家族で金メダルの夢に向かう松島ファミリー
今回インタビューをしたのは、スーパー小学生の松島美空(まつしまみく)さん。現在小学5年生(10歳)です。2022年に最年少の9歳でTリーグデビューをして注目を集めました。京都にある田阪卓球会館でコーチを務める、元実業団選手の両親のもと3歳から卓球を始めた美空さん。そして美空さんは4兄妹の長女で、兄の輝空(そら)さん、翔空(とあ)さん、妹の愛空(あいら)さんも卓球選手という、卓球一家!
兄妹全員が大注目の卓球選手という松島家の日常とは!? 練習のスケジュールや美空さんがいまハマっていること、学校との両立などについてお話を聞きました。
天才卓球少女の1日のスケジュール
9歳から京都カグヤライズのプロ卓球選手として活動する美空さん。
–美空さんの1日のスケジュールを教えてください
由美さん:学校があるときは朝起きてから10分サーブ練習をした後にごはんを食べて登校します。4時過ぎに帰ってきて宿題をして、そこで昼寝を20分くらいしてから練習に。練習は5時から10時までが基本です。10時20分くらいに帰宅して、練習のことを振り返る卓球ノートを書いてからトレーニングをしてお風呂に入ります。そのあとごはんを食べるので、寝るのは12時くらいになります。
土日は、ゆっくり起きて朝9時から夜の9時くらいまで練習です。
–お風呂に入る前のトレーニングはどのような内容なのでしょうか?
由美さん:トレーニングは、素振りと懸垂(2分15秒ぶら下がる)をして握力を鍛えています。時には壁を一点見て、集中力を養うというようなトレーニングもしていますね。
–練習は毎日行っているのですか?
由美さん:ほぼ休みはないんです。全国大会で優勝したり、成績が残せた時の次の日は休みにしています。
両親のサポート法と松島家のルール
天才卓球少女を育てる両親のサポート法とは?
–プレイなどの相談はお母さんにしているということですが、美空さんが試合で悔しい思いをしてるときにはどのような声がけをしていますか?
由美さん:美空は、負けず嫌いで必死に自分が持っているもの、技術を出し切ろうとするところがあります。プレイ自体は頑張っていることは、私もよくわかっているのであまり注意みたいなことは言いません。ただ、気持ちのコントロールができずイライラしてしまったときなどは態度に対しては注意はします。
プレイについては振り返ってアドバイスする感じですね。
–美空さんが練習のスイッチが入らない時はありますか?また、その時はどのような声がけをしていますか?
由美さん:毎日結構スイッチが入らないですよ(笑)。練習が大変だと感じてしまうこともあるので。大会で優勝するためにはそのままじゃだめだよ。まわりの選手も頑張るから一緒に頑張ろうと声を掛けたり、練習態度が悪い時はあえて喋らないようにしてみたり。美空の様子をみながら、声がけをしています。
普通に練習しているだけだと飽きることがあるので、ゲーム性のある練習を取り入れて美空がやる気を出すように工夫してみたりもします。
あと、ごほうび作戦もありますね。今度の大会で入賞したらipadを買ってあげる約束をしています。
美空さん:ipadを買ってもらえたらタブレッドでキーボードを打つのが好きなので遊びたいなと思っています。学校でタブレットを使っていてタイピングの練習をしています。あとはYouTubeを見たりしたいです!
由美さん:タイピングが得意で、毎日卓球場のパソコンでやっていますね。
–美空さんは卓球と、パソコン、とことん好きなことに熱中するタイプなのですね。食事の管理で気をつけていることはありますか?
由美さん:あんまり私が料理が特別得意ではないので(笑)。練習後は時間がないこともあり、野菜炒め、鍋などで野菜と肉などバランスよく摂れるように意識はしています。美空は牛乳が大好きで昼も夜も飲んでいます。
–体調管理で気をつけていることはありますか?
由美さん:よく食べて、寝てケガや病気がないように気をつけています。学校などで友だちと遊ぶ時などは、突き指などのケガだけはしないように気をつけてね!とは伝えています。
うがい手洗いも気をつけていますね。風邪を引くと練習や大会にも影響してしまうので。やってないことが多いかな?
美空さん:ちゃんとやってるよ!
