「ベルギー」はどんな国? ワッフル・チョコレートだけじゃない魅力を知る【HugKum世界紀行】

ベルギーはヨーロッパにあり、面積は日本の12分の1程度の小さな国です。ベルギーといえばワッフル、チョコレート、ビールを思い浮かべる人も多いでしょう。そんなベルギーがどんな国なのか、場所や面積、人口、治安のこと、さらに人気の観光スポットなどについてご紹介します。

ベルギー基本情報

まずはベルギーの場所や首都、面積、人口、歴史などの基本情報を確認しましょう。

ベルギーの場所
ベルギーがあるのはヨーロッパの西

国名

ベルギー王国

首都

ブリュッセル

場所

ベルギーがあるのは、ヨーロッパ西部です。北東にオランダ、東にドイツ、南にルクセンブルク、南西にフランスと隣接し、北は北海に面しています。

日本との時差

7時間

日本のほうがベルギーより7時間進んでいます。

面積

30,528㎢

関東地方(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の面積が、約32,000㎢ですから、ベルギーの面積は関東地方より一回り小さい程度。日本の約12分の1の面積にあたります。

エリア

ベルギーの3つの地域。青がブリュッセル首都圏地域、黄色がフランデレン地域、赤がワロン地域 Illustrated by Vascer, CC 表示-継承 3.0, Wikimedia Commons

ベルギーは連邦制をとっており、3つの地域(ブリュッセル首都圏地域、フランデレン地域、ワロン地域)があります。一方で3つの言語共同体(フラマン語共同体、フランス語共同体、ドイツ語共同体)もあり、2層で計6つの地方行政区分があります。

「言語」で分けた場合の行政区。黄色がフラマン語共同体、赤がフランス語共同体、青がドイツ語共同体の地域 Illustrated by Vascer, Knorck, CC 表示-継承 3.0, Wikimedia Commons

言語・公用語

ベルギーは多言語国家です。北半分はオランダ語を話す地域、南半分はフランス語を話す地域で、ドイツの国境に近い小さな町ではドイツ語が使われています。

人口

1,170万人

東京都の人口が約1,400万人ですから、ベルギーの人口は東京都の人口の8割ほどです。

通貨

ユーロ

1ユーロ =161.48円(2024年9月2日現在)

ベルギーの連邦議会議事堂 Photo by EmDee, CC 表示-継承 3.0, Wikimedia Commons

宗教

伝統的にはカトリックですが、近年はムスリム移民が増加しています。

歴史

ベルギーは、12〜13世紀頃までは国としてまだ存在していませんでした。フランス革命とナポレオン戦争で混乱したヨーロッパの秩序を再建するために、1814年~1815年に開かれた「ウィーン会議」で、現在のベルギーはオランダの領土と決められました。

そして1830年、フランスで起こった市民革命「フランス7月革命」の影響を受けて、ベルギーの中で独立を求める運動が起こり、12月にベルギーが独立を宣言。オランダはベルギーの独立を認めていませんでしたが、1839年にオランダを含む各国がベルギーの独立をついに承認したのです。

国旗

ベルギーの国旗
ベルギーの国旗

ベルギーの国旗は、黒、黄色、赤の3色旗。フランスの国旗をもとにしたとされていて、黒は力を、黄色は円熟、赤は勝利を意味しているといわれています。

天気・気候

ベルギーは海洋性気候に属します。日本よりも緯度が高いため、年間を通じて日本よりも涼しい気候です。

季節は春夏秋冬があり、夏は30℃を超える暑い日もありますが、冬はコートや手袋、マフラーなどの防寒具が必要な寒さになります。また、冬は日照時間が短くなります。

ベルギーの治安・住みやすさ

古都ゲントと運河

ベルギーを旅行で訪れるなら、治安はどうなのか気になるでしょう。現地での暮らしやすさとあわせて見てみましょう。

治安は安全

ベルギーは、世界でも治安のよい国のひとつです。外務省「海外安全ホームページ」でも、特別な危険情報は発令されていません。

しかし強盗、ひったくり、置き引きなどの犯罪被害は増加傾向にあり、特にブリュッセル南駅やルイーズ駅周辺、電車・バス・メトロ等の公共交通機関内、ホテル、レストランなどで起きる事例が出ています。また2023年秋頃からブリュッセルで深夜や早朝に銃撃事件が発生し、通行人が巻き込まれるケースが起きています。

