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「ONE PIECE ONLY」展「誰も見たことがない」『ONE PIECE』とは
ジャンプコミックス100巻と「週刊少年ジャンプ」連載1000話の色校正や印刷刷版を作者の尾田栄一郎さんの原画とともに紹介。「週刊少年ジャンプ」やコミックスが作られる制作現場の映像も。
今回の展示のメインは原画やネーム、編集部の仕事についてのアーカイブが中心ではなく、製版、印刷を含めたもののアーカイブになっており、世界で5億部以上売れているマンガはどういう文字が使われているのか。どんな組版指定がされているのか。など普段目にできない内側を見る事が出来る展覧会。一枚の紙から数百万部の本となって読者の手元に届くまでを追う、まさに“誰も見たことがない”「ONE PIECE ONLY」展の見どころを紹介します!
視界すべてが『ONE PIECE』!大絵巻「The Wall」
1997年から始まった『ONE PIECE』のコミックス1巻から109巻までの全巻全話を展示。高さ3.6m、長さ140mの曲面に2万ページを超えるページがひと続きの壁になっています。
こちらはコミックスをばらし、全巻全話を手作業で貼っており、スタッフ8人がかりで1か月ぐらいかかったそうです!
筆者自身も持っている『ONE PIECE』のコミックスを目の当たりにして「すごい!こんなにあるのか!」と思わず声が漏れてしまうほど驚きでした。圧倒される凄い量のマンガに一気に包まれるという大迫力の体験です。
大好きなあのシーン、あの頃読んだあのシーン、涙して全然先に進めなかったあのシーン…などなど、あなたのお気に入りの場面を是非思い出と共に探してみてください。
筆者も連載当初から今までずっと『ONE PIECE』を追っていますが、連載当初は小学生の子どもで、今はもうすっかり大人になりましたが(!)あの頃、友達たちと『ONE PIECE』の話で放課後はいつも盛り上がっていたな~とか、ここの話は受験勉強中の休憩で息抜きに読んでいたな~など。思い出してほっこりしました。
『ONE PIECE』の秘密と本質に触れる「宝箱」
「週刊少年ジャンプ」に掲載された、『ONE PIECE』の1000話、コミックス100巻メイキングやアートプリントを展示。一枚の紙からマンガになり、コミックになり、アートプリントが出来ていく制作の過程・メイキングの貴重な資料を19個の大小さまざまな宝箱の中で展開しています。
「集英社マンガートヘリテージ」のアートプリントそして二丁製本や印刷のカバー、7色分の刷版などがずらりと並びます。100点以上のアートプリント作品を会期内に一挙展示(展示替えあり)!
こちらはオフセット印刷機を模したもの。上が刷版と、下がブランケットといわれるものだそうです。『ONE PIECE』コミックス100巻が一気に2冊分印刷できるように192ページの面が全部収まっているそうです!
そして写真家 本城直季さんのまるでミニチュアのように見える出版社や印刷所の空撮写真などと共にマクロの視点とミクロの視点でも宝箱の中身を紹介しています。
1970年代などは大型の活版平台印刷機は下町にどこにでもあったそうですが、今はおそらく2台ぐらいしかないとのこと。世の中に作品そのものを残す事と、失われゆく印刷技術や伝統技術を次世代に残していくための大変貴重な資料の展示を見る事が出来ます。
校了紙、構成紙、「週刊少年ジャンプ」の入稿指定、印刷所の樹脂版などを展示。カバーの色校正や、どうやってコミックスがつくられていくのかを追っていきます。
こちらの黄色の樹脂版は技術革新によって、今は黒い半紙のフィルムと半透明の樹脂版に変わってしまいもう作られていないという貴重なもの!『ONE PIECE』1000話も、この樹脂版で印刷されたそうです。是非会場で生でご覧ください!
