通しの良い家を選ぶ人が多いわけです。
日本人にとっては壁のない家に住むのは、想像もできないでしょう。プライバシーを確保できず、自分の生活が他人に丸見えとなってしまいます。しかし、サモアの人々は「いつでも歓迎をしている」という心を、伝統的住居である「ファレ」で表しているそうです。サモアの人々の文化や温厚さがファレから垣間見えてきます。
国家収入を出稼ぎに依存している?
サモアの人々は、「外国で出稼ぎをしている人からの送金」で家計を賄っているケースが多くなっています。それにより、国内総生産の約18%(2018年,世界銀行)が出稼ぎとなっているのです。理由は2つあります。1つ目は、サモア国内にある仕事が少ないため。2つ目は、近くに出稼ぎに行ける先進国があるためです。
しかし、2020年3月以降は送金による国家収入が減少傾向にあります。厳しい経済状況にあるといえるでしょう。
ラグビーの強豪国
人口が20万人弱にもかかわらず、ラグビーの強豪国として知られています。過去にワールドカップに出場し、ベスト8まで勝ち進んだ実績もあります。2023年3月6日時点での世界ランキングは、11位で上位です。過去5年、常に15位以内をキープしており、強豪国だといわれる理由がわかります。
ラグビーでは試合前に披露する「儀式」に注目が集まります。サモアでは披露されるのは、「シバタウ」と呼ばれるもので、軽快なリズムとポーズが特徴的です。
日本とは違う島国の良さをもつサモア
サモアは日本の約134分の1程度の面積にもかかわらず、見どころいっぱいの国です。治安も安定しているため、安心して訪れることができます。当記事でサモアに興味が湧いた方は、ぜひサモアについて、さらに詳しく調べて見ましょう。
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文・構成/HugKum編集部