ベルギーを訪れた際は、日本とは異なる海外にいることを自覚して気を引き締め、多額の現金や貴重品は持ち歩かず、知らない人を簡単に信用しないといった心がけを忘れないようにしましょう。

住みやすさは良好

ベルギーは世界的に見ても治安のいい国で、移住している日本人も少なくありません。日本人が暮らしやすい国のひとつといえるでしょう。

ベルギーの見どころ・観光

ベルギーに行くなら、ぜひチェックしたい観光スポットをご紹介します。

グランプラ

ベルギーのグランプラス
ライトアップされたグランプラス

ベルギーの観光旅行でぜひ行きたいのが、ブリュッセルにあるグランプラスと呼ばれる広場。市庁舎やブレッドハウスなどに囲まれていて「世界で最も美しい広場」ともいわれています。歴史を感じる美しい建物は、日本にはない雰囲気に包まれています。

ブルージュ(ブルッヘ)

ベルギーの北西に位置するのが、ブルージュ(ブルッヘ)という古都です。北海とつながる運河があり、運河クルーズがメジャーです。

ブルージュ(ブルッヘ)の運河クルーズ

またブルージュ(ブルッヘ)のシンボル的存在の、高さ80m以上ある鐘楼も要チェック。366段ある階段を上ると頂上にたどりつけるので、体力に自信があるならぜひ上ってそこから絶景のパノラマを眺めてみましょう。

マルクト広場

ベルギーのマルクト広場
マルクト広場

ブルージュ(ブルッヘ)の中心にあるのが、マルクト広場です。赤や黄色などカラフルな建物が石畳の道に並び、フォトジェニックなスポットとして人気です。広場には馬車が走り、観光客が乗ることもできます。

小便小僧

ブリュッセルにあるのが、小便小僧の像です。ブリュッセルが敵陣に包囲されたとき、火薬の導火線に小便をかけたとされるブラバン公の王子が由来ともいわれています。

ブリュッセルの小便小僧。像は意外と小さい?

小便小僧にはさまざまな衣装が着せられていて、これまでのワードローブは1000着弱にも及ぶのだそうです。

ベルギーの特徴・有名なもの

ベルギーの場所
ベルギーといえばワッフル

ベルギーと聞くと、ワッフルやチョコレート、ビールなどを想像する方も多いでしょう。ベルギーで有名なものを見てみましょう。

ベルギーワッフル

格子模様に焼かれ、軽い食感の甘さ控えめの生地が特徴のベルギーワッフル。主に「ブリュッセルワッフル」と「リエージュワッフル」と2つの種類があります。「ブリュッセルワッフル」は長方形で、チョコレートソースや蜂蜜をトッピングして食べることが多く、「リエージュワッフル」は円形でサックリ焼かれていて、砂糖をまぶしてあるのが一般的です。

古代ギリシャの時代から、パン生地に牛乳、卵、はちみつなどを加えて焼いたお菓子が食べられていて、それがヨーロッパに広がったものがワッフルのルーツだとか。

ブリュッセルの街中で売られているワッフル

ベルギーチョコレート

ベルギーではカカオは栽培されていませんが、ベルギーで加工されたチョコレートは「ベルギーチョコレート」と呼ばれます。その歴史は17世紀頃までさかのぼり、ベルギーチョコレートは高い品質で高く評価されてきました。

ゴディバ、ピエールマルコリーニ、ガレー、ヴィタメ―ルなど、世界的に知られる高級チョコレートブランドがベルギーで生まれています。

ベルギービール

種類が豊富なベルギービール

ベルギーはビールでも有名です。大麦麦芽や小麦にオレンジピールなどを加えたホワイトビール、空気中に浮遊している酵母や微生物で自然発酵させたランビックビール、瓶内二次発酵されたセゾンビールなどがあります。

ベルギーの伝統的なビール造りは、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。

食も文化も魅力あふれるベルギー

ベルギーは日本の面積の12分の1程度と小さい国ながら、ベルギーワッフルやチョコレート、ビールなどでよく知られている存在です。また歴史を感じられる建物などの観光スポットも多く、治安面もいいことから、ヨーロッパ旅行でぜひ立ち寄りたい国のひとつになるでしょう。

もしベルギーに興味を持ったらどんな国か調べて、将来の旅行の計画を立ててみてもいいですね。

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文・構成/HugKum編集部

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