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北欧で見つけた暮らしのヒント5選・時間編
ライター・エッセイストの桒原さやかです。北欧から学んだ暮らしのヒントを、日本での生活にどのように取り入れているのかについて2回にわたって書いています。
北欧の人たちの暮らしには「余裕がある」、それが高い幸福度の秘密
一日の中に自分と向き合ったり、家族と過ごしたり、趣味を楽しんだり。前編ではマインドの面から「余裕」の作り方を紐解いてみましたが、後編では北欧のママパパたちが働きながらどうやって時間の余裕を作っているのかについてお話したいと思います。
>>前編「子育ての考え方や気持ちの切り替え方。北欧マインドのヒント5選」はこちら!
北欧流、時間の作り方① スーパーの買い出しは週に一度
北欧諸国では9割以上の家庭が子育てしながら共働きしている状況。忙しい平日に買い出しをする手間を省くために、休みの日に一週間分の買い出しを済ませてしまう家庭が多いのです。
買い出しリストを夫婦で共有
我が家でも子どもが生まれてから、買い出しは週に一度のみ。iPhoneのリスト機能を使って、買い出しが必要なものを夫婦で共有しています。食材や日用品は使い切りそうなタイミングでリストにメモするのがルール。節約にもつながります。
日用品はまとめて管理
日用品の在庫をチェックしやすいように、ひとつの棚にまとめて保管しています。リストを見ながら不足しているものを買い出しリストに入力するだけ。このおかげで買い忘れも減りました。
北欧流、時間の作り方② 金曜日はタコスの日!? 固定メニューを作る
北欧諸国では、献立を考える手間を減らすため、「月曜日はパスタの日」、「火曜日はスープの日」などと決めている家庭も多いです。また、ノルウェーでは「金曜日はタコスの日」と呼ばれるほど、多くの家庭でタコスを食べます。タコスは子どもから大人まで大好きなメニューで、作るのもとっても簡単なのです。
金曜日は家族が好きな簡単メニュー
我が家では一週間分の献立を考えて、カレンダーに入力するようにしています。金曜日は固定メニューで、タコスや出来合いのピザに頼ることが多いです。タコスの日は、1日目はそのままタコスとして食べて、2日目はタコライスにするので、週2日分メニューが決まります。
北欧流、時間の作り方③ 冷凍ピザ、オーブン料理ほか、平日はラクごはんでOK
ノルウェーでは「冷凍ピザが国民食」と言う人がいるほど、北欧では冷凍食品もよく食卓に登場します。平日は作れているだけでOKと考えている人が多いよう。そのかわり、休日はちょっと手の込んだ料理を作るのが定番の過ごし方です。
ほったらかしできるオーブン料理 「Flygande Jacob(空飛ぶヤコブ)」
北欧ではオーブン料理をよく作るのですが、豪華に見えるけれど、実際に作ってみるととっても簡単!オーブンに入れてしまえば、ほったらかしにできるのもいいところです。
我が家でもよく作る、スウェーデンの定番オーブン料理をご紹介します。
航空関連の会社に勤めていたヤコブパパが、冷蔵庫にあるものだけで子どもたちのために作った料理です。
(材料)おおよそ3-4人分
鳥むね肉250g
ベーコン100g
バナナ1本
生クリーム200cc
ケチャップ大さじ2杯
お米1合
ピーナッツ適量
塩適量
こしょう適量
(作り方)
1)オーブンを200度に予熱であたためておく
その間に鶏肉を一口サイズに切り、ベーコンは1cmの角切りにする、バナナは1センチの輪切りにする
2)フライパンに油をしいて、鶏肉を炒めてさいごに塩胡椒し、耐熱皿にうつす。
3)同じフライパンでベーコンも色がつくくらいに炒めて、耐熱皿にうつす
4)生クリームとケチャップと塩胡椒適量をボウルでミックスする
5)先ほどの3の上に4をまわしかけて、上からバナナをのせて、200度のオーブンで20分ほど焼く
5)焼けたら取り出して、ピーナッツを上からふりかけたら完成!
あとはご飯の上にかけて、いただきます。大人はタバスコを加えてもおいしいです。
北欧流、時間の作り方④ 家がきれいな秘密は、扉付き収納
壁一面、扉付き収納になっていることもあるほど、北欧のお家にお邪魔すると収納スペースの多さに驚きます。中をのぞかせてもらうと、仕切りなどはなく、引き出しごとにざっくりと入れているだけ。扉の中まで頑張らないというのも、きれいが続くコツのようです。
扉の中まではこだわらない
我が家でもキッチンはたっぷり収納に。カテゴリごとにざっくりと収納しています。子どもたちもわかりやすいようで、自分たちで片付けてくれます。
北欧流、時間の作り方⑤ 仕事に効率よく集中できる環境作り
夫がノルウェーで働いていた会社では10時と14時に、15分ほどのFIKA(フィーカ)がありました。FIKAとはコーヒーを飲んだりおやつを食べたりしながら、同僚と談笑する時間。仕事の途中でも手を休めて、頭をリラックスさせることで、より仕事が捗ると考えられているのです。
昇降式デスクを採用
夫がノルウェーのオフィスで昇降式デスクを使ってその良さを知り、我が家でも購入しました。正しい姿勢を保ちながら仕事ができますし、パソコン作業をしながら足を動かすこともできるので、疲れにくいように感じます。
シンプルで合理的な北欧の暮らし。「これでいいんだ!」と力を抜いて、ほどほどに
北欧に行くたびに「これでいいんだ!」と肩の力が抜けるのです。知らないうちに気を張っていた自分に気がつきます。北欧はていねいに暮らしているイメージを持っている方もいるかもしれませんが、実際はシンプルで合理的な一面もあり、これが毎日に小さな余裕を作ってくれていると感じます。
北欧の人たちの暮らしが、日本で子育てしているママパパたちにとって、小さくともヒントになったり、気持ちがラクになったら嬉しいです。ありがとうございました!
こちらの記事では北欧ママパパたちの子育ての考え方や気持ちの切り替え方を紹介!
プロフィール
イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
Instagram @kuwabarasayaka
note 桒原さやか(くわばらさやか)/スウェーデン人夫と子育て奮闘中。
文・構成/桒原さやか 撮影/五十嵐美弥