留学前後で子どもが大成長すると話題の【保育園留学】って? よすぎて移住する家族も! 人気の理由に迫る

保育園留学をご存知ですか?馴染みのない人が多いかもしれません。最近は非日常体験を子どもにしてほしいという親御さんのニーズもあり、人気上昇中!今回は、保育園留学事業を運営する株式会社キッチハイク広報の福田さんへお話をうかがいました。

 保育園留学とは、大自然の中での「子ども主役の暮らし体験」のこと

--「保育園留学」というとなじみのない親子もいると思いますが、昨今注目は高まっているのでしょうか?

キッチハイク 福田さん(以下、福田さん):「保育園留学」とは、親子が普段と異なる場所に滞在し、2週間ほどいつもと違う保育園に通う「子ども主体の暮らし体験」のことを言います。「留学」というと海外を想像する方もいるのですが、保育園留学では、日本国内で大自然と触れあえる地域を留学先として提供しています。

宿泊先でリモートワークをするお母さんのイメージ(岐阜県美濃市の宿泊先)

リモートワークの普及で暮らしの選択肢が拡大

福田さん:新型コロナウィルスの流行でリモートワークが普及し、どこでも仕事ができる親御さんが増えました。その影響もあり、保育園留学の参加者は年々増加、認知度もここ数年であがってきたと感じています。これまでに延べ500家族、2000人以上が保育園留学を経験しています。1年中参加希望はありますが、特に夏の時期、7-8月は人気があり、満員になる留学先も出てきています。

やりたいことは園が全力で支援!子どもにとって最適な場所が見つかる

--具体的にどのような体験ができるのでしょうか?

福田さん:体験できることは、留学先によっていろいろですが、例えば、「世界一のこども園をつくる」ことを掲げる北海道厚沢部町の認定こども園はぜる(保育園留学1号園)では、とても広い園庭や園舎で子どもがのびのび遊べますし、とにかく子どもがやりたいことを実現できるよう全力です。ほかにも、田んぼの近くにある保育園では農業体験ができたり、インターナショナルスクールでは英語や海外の文化を学べたりします。中には、専門家が常駐している、発達支援に特化した保育園もあり、人気が高まっています。

園庭で遊ぶ子どもたち(北海道厚沢部町 認定こども園はぜる)
園庭で遊ぶ子どもたち(北海道厚沢部町 認定こども園はぜる)

福田さん:提供している留学先は自然が豊かな場所ばかりで、園庭がとても広く、ずっと走り回っていられるような環境です。室内の広さも十分にある園も多く、雨でも走り回れる空間の広さも魅力だと思います。また、保育園によって教育方針はさまざまではありますが、厚沢部町のはぜるをはじめ「子ども主体の保育」には力を入れる園が多くあります。子どものやりたいことは全力で叶えにいく方針です。とある園では、「チョコバナナが食べたい」と言った子がいて、それを実現するために地域の人にかけあってバナナの苗をゲットし、苗から育てたというエピソードもあります(笑)。

それくらい自由で子どもを健やかに育てているというところが親御さんに刺さっていると感じています。

2週間の留学を体験したのちに、本格的に移住する家族も

--自然の中で育てられるというのは特に都市部の方のニーズが強いのでしょうか。

福田さん:そうですね。都市部の保育園だと、園庭や園舎が狭く、子どもをのびのび育てられないと悩む親御さんが特に多いです。あるいは、育休中の親御さん自身が日常を離れてゆっくりしたいという理由で保育園留学を決めることもあります。

ほかにも、先ほどお話ししたように最近は自然以外にも英語や発達支援に特化した園とも連携しているので、そこへ魅力を感じてくれている方も増えています。発達の凸凹がある子どもにとって最適な選択肢を探していたり、インターナショナルスクールへの入学を検討していたりするご家族が、まずは2週間「保育」という形で参加してみるといった使い方もされています。

--2週間かけてお子さんに合った環境を試せるのは嬉しいですね。留学期間が終わったあとは自宅の近くで似た園を探すことになるのでしょうか。

福田さん:そういった方もいますが、中には留学先の保育園がよくて、そのまま移住してその園に入るケースもあります。北海道厚沢部町では、実際に移住を決めたご家族もいらっしゃいました。

