「誠お兄さん」こと福尾 誠さんが体操を始めたきっかけ、続けてこられた理由は? 5月に出演する『こども音楽フェスティバル 2025』の楽しみ方も

2025年5月3日(土・祝)~6日(火・休)の4日間、サントリーホールで開催される、世界最大級のこども向けクラシック音楽の祭典「こども音楽フェスティバル 2025」。二回目となる今年のプログラムでは、クラシック×体操を融合した『クラシックたいそうコンサート』のプログラムが登場! ナビゲーターに就任したのは、“誠お兄さん”の愛称でおなじみの福尾誠さん。注目の『クラシックたいそうコンサート』や、誠お兄さんの幼少期のお話などを伺いました。

「こども音楽フェスティバル 2025」最終日[5月6日(火・休)10時30分から]ブルーローズ(小ホール)で開催される『クラシックたいそうコンサート』の体操・ナビゲーターとして出演する、福尾誠さん。こちらは、主に0歳〜未就学児におすすめのプログラムで、”からだいっぱいに音楽を感じて楽しもう”がコンセプト。

こども音楽フェスティバル 2025には、誠お兄さんが登場! 衣装協力=BAYFLOW

『クラシックたいそうコンサート』では、オリジナルの体操が3つも登場!

編集部:誠お兄さんが出演する『クラシックたいそうコンサート』で披露する『クラシックたいそう』とはどのような体操ですか?

福尾さん:「クラシックと体操を合わせた『クラシックたいそう』は、モーツアルトの『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』、ビゼーの『カルメン』(オペラ『カルメン』第1幕への前奏曲)、オッフェンバックの『天国と地獄』(喜歌劇「天国と地獄(地獄のオルフェ)」序曲よりカンカン)の3種類があります。

動画も44日(金)よりソニー音楽財団公式YouTubeチャンネル「こどものためのクラシック」で1週間に1つずつ公開されますので、ぜひチェックしてみてください。

『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』の体操は、初めは難しく感じる方もいるかもしれませんが、もっともポピュラーなクラシックの曲と言えるので、振り付けにこだわらずに、自由に体を動かしてほしいと思います。

『カルメン』は軽快なメロディーで、リズム遊びができる体操です。リズムを意識して体を動かしてみてください。

『天国と地獄』は、ストーリー性がある体操になっているので、ストーリーを想像しながらのびのびと楽しく動けると思います」

編集部:今回の『クラシックたいそうコンサート』、ズバリ見どころは何でしょうか?

福尾さん:「クラシック音楽と体操の融合はもちろんですが、今回は会場でプロの演奏家の方々が生演奏をしてくれるところです。小さなお子さんと一緒にサントリーホールに来られることもなかなかない機会ですし、0歳から生で弦楽器や打楽器の演奏を聴くことができるのも貴重な体験です。

僕は普段からからだを動かすことを楽しむ活動をしているのですが、音楽はとても重要な要素だと感じています。ただ何もないところでからだを動かして遊ぶこともありますが、音楽がプラスされることで、より楽しくなるし、動きやすくもなる相乗効果があります。ぜひ五感全てで楽しんでください!」

「プロの演奏家の方々の生演奏は、小さなお子さんにも貴重な体験になります」

会場に来られる方はもちろん、お家からYouTubeでのライブ配信で参加される方も、事前に動画などでチェックして、たくさん楽しんでみてくださいね。

チケットがなくても楽しめます!

「こども音楽フェスティバル 2025」は、全公演のプログラムがオンライン配信されます(一部有料)。『クラシックたいそうコンサート』は無料配信なので、ソニー音楽財団の公式YouTubeチャンネルのライブ配信をチェックしてみてくださいね。

⬛︎オンライン配信の詳細は>こちら

幼少期から体操漬けの日々。続けたことで多くの成長があった

編集部:福尾さんご自身の、音楽との思い出はありますか?

福尾さん:「僕自身はこどもの頃からスポーツ一筋だったので、楽器に触れることや、オーケストラの演奏を聴く機会や、クラシックの音楽に触れることはほとんどありませんでした。でも、からだを動かすことと音楽とは密接に関わっていると思います。体操競技も、鞍馬にしろ鉄棒にしろ、すごくリズムが関係するんですよね。

女子の体操競技には音楽を使う種目があるのですが、男子の体操競技には音楽を使う種目がないんです。大会の時は同じ会場内で競技を行っていて曲が聞こえてくることもあったので、「いい曲だな」と気になって音楽に耳を傾けていたこともありましたね」

編集部:体操という好きなことに、幼少期から出合われていることが素晴らしいです。福尾さんが体操をはじめられたきっかけは?

