ハンガリー基本情報
まずは、ハンガリーの正式な国名や首都、場所などといった基本情報を見ていきましょう。
国名
正式な国名は、「ハンガリー(ハンガリー共和国)」といいます。

首都
首都は、ブダペストです。
場所
ハンガリーはヨーロッパの中央に位置します。隣接する国には、西にオーストリア、スロベニア、北にスロバキア、東にウクライナ、ルーマニア、南にセルビア、南西にクロアチアがあります。
日本との時差
日本とハンガリーとの時差は7時間で、日本のほうが7時間進んでいます。たとえば日本が午前7時だとすると、ハンガリーは午前0時となります。
面積
ハンガリーの面積は、約9.3万平方キロメートルです。これは日本の約4分の1の大きさとなります。
エリア

ハンガリーは、西部、中部、南部、東部の4つのエリアに分かれています。それぞれのエリアにある県は次のとおりです。
西部
・ヴァシュ県
・ザラ県
・ショモジ県
・ヴェスプレーム県
・ジェール・モション・ショプロン県
中部
・コマーロム・エステルゴム県
・フェイェール県
・ペシュト県
・ノーグラード県
南部
・トルナ県
・バラニャ県
・バーチ・キシュクン県
・チョングラード県
東部
・ベーケーシュ県
・ヘヴェシュ県
・ハイドゥー・ビハール県
・ヤース・ナジクン・ソルノク県
・サボルチ・サトマール・ベレグ県
・ボルショド・アバウーイ・ゼンプレーン県
人口
ハンガリーの人口は約960万人(2022年、中央統計局)です。これは神奈川県の人口(905.8万人)よりも54万人程度多い数となります。

言語・公用語
ハンガリーの公用語は、ハンガリー語です。
通貨
ハンガリーの通貨単位はフォリントです。日本円にすると、1フォリントは0.41円です(2024年8月17日現在)。
宗教
ハンガリーの人々が信仰する宗教は、カトリック、カルヴァン派となっています。
歴史概略
896年 ハンガリー民族定住
1000年 ハンガリー王国を建国
1241~1242年 蒙古軍の襲来
1526~1699年 オスマン・トルコによる占領
1699~1918年 ハプスブルグ家による統治
1867年 オーストリア・ハンガリー二重帝国の成立
1920~1944年 ホルティ摂政によるハンガリー王国
1946年2月 ハンガリー共和国の成立
1949年8月 ハンガリー人民共和国の成立
1989年10月 民主制の共和国へと体制転換
2012年1月 憲法改正により正式国名が「ハンガリー」に変更
天気・気候
ハンガリーは大陸性気候に属し、日本と同じように四季があります。年間を通じて降水量は少なめですが、夏と冬の温度差が大きいのが特徴です。もっとも寒い1月は平均気温0度前後、最も暑い7月は平均気温24.7度で、30℃を超える猛暑の日もあります。
ハンガリーの都市・ブダペストと日本の首都・東京をくらべると、ハンガリーのほうが平均気温が低く、降水量が少ない傾向にあります。
ハンガリーの治安・住みやすさ

ハンガリーの治安や住みやすさを解説していきましょう。
治安は安定している
ハンガリーの治安は安定しています。2010年以降の犯罪認知件数も減少傾向にありますが、人口比で見ると日本よりも犯罪発生率が高いため、訪れる際には注意が必要です。
住みやすさはよい
物価が安く、親日家も多く、医療費、教育費は無料です。そのため、日本人にとって住みやすい国といえるでしょう。
ハンガリーの見どころ・観光
ハンガリーには多くの世界遺産があります。観光スポットにもなっている世界遺産を見ていきましょう。
ブダペストのドナウ河岸、ブダ城地区およびアンドラーシ通り

