悩み①―遊び食べ―
遊び食べをしてしまう原因として、
・好きな食材ではない
・お腹がいっぱい
・食べることにあきた
・食べ方が未熟
ことがあげられます。
味覚が発達してくると、苦味や酸味があるものを好まないお子さんも出てきますし、パサパサするなど食感が悪いものは苦手というお子さんも。また、お皿に盛られている量が多く食べきれないことや、集中する時間が短いお子さんはそれらが原因で“遊び食べ”につながっていきます。
解決策は?
・時間をかけ過ぎない
・時間がかかりそうなら食べるのを手伝う
・お腹がすいた状態で食事(しっかりと活動する、間食をし過ぎない)
ことです。
子どもが集中できる時間は長くありません。食事時間は15分~20分、長くても30分までにしましょう。時間がかかったりうまく食べられなさそうであれば手伝ってあげることもポイントです。
悩み②-好き嫌いが多い―
悩み①でもお伝えしましたが、味覚の発達で好き嫌いが出てくるようになってきます。苦手なものが出てくるのもひとつの成長の表れです。そうは言っても親御さんとしては、好き嫌いなく食べて欲しいものですよね。
保育現場でもよく見られる光景ですが「1回だけ食べて」と話すこともあります。ですが、お子さんとしては「嫌なものは嫌」なのです。もちろん、この行為が悪いとは言いませんし食べず嫌いの時は効果的なこともあります。
ただ、この『1回だけ』にこだわり過ぎて、嫌な食事時間にならないようにしましょう。口の中に入れて吐き出してしまってもOK、口元にもってこられたらOKと寛大な気持ちで関わることも大切です。食べてみようとしたことを認めてあげてくださいね。
解決策は?
・無理強いしない
・料理のお手伝いしてもらう
・野菜は型抜きを使用してかわいらしくする
お手伝いや一緒にクッキングをして「自分が作った」という気持ちになると不思議と食べたくなるようです。保育現場でもお子さんがクッキングで作った料理は、食が細いお子さんでも、よく食べるという現象があります。
また、食べないからと初めから用意しないのではなく、食べてくれないかもしれないけれど、お皿に盛っておくこともポイントです。パパやママ、周りの兄弟が美味しそうに食べていると、もしかしたら、食べてみようと思う時がくるかもしれません。野菜はかわいく切るとなぜか食べてみたくなるのも子ども心。ですので、その機会を逃さないためにも、苦手な献立も用意するようにしてくださいね。
悩み③-ご馳走様をすると怒る―
悩み②と逆のパターンですね。良く食べるお子さんなのかもしれませんが、原因のひとつとしてしっかりと噛めていなくて満腹感を得られていない可能性もあります。そういった場合は、しっかりと噛めるものを用意しておくと、噛むことで満腹感を得られるようになりますよ。
・おかわりを用意する場合は「これで終わり」と伝える
・デザートなど最後の儀式を作る
なども効果的です。
悩み④-立ち歩く―
落ち着いて食べられないことには原因があります。大抵の原因は
・椅子や机が体に合っていなくて食べにくいので集中できない
・あまりお腹がすいていない
ということが挙げられます。
椅子・机が体に合っていないと食べにくいので集中できず食べる意欲がわきません。お子さんが食べやすい環境であるか見直してみましょう。大人と同じテーブルで食べていると、思った以上にお子さんには負担がかかっています。椅子を変えるだけで大きく改善できる可能性があります。
また、おやつなどの間食が多い、活動量が少ないなど、空腹感がない生活環境ではないかも考えてみてください。ただ、食が細いお子さんもいます。食事の途中で終わりたい時は、勝手に立ち歩くのではなく「ごちそうさま」と言ってきちんと食事を終えることを伝えていくことも大切です。
悩み⑤-食べることに時間がかかる―
食事に時間がかかることは、原因を探ることがポイントになります。食事時間がかかる原因として
・お皿に盛ってある量が多い
・まだうまくスプーンなどが使えない
ことが多いです。
出される量が多く食べきれないのであれば、始めから盛る量を少なめにするようにしましょう。食べきれるとお子さん自身も完食できた喜びが感じられますよ。もし、もっと食べられそうであれば“おかわり”という形であげてもいいですね。
そして、スプーンなどうまく使えず食事時間がかかるのであれば、途中から手伝ってあげるようにしましょう。
子どもの集中力は短く15~20分程度の食事時間が理想です。時間がかかりすぎると食べることに飽きてしまったり、遊び食べの原因にもなりますので、状況を見て途中で切り上げてもいいですよ。
楽しい食事時間を…
食事は、栄養を摂って体を整えるだけではなく、美味しいものを楽しい雰囲気の中で食べることで心も満たします。ですので“楽しく食べる”ということが基本です。わかっていても、好き嫌いがあったり遊び食べをされたり…と小言を言ってしまいたくもなりますよね。
「〇〇しないと」「厳しく食事マナーを…」と構えてしまうと、雰囲気が悪くなるだけではなく、親御さん自身も食事の時間がストレスになってしまうのではないでしょうか?「食べなくてもいいか」「まだうまく食べられないのは仕方ない」と寛大な気持ちで接することが大切です。
まずは“楽しく食事を”ということを大切にして、家族みんなで団らんする時間にしていくようにし、お子さんにとって苦痛の時間にならないようにしていきましょう。
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文・構成/河原崎美香