福尾さん:「姉の体操教室に連れられて行っていたことが体操を始めるきっかけでした。教室へ行っては、そこで走り回っていたので『そんなにからだを動かすことが好きならやってみたら?』と。

体操に出合った時は、からだを動かすことが好きで、遊ぶことが好きで、それに時間をかけられることが楽しかったんです。ただ、途中から競技会に参加するという競技の要素が加わると、みんなと競い合わなければいけなくなり、”嫌だな”、”辞めたいな”と思ったこともありました。今までは”好き”でやっているだけでよかったのに、人と何かを比べられることには苦しみも伴いましたね」

右:小学生の頃の誠お兄さん

「できる」が増えることは楽しい!

福尾さん:「でも、日々教室で体操をしていると、できることが確実に増えるので、その嬉しさはとても大きかったです。『以前はできなかったことがこんなにできるようになった』という喜びに変わっていくんです。

『この技ができるようになった!』ということが積み重なっていくと自信になるし、競技会に参加する楽しみにもなるんですよね。比べられるつらさより、できるようになる喜びが勝っていったので、続けてこられたと思います。結局、行き着くところは”嬉しさ”や”楽しさ”なんですよね。

僕が感じていた体操を”好き”、”楽しい”という気持ちを尊重してくれた母に感謝しています」

人と比べるよりも「嬉しい」や「好き」な気持ちを大切にしてほしい!

振り付けにはこだわらず”楽しい”気持ちを大切にして

編集部:『クラシックたいそうコンサート』参加される方にどのように楽しんでほしいですか?

福尾さん:「『クラシックたいそうコンサート』は、振り付けがあるものですが、振り付けの再現度や忠実さにこだわるよりは、楽しく体を動かしてもらえると嬉しいなと感じています。

僕は、みんなにとっての”からだを動かすことの楽しさ”を一緒に見つける活動をしており、『チュロスポ』というイベントを開催しているのですが、運動が苦手なこどもたちや障がいのあるこどもたちなども参加しやすいスポーツフェスティバルを作りたいと思い、日々研究や準備をしているんです。

誰でも簡単に・気軽に参加できることをモットーに、どんな方にもからだを動かす楽しさを知ってほしいという想いでさまざまな取り組みを行っているので、今回の「クラシックたいそうコンサート」の出演で、自分自身の知見が広がり新しいアイディアが生まれる予感。とてもワクワクしています!

当日は会場にいる誰よりも僕が一番”楽しむ”予定です。みんなで楽しく感じるままにからだを動かしましょう!」

みんなで楽しくからだを動かしましょう!

誠お兄さんも注目!誰にでも演奏できる!?『ゆる楽器』が登場

「こども音楽フェスティバル 2025」は、さまざまなアプローチで、だれもが楽しめるインクルーシブなフェスティバルを目指しています。

障がいの有無や年齢、置かれた環境や背景にかかわらず、音楽に触れる感動を届けたい。クリエイティビティやテクノロジーの力でチャレンジする取り組みの一環として、今回はだれもが演奏でき、音楽を自由に楽しめる「ゆる楽器」のお披露目が!

左:ウルトラライトサックス、右:ハグドラム

鼻歌で演奏できる「ウルトラライトサックス」、光や振動で音を感じることができる「ハグドラム」など、障がいがある方もない方も、一緒にセッションを楽しむことができる楽器です。

詳しくは「こども音楽フェスティバル 2025」公式ホームページをチェックしてみてくださいね。

⬛︎こども音楽フェスティバル 2025公式ホームページは>こちら

⬛︎ゆる楽器「ハグドラム」の取り組みは>こちら

お話を聞いたのは

福尾誠|スポーツライフスタイリスト
順天堂大学スポーツ健康科学部卒業。同大学院スポーツ健康科学研究科博士課程修了。2019年4月よりNHK Eテレ「おかあさんといっしょ」第12代体操のお兄さんとして4年間活動。現在はスポーツライフスタイリストとして、みんなにとってのからだを動かすことの楽しさを一緒に探すため、様々な活動を行っている。
⬛︎福尾誠オフィシャルサイト https://coseiro.co.jp/

写真=平舘平
衣装協力=BAYFLOW

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文・構成/鬼石有紀

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