子どもの字が汚すぎて、何と書いてあるか読めない!そこで子どもに「何て書いたの?」と尋ねると、なんと子ども自身も「さぁ……何だろう?」と読めない始末。
何度言っても字がきれいにならないお子さんに、頭を抱えている保護者も多いのではないでしょうか。今回は「字が汚い」というテーマについて効果的な対策をご紹介します。
目次
子どもの字が汚いことで悩んでいる家庭は多い
(株)臨海が2022年7月26日に公表した子どもの生活・学習に関する意識調査アンケート企画「2022りんかいso・Re・na!」によりますと、小学生の子どもの学習に関する悩みの1位は「字が汚い」で35.4%という結果でした。実に3人に1人の割合で、親は子どもの字が汚いことに悩んでいると分かります。
子どもはまだ腕や指先の細かな力加減が苦手です。小さなマスに字を書くことが難しかったり、大きく書いても線を真っすぐに引くことが苦手だったりします。
そういった点で、「丁寧に書こう」という気持ちがあれば、年齢が上がればある程度は鉛筆のコントロールが上手くなり、字もきれいになるものです。しかし、「汚くてもいいや」という気持ちが字に現れているのであれば、丁寧に字を書くことの重要性を伝えなければ、なかなか直らないかもしれません。
参考資料:共同通信PRワイヤー|臨海セミナー プレスリリース
字が汚いことのデメリット
字が汚いことは、子ども本人にとって「困ること」でないため、親がしつこく指摘しても「何がそんなに問題なの?」と気にしていないことも多いです。ですが、本人の気付かないところで損をしている場面があります。
①ケアレスミスが起きがち
字が汚いと、テストでもケアレスミスが起きがちです。例えば算数では、0(ゼロ)を雑に書いてしまったために自分で6と読み間違えて、計算を間違えたりします。ひっ算をするときに位を揃えるところで列がズレて間違える例もあります。
また、科目を問わず、そもそも読めない文字の解答は得点になりません。丁寧に書けば取れる点数を取り逃がしてしまうのは、とてももったいないことです。
②自分で後から見直しができない
算数は検算をすることがとても大切ですが、字が汚いと自分で後から見直しをするときにも弊害があります。ケアレスミスの問題とも重複しますが、見直しができなかったり、何を書いたか思い出すだけで時間が掛かったりしてしまうのは、テストの失点につながります。
③採点者の印象が下がる
近年は、保護者の子ども時代と比べ、文章で答える問題が増えています。採点者の身になって考えてみると、やはり字がきれいな文章はストレスなく読みやすいですし、印象が良いものです。小学校の担任の先生ならば、読みづらい字でも何とか解読してあげようという気持ちで見てくれるでしょうが、年齢が大きくなってもずっと読み手の厚意に頼るわけにはいきませんよね。
将来的に入試や就職という場面でも、作文・小論文など自分の考えを書く機会は必ず訪れます。採点者は何十人分もの文章を読むのですから、字が汚いことはそれだけで不利に働きます。
美しい字でなくとも、読む人の気持ちになって丁寧に読みやすい字を書くことの重要性は、いずれ考える必要があります。
ポイントは美しさより丁寧さ
これらのデメリットは、親は気付いていてもなかなか子どもには伝わらないものです。かと言って、あまりしつこく指摘をすると、何度も書き直すのが嫌になり勉強自体のやる気を無くしてしまうかもしれません。
子どもに伝えるときのポイントは「美しさ」より「丁寧に書けているか」を意識すると良いでしょう。
早くやろうと焦ると字が乱れる子も多いです。そういった場合は「キレイに書きなさい!」と何度も注意するよりも、勉強のやり方にいくつか対策をするだけで改善することもあります。
「字が汚い」に効果的な対策とは?
では、字が汚い子に効果的な対策をいくつかご紹介します。
◆まずは「とめ」を意識する
読みづらい字の子は殴り書きのようにシャッシャッと書いていることが多いです。書写の授業では「とめ・はね・はらい」と習いますが、勢い余って殴り書きのようになっている子は、まず1画ずつちゃんと止めることを意識させるだけでも読みやすい字になります。
数字では0(ゼロ)や8を書くときに、始点と終点をしっかりくっつけること、漢字では口(くち)や田の字など囲うところは角をしっかり閉めることなど、ちゃんと止めることを意識すれば改善できます。
◆字を大きく書く
自分の書いた字を読み間違えるお子さんは、まずは字を大きく書くことから意識させてみましょう。
子どもにとって「きれいに書いて」という指示は具体的ではないため、どこをどうすればいいのか戸惑ってしまいます。それに対し、大きめのマスのノートを用意して「マスいっぱい使って大きく字を書いて」というのは、意識すればすぐに取り組める方法です。
◆計算は方眼紙を使う
小学校の算数の授業では方眼ノートを使うことが多いですが、家庭学習やプリントに取り組む時も、計算用紙は方眼紙を用意してあげることをオススメします。
ひっ算をするときに、プリントの端っこや裏紙を使うと、字が曲がったりして位がズレてしまうことがあります。ちょっとした途中計算でも方眼紙を使うことで、きれいに位を揃える癖を付けることができます。
◆速く解く問題ばかりをやらせない
「計算ドリル1ページ20問を10分で」「百マス計算を3分以内で」というように、速く解くことを意識した問題はどうしても字が荒れてしまいます。計算ドリルや百マス計算に取り組むことは悪いことではありませんが、字の汚さを改善するのであれば、速く解くものばかりでなく、焦らずじっくり考えるような問題も取り入れていくと良いでしょう。
汚いことを指摘するより丁寧なことを褒めよう
字が汚いか丁寧かは、本人の意識次第で大きく変わります。いつでもきれいなことがベストですが、言ってすぐに改善するものではありませんし、最近少し良くなったと思ったのに今日は気分が乗らなくて字が乱れている、と一進一退することも多々あります。保護者も成果を焦らず、気長に見守る必要があります。
きれいな文字を書かせようとするあまり、その場で何度も書き直しをさせるのは少しやりすぎな方法です。せっかく書いたものを消されるのは、子どもにとってモチベーションの下がることです。汚いところを指摘するより、丁寧に書けている部分を見つけて褒めるようにしましょう。
消して書き直すよりも、「この部分が上手だったね、次はここも気を付けるともっと良くなるよ」と言って次につなげると、だんだん良くなるビフォーアフターを子どもの目でも確かめられるのでおすすめです。
書道の習い事はさせたほうがいい?
また、書道の習い事については無理強いする必要はありませんが、子どもが興味を持っているならばやってみてもよいのではと考えます。書道は字がきれいになるばかりでなく、良い姿勢が身に付いたり、集中力が鍛えられたりするメリットもあります。
大人になってからきれいな字が書けるようになりたいと美文字レッスン帳を買う方もいらっしゃいます。きれいに字が書けることは、大人になってもメリットが大きい一生もののスキルと言えるでしょう。
まずは丁寧に書くことを意識した声掛けから始めよう
今回は、子どもの字が汚いことについて、いくつかの対策方法をご紹介しました。厳しく指摘したり、何度も書き直させたりしても、その場ではきれいな字になっても、本人の気持ちがなければまたすぐにもとの汚い字に戻ってしまいます。
まずはきれいさよりも丁寧さを意識して、丁寧に読みやすい字が書けたことを褒めながら長い目で見守りましょう。読みやすい字を書くことの大切さに本人が気付けるよう、前向きな声掛けをしてあげてください。
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構成/HugKum編集部