色の濃度を少しずつ調整した、カバーの色校正を並べていて、ぱっと見ても、どこがどんな風に違うのか一見わかりづらいですが、この細部までの細かいこだわりがずっと続いているそうです。
そして、「週刊少年ジャンプ」で掲載した『ONE PIECE』1000話のネームと原画、また作者である尾田栄一郎さんの仕事場の写真と尾田さんが実際に使っているものと同じ白い紙と鉛筆が展示してあり、そこからすべてが始まっているんだな。と、とても印象深いものとなっていました。
日本のマンガの多くは基本的に分業制ではなく、漫画家さんがほぼ一人で物語をつくり、コマ割りをし、絵を描き、作者の尾田栄一郎さんは動くものは全部自分でペン入れをするそうです!それを毎週、もう27年間も!本当に大変で、もの凄いお仕事の一部を見る事ができました。
世界一のマンガが生まれる瞬間を垣間見る「The Factory」
「週刊少年ジャンプ」やコミックスができるまでの印刷工程を、本展示のために撮りおろした映像インスタレーション。
「普通は入れないようなところまで入らせてもらった」という印刷現場の映像を超高解像度の8Kカメラを用いて、3面のスクリーンに8Kのプロジェクターで投影。
音も12発のスピーカーによる立体音響で、あふれる臨場感と没入感あるとても素晴らしい映像で、今手元で身近に楽しんでる本が出来上がっていく様子を目撃できます!
世界一のマンガが出来上がる現場を工場見学のように鑑賞できて、非常に興味深く面白い内容になっていました。
そしてシアター会場に向かう廊下の天井には、無限に印刷の紙が流れる演出も見どころです!
来場者参加型のファンのみんなで作る「黄金の部屋」
雲を見ただけで、『ONE PIECE』の空だ!とわかる、ファンなら誰しもが見てきた『ONE PIECE』世界の雲を全面にあしらったPOPでとっても可愛いお絵描きの部屋。
こちらは来場した『ONE PIECE』ファンのみなさんが、コミックスと同じ大きさの特製用紙に『ONE PIECE』のイラストやメッセージなど、何でも思いのまま自由に描き、隣にある黄金の部屋に飾っていく。ファンのみなさんで作る展示スペースもありました。
漫画家さんやイラストレーターさんに愛用されているペンもありました!
『ONE PIECE』は読者コーナーもとても大事にしているので、来場者参加型の展示でファンのみなさんの思いにも打たれる、心温まる展示になっています。
もちろん、尾田栄一郎さんへのファンレターボックスも!
ルフィのようにパンチ!フォトスポット&「宝箱」の船出を来場者で盛り上げよう!
こちらはフォトスポット。ルフィのようにダイナミックなパンチポーズを決めて!展覧会の思い出に♪麦わら帽子を用意してくれているのも嬉しいですね。
こちらは展覧会入口に設置されている海外輸送用クレート。来場者は「ONE PIECE ONLY」の文字の中から1字切り出したステッカーシールを受付で受け取ったら、木箱の好きな場所に張り付けて、来年公開の北米展示へ向けての船出を盛り上げましょう!
超豪華!展覧会図録+号外ポスターの来場者特典も
ジャンプコミックスサイズ、全192ページの「宝箱」展示内容を中心とした展覧会図録を来場者全員にプレゼント!写真家の本城直季さんが撮り下ろしたマンガのネーム原画から、刷版などの資料、集英社や印刷所の空撮写真まで。貴重な写真を収録しています。
また、7月~9月にかけて東京都内各地で配布した「週刊少年ジャンプ」と同じ紙で活版輪転印刷した第1~3弾までの「号外ポスター」のどれかひとつをプレゼント。
本展覧会オリジナルグッズのショップ
展覧会オリジナルのグッズをチラ見せ!筆者が購入したグッズも紹介します!
