離乳食期のポイント
母乳やミルクなどの液体主体から、少しずつ食事へと移行していく『離乳食期』。この時期にお子さんが離乳食を進めていい状態か、形態を少しずつ固形へと進めても大丈夫かを親御さんがしっかり見極める必要があります。
ゆっくり進むお子さんもいれば、食べることが大好きでどんどんと食事形態が進むお子さんもいます。お子さんの進み具合には個人差がありますから「もう〇ヶ月なのにあまり食べられない」と焦る必要はありませんよ。
離乳食初期(ごっくん期)中期(もぐもぐ期)
離乳食の開始は一般的に5~6ヶ月頃と言われています。
・首がしっかりとすわっている
・大人が食べていると、口を動かしたりじっと見たりして興味を示している
・スプーンを入れても舌で押し出さない
これらの様子が見られるようになってきたら、離乳食を始める目安です。唇にスプーンを置いてすすり飲み(上唇で食べ物を自分で口の中に取り込む)ことができれば、そのまま離乳食を進めていきましょう。
介助するコツは、スプーンを上唇に押し当てるのではなく水平に引くようにすることと、量はスプーンの1/3程度の量にすることです。飲み込んだことを確認してから次の食べ物を口に入れてくださいね。
食事になかなか慣れないお子さんも中にはいますが、この時期の食事のメインはまだ母乳やミルクです。焦らなくても大丈夫。無理強いすることなく進めてくださいね。
離乳食をのせたスプーンをお子さんの下唇に軽くあて、口が開くのを待ちましょう。
スプーンを入れ、上唇が下りてきて食べものを取り込むまで待ちましょう。※スプーンを無理に押し込まず、上顎にこすりつけないようにしましょう。
スプーンは真っすぐに引くことがポイント。つい上に上げてしまいそうになると思いますが、上げてしてしまうことによって、上唇で自分で取り込むことで力が養われなくなってしまいます。スプーンの引き方を意識するようにしてくださいね。
離乳食後期(かみかみ期)
離乳食後期(かみかみ期)では、食材を噛んで食べられるようになってきます。この時期には、パンや果物・スティック野菜など、手で持ちやすく食べやすいものを用意し、自分で持って食べられるように促していきましょう。
たまに、お子さんの目の前にすべての食事を置いてしまう方もいますが、全部ひっくり返してしまう恐れも。取り皿などにとりわけて、お子さん分を少しずつ入れていくことがポイントです。
進め方のポイントとして、まずは一口で食べられる量をお子さんに教えてあげるため、一口分の量を用意してください。しっかりと噛み切れるようになったらスティック野菜などを大きめにカットし、自分で食べられる量をかみちぎって調整するように促すようにしてください。その際、しっかり噛むことや一口ずつ食べること、そして口の中のものがなくなってから、新たなものを入れるように声を掛けるのが大切です。
離乳食完了期(ぱくぱく期)
1歳頃になるとほぼ大人と同じような食事が食べられます。その際は薄味にすることがポイント。そして様子を見ながらスプーン・フォークを使用してみましょう。まだ、スプーンやフォークをうまく使えず手で食べてしまうこともあるため、お子さん用に手でつかみやすい献立にしてあげるのもおすすめです。
スプーン・フォークの進め方ポイント
スプーン・フォークを使い始めるポイントは、お絵描きでペンやクレパスがスムーズに使えることや砂遊びの際にスコップで砂をすくえるなど、手首の動きが柔らかくなってきた時がはじめ時です。
「フォークだと刺せるから食べやすい」と思い、フォークの使用から始められる親御さんもいますが、食材を刺して食べるクセがついてしまい、手首を使う経験が少なくなってきます。
まずは、スプーンで「すくって食べる」経験を積み上げていきましょう。手首がしっかりと使えるようになると、お箸への移行がスムーズになってきますよ。
上手持ち
次にスプーン・フォークの持ち方について解説します。
しっかりと握れるように、グリップがついたスプーン・フォークを用意するようにしましょう。
食べている時に肘がしっかりあがっていることがポイントで、お子さんが口元でスプーンをひっくり返さないように手首を支えてくださいね。
口元でスプーンをひっくり返す癖がついてしまうと、上唇を使って食事を取り込めなくなってしまいます。真っすぐにスプーンを引くように促してあげましょう。
三点持ち
お絵描きをしている時に、鉛筆持ちができるようになってきたらスプーン・フォークも三点持ちするように促していきましょう。この持ち方でスムーズに食べられるようになるとお箸への移行もしやすくなってきます。
上手持ちと三点持ちの間に『下手持ち』をするようにいわれることもありますが、下手持ちは肘があがらないので食べにくいです。ですから、私としては下手持ちで食べることは推奨していません。よければパパママも一度、下手持ちで試してみてください。とても食べにくいことがわかります。
お箸の進め方ポイント
スプーン・フォークの三点持ちでしっかりと食べられるようになってきたらお箸への移行も考えてもいいですね。ただ、お箸は扱いにくいことが多いです。食事の中でお箸へ移行するのではなく、遊びの中でお箸がスムーズに使えるように促してみましょう。
お箸を持つ有効な遊び
【トングで移動させる遊び】
製氷皿に色をぬってその中に同じ色のポンポンボールをトングで入れる遊びです。トングを使うことで親指・人差し指・中指の滑らかな動きを促してくれます。材料は100均で揃うものばかりですので、家庭での導入もしやすいですよ。
【お箸で移動させる遊び】
保育園でもお箸への移行の際によくされている定番の遊びです。トング遊びがスムーズにできるようになれば、お箸へ発展させてみましょう。
始めは補助箸を使ってみるのも手
お箸へ移行する際には補助箸を使ってみるのもいいですよ。ただ、補助箸に関しては「持ち方が強制されてしまって、正しい持ち方ができなくなる」と賛否両論あります。そこで、私がおすすめしているのは、リングの中に指を入れるタイプよりもバネがついたタイプです。バネのタイプの方が持ち方を強制されないので、自分で正しい持ち方ができます。
お箸の持ち方はこちらも参考に
焦らず楽しく食事していこう
食事は「楽しく食べる」ことが大切です。周りのお子さんがスムーズに離乳食を進めていくことやスプーンやお箸を持って食べている姿を見ると「我が子も早く移行していかないと」と思うかもしれませんが、人と比べずお子さんのペースで進めてください。無理やり食べさせられることや、使えないスプーンやお箸を強制されることで食事が辛い時間になることもあります。
食事が楽しいということがわかってくると自然に「自分でも食べてみたい」「パパやママと同じものを食べたい」という気持ちも自然に芽生えてくるものです。
【食事の進め方のポイント】
●まずは「楽しく」が重要!焦る必要はありません。
●手首の動きが柔らかくなってきたらスプーン・フォークを使ってみる
●お箸へ移行する時は、日常で遊びを取り入れてみても◎
今回紹介したことが、楽しく食事が進めていけるきっかけになれば嬉しいです!
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文・構成/河原崎美香