新しい世界での体験は非認知能力の育成にも効果的

--非常に充実した時間を過ごせそうな保育園留学ですが、留学前後でお子さんに変化はあるのでしょうか。

福田さん:留学前は引っ込み思案や人見知りをするお子さんがいたのですが、留学中はすごく楽しそうにおしゃべりに過ごしていた子がいました。あまりの変化に親御さんも驚いていましたね。そういう目に見える変化ももちろんありますが、日々の暮らしとは全く異なった開放的な環境に身を置くので、いろんな制限が外れて「もっと自分を出してもいいんだ」「ここでは挑戦してみよう」と内面的にも成長に繋がっていると感じます。

体育館で踊る子どもたち(岐阜県美濃市 美濃保育園)
体育館で踊る子どもたち(岐阜県美濃市 美濃保育園)

新しい環境に飛び込むことで、対応力が身に付き、非認知能力が育まれるという分析もあります。実際に、発達心理学の専門家である内田伸子先生(IPU・環太平洋大学教授、お茶の水女子大名誉教授)は、保育園留学は非認知能力の育成になると仰っています。大自然に触れながら新しい人や価値観に触れる体験は社会性、自制心、挑戦力、つまり非認知能力の習得に大きく寄与するんだそうです。

たくさんある留学先。まずは子どもがしたい体験を話合って

--子どもの成長は親として嬉しいですが、お値段が気になります。料金はどのくらいを見ておけばいいでしょうか。

福田さん:留学先によって異なりますが、預かり保育料と宿泊料込みで20-40万円です(食費は含まず)。留学中は保育園留学の提携先に宿泊してもらい、留学先や宿泊施設によっても価格が変わってきます。ただ2週間という長期でかつ、家族全員でと考えたら、1日あたり1万円~3万円程度です。そこで今しかない子どもの体験や学びが得られると考えると、より参加するイメージを想像していただけるかなと思っています。

--留学先によって費用は変わりますか。たくさん留学先があってどこを選ぶか悩ましいですね。

福田さん:地域や宿泊施設によって多少の差はありますが、そこまで大きな違いはありません。なので留学先を選ぶ際には、①体験したいアクティビティ、②保育園の受入可能な年齢、③車の運転の有無の3つのポイントで考えると良いですよ。

海辺で遊ぶ子どもたち(熊本県天草市)
海辺で遊ぶ子どもたち(熊本県天草市)

留学先は北は北海道、南は九州で、40程度の施設の中から選べます。北海道では牛がたくさんいる牧場のそばで食育や農業を学ぶ体験ができたり、反対に南の方では、ウミガメの産卵や野生のイルカが見れたりします。お子さんのやってみたいことをベースにますは検討されることをおすすめしています。

全年齢受け入れ可能な園もあるのですが、3歳以上など制限のある場所もあります。また、車が必要になる留学先もあるので、運転できるかどうかを基準に絞っていくにも良いと思います。運転されない方は徒歩で生活できる留学先がおすすめです。

6月~8月に予約可能なおすすめ留学先をチェック

【岐阜県 美濃市】

森林や木にふれる「木育」と伝統的な街並みが特徴。

対象年齢:0歳6ヶ月~
車運転:車なしOK

【富山県 富山市】

雄大な立山に囲まれ、モンテッソーリ教育も体験できる。

対象年齢:0歳6ヶ月~
車運転:必須

【新潟県 佐渡市】

日本最大の離島で、海の遊びや島暮らしを体験できる。

対象年齢:3歳~
車運転:必須

【長野県 上田市】

長野の自然+英語と探究を軸としたインターナショナルスクール。

対象年齢:1歳~
車運転:車なしOK

留学先で悩んだらLINEで相談してみて

留学先に悩んだ場合は、LINEで自分にあった留学先を探せる「LINE留学先診断」や当社のスタッフがオンライン面談で提案する「保育園留学コンシェルジュ」に相談することもできます。

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--どこも非日常体験が楽しくできそうで迷っちゃいそうなので、専門スタッフに提案してくれるのは嬉しいですね。車の運転ができない私にとっては、運転なしで生活できるのは助かります。

福田さん:ちなみに滞在期間は、1-2週間が一般的です。1週間の滞在を選んだ家庭は、もう1週間いたかったと言っている人が多いので、2週間の滞在がおすすめです。リピーターもたくさんいて、夏に向けて予約も埋まってきています。非日常体験をぜひ親子でたっぷり楽しんでいただけたらと思います。

--親にとっても新しい環境に順応したり、日頃の子育ての役割を変えたりと貴重な経験ができる保育園留学。この夏、子どもと一緒に挑戦してみてはいかがでしょうか。

キッチハイクの保育園留学のHPは>>こちらをチェック

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取材・文 峯あきら

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