「週刊少年ジャンプ」と同じ紙を使い、『ONE PIECE』最新109巻までの中から選んだ55の名場面のポスター!種類は
・金箔押しを行った見た目も豪華なコンプリートボックス(55枚入り)
・シルバーの袋にランダムに封入したランダムパッケージ(1枚入り)
・「週刊少年ジャンプ」の入稿に使われる黄色い封筒をイメージしたパッケージに封入した5枚セット×11種/A〜K
があります。
ショップ会場に全種類展示しているので、ほしい場面も見つけやすいです。筆者もシャンクスから麦わら帽子を預かるシーンとエースのシーン(ここ何度見ても毎回泣いてしまいます…)が入っているパックを購入しました!そして、ランダムには「ほらな 折れねェ」の名シーンが!
マンガをこの大きさで見るのはなかなかないのでとても印象的な仕上がりになっています!
こちらは展覧会公式図録『ONE PIECE ONLY / 4C』。入場特典の公式図録のフルカラー版で金箔押し、さらに本の天・地・小口も金の三方金!作るのがとても困難だそうで、極薄の製本、三方金をやっていただけるところにお願いして実現できたとのこと。積むと金塊のように見えてとても素敵です。
こちらも購入した「ONE PIECE ONLY」樹脂版クリアファイル。展示にもあった「週刊少年ジャンプ」の活版輪転印刷で使われていた黄色い樹脂版を使ったクリアファイルです。A4サイズの種類は3種類ありました!
アパレルや雑貨のグッズも充実
Tシャツは展覧会のメインビジュアルをフロントにプリント。CMYKカラーと特色の蛍光ピンクと蛍光イエローの6色展開。
スウェットは「週刊少年ジャンプ」本誌の紙色をイメージした3色のスウェット。アンティークの木活字で組まれた展覧会のロゴから、「O」「P」「!」の3文字。
ロンTは写真家・本城直季さんが撮影した『ONE PIECE』1000話の原画をあしらったロングTシャツ。
筆者はTシャツとロンTをGET!Tシャツは元気なビタミンカラーの蛍光イエローをチョイスしました♪そしてロンTは1000話で初披露したルフィの業火拳銃(レッドロック)の原画イラストがとても印象的です!
その他にも展覧会オリジナルの商品がたくさん!是非現地でGETしてください!
ひとりひとりにとってのかけがえのない一冊であるために
今回の「ONE PIECE ONLY」展は、『ONE PIECE』のストーリーやキャラクターなどがメインの展覧会ではなく、漫画家尾田栄一郎さんをはじめ、大勢のプロフェッショナル達がマンガをつくり続ける過程を展示し、制作に携わるスタッフですら見たことのない規格外の展覧会という内容の通り、普段は表に出ることのない印刷過程などの制作現場も見る事が出来て、非常に貴重な体験でした!
そしてストーリーやキャラクターが大好きで『ONE PIECE』を楽しむ事はもちろん、今、自身の手元にある300円前後の週刊マンガ誌や、500円前後のマンガコミックスがこんな風に作られていて、こんなに沢山のプロフェッショナル達が携わっているのだと思うと、手元に持っている本たちが特別な一冊に思えました。
『ONE PIECE』だけのたくさんのオンリーをどうぞ時間の限り楽しんでください!
「ONE PIECE ONLY」展
会期:2024年10月9日(水)〜 25年1月13日(月・祝) ※12/31〜1/2は休館
会場:PLAY! MUSEUM(東京・立川)
開館時間:10時〜18時(入場は17時30分まで)
展覧会ウェブサイト:https://one-piece-only.play2020.jp/
PLAY! MUSEUMウェブサイト:https://play2020.jp
◯入場料(税込)
一般 2,400円 大学生 1,800円 高校生 1,200円 中・小学生 800円 未就学児無料
◯購入方法
・セブンチケット限定販売 ※完全日時指定制
https://7ticket.jp/sp/one-piece-only
*チケットの詳細、利用案内、注意事項はセブンチケットの購入ページをご覧ください。
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文・構成/HugKum編集部