ブダペストの中心部に位置する「ブダペストのドナウ河岸、ブダ城地区およびアンドラーシ通り」は、歴史的な建築物や美しい景観で知られています。ブダ城、国会議事堂、セーチェーニ鎖橋などが見どころです。
ホルトバージ国立公園

「ホルトバージ国立公園」は、ヨーロッパ最大の自然草原地帯です。伝統的な牧畜文化が保存されており、牛車で回って観光できます。
また馬、牛、羊、豚などの放牧や、ゴイサギ、ムラサキサギ、ユリカモメなどの鳥を間近で見ることができるのもポイントです。
パンノンハルマの大修道院とその自然環境

996年に設立された「ベネディクト会修道院」は、ハンガリー最古の修道院のひとつ。ハンガリー初の学校が創設され、ハンガリー語の初の文書が作成された場所です。バシリカ式聖堂、36万巻の蔵書を持つ付属図書館、バロック様式の会食堂などが見どころです。
修道院には現在でも修道士が暮らしており、寄宿学校も併設されています。
ペーチ(ソピアナエ)の初期キリスト教墓地遺跡

「ペーチ(ソピアナエ)の初期キリスト教墓地遺跡」は、ローマ時代のキリスト教の墓地遺跡です。地上には礼拝堂や霊廟、地下には埋葬室である「カタコンベ」あります。
カタコンベはアダムとイブなどの聖書をモチーフにした壁画で飾られていて、その芸術性が高く評価されています。

トカイ地方の歴史的ワイン産地
ハンガリー北東部に位置するトカイ地方は、歴史的なワインの産地。12世紀ごろからワインの名産地として知られ、7000ヘクタールもの美しいブドウ畑が広がります。
世界の三大貴腐ワインの元祖とされているのがここトカイで、極甘口のワインが有名です。

ハンガリーの特徴・有名なもの
観光スポット以外の、ハンガリーで特徴的なものや有名なものを紹介します。
国名の由来
「ハンガリー」という国名は、国民の大多数を占めるハンガリー人が由来とされています。
国旗の意味
ハンガリーの国旗には、赤、白、緑の3つの色が使われています。それぞれの色には意味があり、赤は尊い血の犠牲を、白は国民の誠実さを、緑は希望を象徴しているのだそうです。

日本語と発音が似ている言葉がある
ハンガリー語には、偶然ですが日本語と発音がとても似ていている単語があります。
たとえばハンガリー語で「ショー」は「塩」の意味です。そのほか「ヴィーズ」は「水」、「ヨー」は「よい」という意味があります。
温泉大国
ハンガリーは、約1300か所の源泉がある温泉大国です。比較的浅い地下にある地熱によって地下水が熱せられ、温泉を形成しています。お湯の温度は35℃前後で比較的ぬるめです。

温泉湧出地が一番多く集まるブダペストの代表的な温泉が「セーチェニ温泉」です。市民公園ヴァーロシュリゲットのなかにあり、1913年にバロック・リバイバル様式で建造された宮殿さながらの美しい建物が特徴となっています。ここには建物内、屋外あわせて18もの温泉があります。
そのほか地方には、洞窟内の温泉「ミシュコルツ・タポルツァ洞窟温泉」、湖全体が温泉となっている「ヘーヴィーズ温泉湖」、天然の炭酸ガスを用いたドライ風呂など、魅力的な温泉がたくさんあります。

たくさんの世界遺産や温泉がある「ハンガリー」
ハンガリーは、豊かな歴史と自然に彩られた国で、数多くの世界遺産や温泉が魅力です。首都ブダペストには、ドナウ河岸の美しい景観や壮大なブダ城など、歴史的な建築物が点在しています。
また温泉大国としても知られ、セーチェニ温泉や洞窟温泉ミシュコルツ・タポルツァなど、リラックスできるスポットも豊富です。
ハンガリーを訪れると、その文化や自然の素晴らしさに魅了されることでしょう。遠い国ですが、機会があればぜひ足を踏み入れて体験してみてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部