–集中力を養うためにやっていることはありますか?
由美さん:集中力は元々高い方だと思います。美空は小さい頃から集中力がありますね。
–メンタル管理で気を付けていることやトレーニングしていることはありますか?
由美さん:メンタルに関しては、父(コーチ)に厳しく指導されたとき、負けてしまったときなど美空が「もう嫌や!」ってなってしまったときには私がサポートするようにはしています。
メンタルトレーニングは特にやってはいませんが、我慢強さを身に付ける為に、鉄棒で2分15秒落ちないようにするとか、壁を見て集中して心を静めるなどのトレーニングは取り入れています。
最近は、縄跳びをトレーニングに組み込み、前跳び5分間ノーミス、後ろ跳び5分間ノーミスしないようにプレッシャーをかけてやっています。試合に勝つための強さを身に付ける為に、わざとプレッシャーがかかるような環境で練習やトレーニングをするようにしています。
明日に後回しにしない!松島家のルール
–松島家のルールがあれば教えてください
由美さん:スポーツ選手として相手の目を見てしっかり挨拶をすること、決めたことはその日に最後までやり切ることです。できなかった技術を明日またやろうじゃなくて、その日にやり切ることを練習でも意識しています。例えば、苦手な技やできないようなことがあれば、何本でも練習してその日にやり切るようにしています。
–練習目標は毎日決めているのですか?
由美さん:父が練習目標を毎日考えて、それに沿って練習をしています。
毎日、卓球ノートを子どもだけではなく親も書いているんですよ。子どもたちは夜にその日の反省や言われたことをノートに書いて、親は寝る前に子どもたちが書いたノートに対して返事と明日のトレーニングについて書いています。それを子どもたちが朝起きて見て、交換日記みたいな感じですね。
子ども達全員とずっと交換日記を続けていますが、練習の記録としても成長の記録としてもとても役に立っています。思い出にもなります。スポーツに限らず、取り入れてみるのはおすすめです。
「目標は金メダル!」美空さんと家族の関係、いまハマっているものは?
–学校と卓球を両立させるうえで工夫していることはありますか?
美空さん:やっぱり卓球だけだと、ダメだなと感じています。卓球でも頭を使うから勉強はしないといけないと思っています。合宿とかで学校に行けない日もあるから、学校に行ける日は授業をちゃんと受けて頑張って、帰ったら卓球の練習も頑張っています。
–いまハマっていることがあれば教えてください
美空さん:TikTokにはまっていて、たまに投稿して楽しんでいます。友だちとLINEしたり、ゲームをしたり隙間時間で遊んでいます。
–兄妹でアドバイスをしたりすることはありますか?
美空さん:兄妹で遊ぶことも多いけど喧嘩するのも多いです。卓球のアドバイスだと、お兄ちゃんがサーブとかバックドライブをいろいろ教えてくれます。妹の愛空が試合負けた時は、私が対戦したことがある選手だったら、相手の苦手なポイントなどをアドバイスします。
相談しやすい人は、一番上のお兄ちゃんの輝空とママ。相談はほとんどママにしています。
–お父さん・お母さんとの練習での関わりについて教えてください
美空さん:パパとママは2人ともこわいけど(笑)、頑張ってほしいから怒っているんだなって思います。ママは普段はすごく優しくて卓球ではたまに怒られます。練習では、パパに自分の意見を言い返すこともあります。
–これからの目標を教えてください
美空さん:卓球のオリンピックで金メダルを獲ることです!
世界で活躍するスーパー小学生のこれからの活躍に注目
なんでも言える関係で喧嘩するほど仲がいい!お母さんと一緒にお話しを聞かせていただいたインタビューは、終始和やかな雰囲気で家族の仲の良さがうかがえました。
そんな美空さんですが、2024年5月8〜11日に江陵(韓国)で開催されたWTTユースコンテンダー 江陵では、U13女子シングルスで優勝。WTTユースコンテンダー ベルリン(2024年5月27日から6月2日にかけて開催)でも、シングルスで優勝。2024年の全日本卓球選手権大会(ホープス・カブ・バンビの部)では、ホープス女王に!
輝かしい戦績を残す美空さんのこれからの活躍が楽しみですね♪HugKumも応援していきたいと思います!
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取材・文/やまさきけいこ